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2021-02-12

『マーメイド・イン・パリ』レビュー:意外にハードボイルドなラブストーリーだった

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2021年2月11日より公開されているフランス映画『マーメイド・イン・パリ』の魅力を簡潔で紹介しましょう。

本作の内容を一行で表せば「恋ができなくなった男と可憐な人魚のラブストーリー」です。問題となるのは、人魚が歌声で今まで恋に落ちた男の命を奪ってしまっていたこと。夫を殺された女医が人魚のことを追い、男は人魚を匿って(監禁スレスレな独占欲を見せつつも?)なんとか守ろうとする。そんな意外なハードボイルドな面もある物語にもなっていくのです。



何よりの魅力は映像表現で、オープニングから現在大ヒット中の『PUI PUI モルカー』のような「ストップモーションアニメ」が展開する他、現実よりもさらに良い意味でオーバーな「飛び出す絵本」も登場し、衣装や小道具の1つ1つがとってもおしゃれ。とにかくファンタジックで美しい画が目に飛び込んで来る上に、パリ観光気分も合わせて楽しめるのです。特に、終盤のシチュエーションにはうっとりとできる方が多いでしょう。

また、人魚のことを追う女医が決して悪人というわけでも、夫を殺された復讐心だけで行動をしているわけでもなく、「(歌声で人が死ぬという)被害を抑えられるかもしれない」などと医師としての矜持を口にしているというのも重要です。彼女の心境は、コロナ禍の現実の医療従事者の姿を思い起こさせるところも多いかもしれません。

「男を殺し続けてしまっている人魚」とのラブストーリーということを取り出せば、とてもハッピーエンドには転びそうもない、それこそアンデルセンの童話『人魚姫』のような悲恋になりそうなところですが、本作は(も)「男性側の物語」もしっかり描かれているおかげもあって、単純な結論だけで終わらせてはいない、多層的な読み方ができるというのも面白いところです。ラスト近くに、あるパリの有名な観光名所が登場しているのですが、その受け取り方も観る人によってきっと異なるでしょう。

(文:ヒナタカ)

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