「まだ誰も見たことがない大泉洋」|最新作『騙し絵の牙』までの軌跡
今まで、誰も見たことがない大泉洋
大泉洋の(映像作品)でのパブリックイメージと言えば陽性なキャラクターというのが一般的でしょう。
時には苦悩する役や悪役演技も見せますが、みんなが感じている大泉洋らしさを素直に感じられるキャラクターが多いのが事実です。『新解釈・三國志』で中国史の英雄・劉備玄徳を演じた時ですら(自ら)「あれは大泉洋、そのままだった」と語っているほどです。
しかし、大泉洋が全く違う顔を見せる時があります。それが舞台の上での時です。演劇ユニットTEAM-NACSのメンバーでもある大泉洋は舞台人としての顔も併せ持っており、この時に演じるキャラクターは曲者、強面、強い(こわい)役どころであることが多いのです。舞台での大泉洋は“いつのものらしさ”を廃して、時にぞくっとするほどのクールさを見せます。
そんな、クールで曲者感満載のキャラクターを初めて映像で披露したのが『騙し絵の牙』です。
『桐島、部活やめるってよ』『紙の月』で知られる吉田大八監督は意図的に“大泉洋らしさ”を排除するディレクションを展開、結果こんな大泉洋は見たことがないというモノに仕上がりました。
プロモーション活動では変わらずの“洋ちゃん”ですが、映画内での速水は“大泉洋であること”を忘れさせてくれます。
大泉洋で笑ってきた人は多くいるでしょうが、“ぞくっと”させられるのはこれが初めてとなる人が多いのではないでしょうか?二転三転する裏切られるカタルシスを存分に感じられるストーリー共に、その中心で密かに牙を磨く大泉洋は必見です。
『騙し絵の牙』では“らしくない”“見たことがない顔”をついに解禁した大泉洋。次回作はなんとビートたけしの半自伝的作品となるNETFLIXオリジナル作品『浅草キッド』の出演がすでに決まっております。こちらでは一体どんな“大泉洋”を見せてくれるのでしょうか?
(文:村松健太郎)
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