『ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実』ピーター・フォンダが最後に演じた役柄とは?
アメリカ映画界のレジェンド、ピーター・フォンダの最後の出演作となったのが、2021年3月5日(金)公開の映画『ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実』だ。
父は偉大なヘンリー・フォンダ、姉はジェーン・フォンダ、娘のブリジットと俳優一家に育ったピーター・フォンダは、今も映画ファンに愛され続ける『イージー・ライダー』(69)で、製作、脚本、主演の三役をこなしアメリカンニューシネマの旗手となる。その後も監督・主演作『さすらいのカウボーイ』(71)、『グランドキャニオンの黄金』(79)、ゴールデングローブ賞《主演男優賞》受賞の『木漏れ日の中で』(97)など、アメリカを体現してきた。
また作家、村上龍が自らの小説を映画化した『だいじょうぶマイ・フレンド』(83)に主演、ユーモアあふれる演技を披露し日本にもゆかりのある存在であるピーター・フォンダは、2019年8月16日、惜しまれてこの世を去った。享年79歳。
そんな彼が『ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実』で最後に演じた役柄は、ベトナム戦争からの帰還兵ジミー・バーだ。
1966年、ベトナム戦争で自らの命を犠牲にして60人以上の仲間を救ったピッツェンバーガー。彼に授与されるはずの名誉勲章は取り消され、その後30年以上も封印される。なぜ、名誉勲章授与は却下され続けたのか。1999年、ペンタゴン空軍省のハフマン(セバスチャン・スタン)が調査をはじめる。
ハフマンは、退役軍人たちの証言を求めてジミー・バー(ピーター・フォンダ)の家を訪れる。応対した妻(エイミー・マディガン)は、「彼は昼に眠り、一晩中起きている。夫に会いたければ日が沈むまで待て」と告げる。その夜、車でうたた寝して待っていたハフマンの前にライフルを手にしたジミーが現れる。戦場で味わった過酷な体験から重度のPTSD(心的外傷後ストレス障害)を背負ったジミーは、闇を恐れるあまり日中に眠り夜に行動し、年下のハフマンに対して常に「サー(将校)」と敬語を発するする複雑な人物だ。フォンダはこの難役を見事に演じている。
そして、1966年のベトナム戦争の再現シーンで、若き日のジミーをミック・ジャガーの息子、リチャード・ジャガーが熱演。初めての戦場で銃を放った時の衝撃の体験は、彼に一生涯癒えることのない深い傷を与えることになる。「俺は裏切られたんだ」と叫ぶジミーが見た想像を絶する戦場とは……。ピーター・フォンダが体現した帰還兵の苦悩、名優最後の演技を、是非劇場の大スクリーンでご堪能いただきたい。
作品情報
監督・脚本:トッド・ロビンソン出演:セバスチャン・スタン、クリストファー・プラマー、ウィリアム・ハート、エド・ハリス、サミュエル・L・ジャクソン、ピーター・フォンダ、ジェレミー・アーヴァイン、ダイアン・ラッド、エイミー・マディガン、ジョン・サヴェージ
2019年/アメリカ/英語/カラー/116分/
原題:The Last Full Measure
配給:彩プロ
公式HP:thelastfullmeasure.ayapro.ne.jp
Twitter:https://twitter.com/LFMmovie
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