「青天を衝け」開始記念:幕末の時代を描いた映画たち!
海外渡航を果たした
男たちのドラマ
さて、渋沢栄一は当初尊王攘夷の志士でしたが、やがて一橋慶喜(=徳川慶喜)の家臣となり、幕臣として1867年にヨーロッパへ赴き、このキャリアが後々の彼の人生に大きな影響を与えていきます。それ以前の1863年、まだ海外渡航が禁止されていた時代、ひそかにヨーロッパに留学した長州藩の5人の運命を描いた映画が『長州ファイブ』(06)。
5人の中の山尾庸三(松田龍平)を主格に据えながら、不慣れなヨーロッパで時に差別を受けながらも必死に西洋文化を習得していこうと腐心する若者たちの姿が青春群像劇として綴られていきました。
昨年公開された『天外者(てんがらもん)』(20)の主人公である薩摩藩士・五代友厚(三浦春馬の最後の主演映画です)も、1865年に薩摩藩遣英使節団としてイギリスに留学しています。
またこれらに先立ち、井伊直弼の日米修好条約批准のためアメリカを訪れた使節団のサムライ(真田広之)とニンジャ(竹中直人)が現地で大暴れするという、本場アメリカで西部劇を作ることを宿願としていた岡本喜八監督の執念を実らせた『EAST MEETS WEST』(96)もあります。
1971年のフランス・イタリア・スペイン合作映画『レッド・サン』も、同じ使節団が米大統領に贈呈する刀が強盗団に奪われたという設定から始まるサムライ西部劇で、三船敏郎とアラン・ドロン、チャールズ・ブロンソンの競演も話題になりました。
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