映画コラム

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2021年02月10日

「恋がしたくなる」漫画原作オススメ邦画3選

「恋がしたくなる」漫画原作オススメ邦画3選



 もうすぐバレンタインですね。料理の苦手なわたしは、もちろんお菓子作りも全くダメなので、ちょっと良いチョコをご褒美にお取り寄せしようと企んでいるところです。その美味しいおやつをお供にして、胸キュン必須の恋愛映画を観て過ごしませんか?今回は、まっすぐで愛おしいヒロインが主役の邦画を3つ紹介します。映画を見た後、きっと恋がしたくなるでしょう。

『君に届け』



作品情報


自分に自信がなく見た目も暗いことから学校では「貞子」と呼ばれている黒沼爽子が主人公です。しかし本当は誰よりも純粋で、人の役に立つことに喜びを感じるとても健気な女子高生。

そんな爽子の魅力に誰よりも早く気付いていたクラスの人気者である風早翔太は、爽子へ特別な感情を抱き始めます。一方爽子は、明るく誰にでも分け隔てなくフレンドリーに接する風早に対して、憧れや尊敬の念を抱いています。

そんな純粋な爽子が風早と出会い、周囲のあたたかさに触れ、世界が変わっていく様子が描かれている作品です。

累計発行部数1000万部を突破する椎名軽穂の人気漫画を、多部未華子と三浦春馬で待望の映画化されました。

主演の多部未華子は、周囲に理解されていない頃の”貞子”も、風早や友人達の優しさに触れ、魅力が溢れ出していく”爽子”もどちらも見事に演じ切っています。

クラスの人気者である風早を演じた三浦春馬は、原作の漫画の世界から飛び出してきたのかと思うほど、キラキラしていてその爽やかさに魅了されます。

この作品で彼のファンになった人も、多いのではないでしょうか。わたし自身も、彼の演じる風早くんに会いたくなって、何度でも観たくなる大切な作品のひとつです。


私の思う作品の魅力


始めは爽子の内面を知らない故に仲良くなかったクラスメイトたち。

しかし、風早によってどんどん引き出される爽子の性格の良さや純粋さ。それらに引き寄せられ、いつからか大切な存在に。爽子の魅力に周囲が気付き始めることにモヤモヤして独占欲でかき乱されてしまう風早の人間味も見ることができます。

近くにありそうな日常をこんなにも輝かせ、様々な場面で感情輸入しながらも、全ての登場人物が愛おしくなる。それがこの作品の魅力です。

爽子を支えた親友のひとりを演じた蓮佛美沙子。朝ドラのヒロインを演じ今はバラエティでも引っ張りだこの夏菜。

主演ドラマや映画はもちろん、キャスターとしても活躍する桐谷美玲。多くの人気女優たちのブレイク前の姿を見れるのも見所です。

暗くて見た目も怖い「貞子」。日に日に笑顔が増え、見た目も内面も垢抜けていく変化は美しく眩しくて、観ている私たちをも明るい気持ちにさせてくれます。

友情や恋に悩み戸惑う姿にも心から「爽子、がんばれ!大丈夫だよ!」と応援したくなります。


バレンタインに観てみては?


こんなにも爽やかできゅんきゅんする青春映画は、いくつになっても心に栄養を与えてくれます。不器用で自己肯定感が低い爽子に、風早や友達が言葉や行動で惜しみなく気持ちを伝えてくれる度に、爽子の心が解れていくのがわかります。

自分の気持ちに気づくまでが時間のかかる爽子ですが、気付くことができたら走り出せる強さが私たちを勇気付けてくれます。

こんなキラキラした青春を送っていなくても良いんです。風早みたいな爽やかイケメンとの恋愛がなくても、いつでも手を差し伸べてくれる熱い友達がいなくても、自分だけの心の拠り所があれば充分です。

また、妄想や映画の世界に浸ることは自由です。あまりにも真っ直ぐな風早や素直で心優しい爽子を見ていると、自分の弱さや辛い過去もぎゅっと抱きしめてあげたくなります。

お互いを認め合うこと、素直になることがどれほど素敵なことかを教えてくれる作品です。この映画を観たら、好きな人のもとへ駆け出してしまいましょう。

『ヒロイン失格』



作品情報


幼なじみの寺坂利太に長年想いを寄せていた女子高生の松崎はとりは、利太のヒロインは自分だとずっと思い続けてきました。ところがある日、利太は同じクラスの地味な安達未帆に告白されて付き合うことに・・・。

予想していなかった意外な展開に、はとりは焦りを感じながらも一途に、どうしたら利太のヒロインになれるのか暴走気味に奮闘します。そんな真っ直ぐなはとりに、学校イチのモテ男、弘光廣祐が興味を抱きはじめ、それぞれの想いが動き出す様子をコミカルに描かれている作品です。

「別冊マーガレット」で連載された幸田もも子の大人気漫画が原作の本作。主人公はとりを桐谷美玲、クールな幼なじみ利太を山崎賢人、学校一のモテ男弘光役を坂口健太郎が演じ、実写映画化されました

はとりのぶっとんだ言動やコロコロ変わる表情、変顔までも桐谷美玲が見事に演じきっています。


私の思う作品の魅力


最後まで、「山崎賢人はかっこいいもんね!でも坂口健太郎も良いよ!あ〜もう坂口健太郎にしない?あ〜でも、山崎賢人も最高だよね」と完全に自分を桐谷美玲のポジジョンだと思いこみ、私欲で楽しめてしまうのがこの作品です。

主役を演じている桐谷美玲があまりにキュートなのはもちろんですが、山崎賢人のクールな役所や、坂口健太郎の普段はチャラチャラしているのにふと見せる切ない表情に引き込まれます。

コミカル要素はもちろん、きゅんきゅん要素も満載です。少女漫画の可憐で爽やかな”王道ヒロイン”とは真逆の”ヒロイン失格”の女の子はとりだからこそ、共感できる部分があり、笑って泣けるピュアな恋愛映画です。


バレンタインに観てみては?


自分を好きな人の”ヒロイン”だと信じてやまないはとりの真っ直ぐさが胸に突き刺さります。

思い込みも感情の起伏も激しいはとりですが、健気で一生懸命な姿は憎めない。

「恋愛ってこんなにも素敵なことなのね」と教えてくれると同時に、自分の気持ちに素直になることを後押ししてくれる作品です。

『僕等がいた』



作品情報

人気者でクラスの3分の2が好きになってしまう矢野と、ヒロインの七海。北海道の高校に通う矢野と高橋が、不条理な運命によって振り回されながらも互いを想い合う純愛映画です。

映画は前篇と後篇に分かれており、前篇では高校時代を。後篇では社会人になってからのふたりの姿が描かれています。涙なしでは観られない、純愛映画です。

前篇の舞台は北海道の釧路。高校生のありきたりな日常が恋をすることによって、一気に華やかに輝き出します。

爽やかで、そこにいるだけで周りまで明るくしてしまう矢野を生田斗真、そんな矢野を好きになり、健気で愛おしい高橋を吉高由里子が演じます。

映画予告でも使われた、劇中七海が矢野に対して「好きだバカ」と叫ぶ吉高由里子が可愛すぎるので、その一言でハートを射抜かれてしまった人は間違いなくいるでしょう。まさに「こんな学生生活憧れるな〜」という眩しさがそこにはあります。

しかし後篇では一変し、矢野の心の底にある不安や数々の困難に押しつぶされそうになるの姿が描かれています。

舞台は東京。高校生だったふたりは社会人となり、胸が苦しくなる場面も多いですが、恋愛を超え、お互いを必要とし、誰よりも支えたい、力になりたいという強い想いが伝わります。


私の思う作品の魅力


高校生の矢野はいつも明るく、周囲から見ても前向きでキラキラした印象。しかし、他人に簡単に相談できないような辛い過去を抱えています。

そんな事情を知らない時から七海は彼の時折見せる寂しげな表情に気付き、好きな人を支えたいという気持ちで一生懸命寄り添います。

自然に惹かれ合い恋に落ちたふたりですが、不安定であり多感な10代だからこそ、時には自分たちだけではどうしようもできないくらい深い悲しみや不安、痛みを抱えて、乗り越えなきゃいけない壁がいくつも現れます。

映画では前篇後篇と分かれているのもポイントです。出来れば記憶がまだあたたかいうちに、後篇を観てください。そうすることで、前篇だけでは気づけなかった矢野の苦悩や、不器用でもどかしいふたりのすれ違いひとつひとつも、全てふたりにとっては必要な時間だったのだと思えます。

それぞれが想いを抱えながら己の人生を生きていく中、どのような結末を迎えるのか。ひたむきな愛と、ふたりの恋の行方を最後までどうか見守ってください。

バレンタインに観てみては?


壮大な困難やすれ違いが観ている側まで胸を締め付けるこの作品ですが、最後は好きな人に会いたくなります。

暗い過去を抱えながら一生懸命に生きている矢野に、遠慮なく真っ直ぐに自分の気持ちを伝える七海。

作中で七海は「愛を与える人」と表現されています。

誰かに愛されることはとても素敵なことですが、誰かを目一杯愛することができたならそれはきっと幸せなことです。

何度も傷ついても立ち上がり、矢野に愛を与えたいというその惜しみなさと健気な姿には心を打たれます。七海がそこまで辛い状況にも耐えられたのは間違いなく「矢野が好きだ」という揺るぎない気持ちがあったからです。

自分の気持ちに自信を持って、誰かをこんなにも大切に思えたら、世界がきっと明るく色付くのではないでしょうか。

終わりに

今回紹介した3作は、全て少女漫画が原作であり、10代の恋の甘酸っぱさや、胸キュンがこれでもかというほどギュッと詰まっています。

一度でも、誰かを大事に想う経験をしたことがある人ならば、共感できる部分が沢山あると思います。

2月14日はバレンタインデー。日本では、女性が男性にチョコを渡したり、想いを伝える風習があります。

誰かを好きになることは、日常が一瞬で宝物になります。また、相手を思う気持ちは言葉にしないと、意外と伝わりません。

「私の気持ち、きっと分かってくれているでしょ?」と蔑ろにせず、素直な気持ちをまっすぐ伝えてみても良いかもしれませんね。

きっとこれらの映画や主人公たちに背中を押してもらえるはずです。

(文:nanagohan)

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