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2021年02月25日

『ワンダヴィジョン』スターク、HYDRA、ラゴス、MCUの世界とリンクする“CM”の中身を紐解く

『ワンダヴィジョン』スターク、HYDRA、ラゴス、MCUの世界とリンクする“CM”の中身を紐解く



マーベル・スタジオが贈る初のオリジナルドラマシリーズ『ワンダヴィジョン』の第7話が先週金曜日に配信となった。いよいよ黒幕の正体が明らかになり衝撃的な展開に世界中でも「展開がやばすぎる」「今週も最高過ぎて早く次が見たい」「完全にMCUの手のひらの上で踊らされてる」といった声が続出し、『ワンダヴィジョン』がMCUの今後の展開を左右する重要作であることを知らしめた。

いよい残り2話となり、ますます注目が集まるクライマックスを迎える本作だが、ここまで本編と一見深い関係を持っていないかに見えたCMの存在が際立ってきた。そこで今回はMCUの世界とのつながりも感じさせるCMの中身に注目しよう。

スタークにHYDRA、そしてラゴス…MCUの世界はすべてが“鍵”となる



「テレビの時代の変遷を忠実に再現している」と監督のマット・シャックマンが語る通り、違う時代を駆け巡りながら物語が展開されるところも本作の見所。しかしながら脚本家のジャック・シェイファーが「でもこれは結局MCUなの。すべてが見かけ通りとは限らない」と言うように、一つ一つの不可解なシーンがこの先のストーリーを知る重要な“鍵”となってくる。その中でも特に時代ごとの特徴をとらえながらも明らかに意味深なCMの内容は、本作の要素を含みながら、よく見るとMCUの世界とのつながりも感じさせている。

1950年代を舞台にした第1話では、スタークインダストリーズの新製品であるトースター「トーストメイト2000」が登場する。その最後にでてくる「過去は忘れましょう、これは未来です」というフレーズは一見、ワンダとヴィジョンが過去の戦いを忘れて二人で明るい幸せな未来を描こうとしているように見える。しかし1950年代といえば、MCUの世界では1945年に第二次世界大戦が終結したあと。当時はトニー・スタークの父であるハワード・スタークの時代だ。巨大軍需産業としてその名を世界にとどろかせたスタークインダストリーズが、このドラマの中では平和な家電を販売する会社に変わっているものの、CM中ではただのトースターとは思えないような不気味な演出も気になるところだ。

1960年代に舞台を移した第2話では、HYDRAのマークが刻まれた腕時計「Striicker」がCMに登場。HYDRAといえば、MCUファンにはおなじみの組織の名称であることは間違いない。しかも、この「ストラッカー」といえば、ワンダに人体実験を施した科学者の名前と同じでもある。大戦後に一度は壊滅したかと思われていたが、水面下で徐々に規模を拡大させてきたHYDRA。CMでも登場する「あなたのために時を告げるもの」というフレーズは、いよいよ彼らが動き始めたという連想もできる。



舞台は1970年代に変わり、カラー放送となった第3話では、再びHYDRAが「ヒドラ・ソーク」という入浴剤でCMに登場する。本編のワンダの心情を表すかのように「すべてを水に流し、自分だけの世界に浸れます」と謳っているが、動き出したHYDRAが強大な力で“自分たちだけの世界”を作り出そうとしているようにも思える。

1990年代の第5話はLagosのペーパータオルが紹介されるが、このラゴスというのは『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』に登場した実在する地名。ワンダが任務中に大勢の一般人を巻き込んだ事件を起こしてしまった場所でもある。さらに、このころにトニー・スタークの両親がHYDRAの手によって殺害され、キャプテン・マーベルが地球にやってくるなどMCUでも大きく動き始めた時代となる。こぼれた飲み物をふき取る描写が繰り返され、「好きで失敗したんじゃない、しょうがないでしょ」といっているのは果たしてワンダなのか、それとも…?

そしてさらに気になるのは、2000年代が舞台となる第6話のCM。唐突にクレイアニメのテイストで少年とサメの会話が繰り広げられるCMで登場する「ヨーマジック」という食品。サメは「ヒレまでピチピチだ」とこれだけ食べれば超人的な生命力を得られるような表現をしている。しかし、すでに体力のない少年は結局「ヨーマジック」を持っていながら食べれないまま死んでしまうというCMとしては衝撃的な展開だ。これまでのCMであればワンダの心情を示しているはずなのだが、少年のように力を手にしていながら使いこなせないというのはワンダのことなのか?そしてその力を与えたサメはいったい誰のことを示しているのか?本編の衝撃的な展開とあわせて気になる内容となっていた。

好きな現実を選べるという意味は?衝撃の第7話のCMはさらに謎を呼ぶ展開に



そして先週の金曜日に配信された最新の第7話では、ついに抗うつ剤のCMが登場。「気がめいりますか?世界から取り残された気分?それとも一人にしてほしい?」と呼びかけるこのCMは、一人になりたいというワンダの気持ちが反映しているように見える。しかし「あなたを現実につなぎ留めておくユニークな抗うつ剤」と紹介されたネクサスは「一歩踏み出していいという診断を受けたら服用してください」という注意付き。たしかに本編でもワンダは一人になりたいと子供を隣人のアグネスに預けるが、その副作用として「感情を持つこと」、「真実に直面すること」、「さらなるうつ」が出てしまうことに…?

そして最後は「世界はあなた中心に回っていないのです」というフレーズが飛び出す。これは一見、第7話のラストで描かれた衝撃の展開のことを言っているようにもみえるが、すべてが見かけ通りとは限らないMCUの世界のことだ。クライマックスの“鍵”のひとつとなることは間違いない。

シットコムやサイコスリラーなど、MCUにしか成せない全く新しいユニークなジャンルの数々で観客を楽しませ、ドラマの枠を超えた映画並みのスケールを描き続ける『ワンダヴィジョン』。第7話によっていよいよクライマックスへ加速していく本作はついに残すところあと2話。今までCMを見落としていたい人はここまで振り返って改めてクライマックスに備えていただきたい。衝撃の展開が待ち構える第8話は今週金曜日配信!

作品情報

原題:WandaVision/監督:マット・シャックマン(『ファーゴ』や『ゲーム・オブ・スローンズ』のエピソード監督)
脚本:ジャック・シェイファー(『ブラック・ウィドウ』原案、『アナと雪の女王/家族の思い出』脚本)
出演:エリザベス・オルセン、ポール・ベタニー  

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