『STAND BY MEドラえもん2』レビュー:描くのは男性のマリッジブルー?
2014年に公開され、興行収入83.3億円の大ヒットを記録した、シリーズ初の3DCG作品『STAND BY MEドラえもん』。
『ALWAYS 三丁目の夕日』の山崎貴と『friendsもののけ島のナキ』の八木竜一が共同監督を務め、原作シリーズの鉄板エピソードののび太の結婚前夜とドラえもんとの別れのエピソードを再構築した映画は大きな話題を呼びました。
それから6年ぶりの続編にしてドラえもん生誕50周年記念作品となるのが『STAND BY MEドラえもん2』です。
前作では“のび太の結婚前夜”と“さよならドラえもん”のエピソードが軸となりましたが、今回はもう一つの鉄板エピソード“おばあちゃんの思い出”編を中心に“結婚前夜”の続きも描いてみせます。
近年では主題歌も話題になる映画のドラえもんですが、今回は菅田将暉の『虹』が起用されました。
あらすじ
<現在>のある日、のび太は部屋で、幼い頃に亡くなったおばあちゃんがくれた熊のぬいぐるみを見つけます。大好きだったおばあちゃんを思い出したのび太は、タイムマシンでおばあちゃんに会いに行きたいと提案、直接会わずに様子を見たら帰ることを条件に<過去>へと出発します。
会いたい気持ちを抑え、陰からこっそりおばあちゃんのことを見ていたのび太。しかしひょんなことから、おばあちゃんに見つかってしまいます。小学生になったのび太の姿を見て驚きつつも、あの頃と同じように優しく受け入れてくれるおばあちゃん。
「あんたのお嫁さんをひと目見たくなっちゃった」
そんなおばあちゃんの一言で、のび太とドラえもんは、今度は<未来>へと出発します。目指すは、しずかとの結婚式当日!しかし、会場は騒然となっていました。
なんとのび太が逃げたというのです…。
描かれるものは男性のマリッジブルー
マッリジブルーというと女性の側のものというイメージが未だに強いですが、当然男性の側にもあります。
本作『STAND BY MEドラえもん2』ではそのキャッチコピーの“のび太、逃げた”の通り、のび太のマリッジブルーが描かれます。
今時、男性が一手に家庭を支えるなどという考え方は古めかしいものでしかありませんが、それでも式の準備、パートナーとの将来、家庭を作っていくことなどなど将来を考えるタイミングになると、やはり男性はいろいろ身構えてしまい思い悩んでしまうようです。
特に、今作の場合、のび太はあこがれの存在だったしずかちゃんを妻に迎えるのですから、その緊張感はひと際強いものだったのでしょう。その結果、のび太は結婚式当日、突然姿を消します。
この辺りのエピソードは男性が共通して持っている弱い部分を突き付けられているような気がして、思いのほか胸に刺さりました。
そこで奮闘するのがおばあちゃんとの約束を守るために現れた<現代>のび太。
そして、ここからは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』もびっくりのタイムトラベルアクションが展開されます。
最後に、ストーリーとしては前作『STAND BY MEドラえもん』から直接つながっているので、できれば前作をご覧になった上で劇場へ!
(文:村松健太郎)
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(C)2020「STAND BY MEドラえもん2」製作委員会