映画コラム

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2021年03月06日

『ARIA The CREPUSCOLO』レビュー:伝説的癒し系アニメの最新作が、ついに映画館にお目見え!

『ARIA The CREPUSCOLO』レビュー:伝説的癒し系アニメの最新作が、ついに映画館にお目見え!


稀代の才人監督
佐藤順一の見事な采配

さて、本シリーズをこれまでずっと担ってきた佐藤順一監督は、これまでも「きんぎょ注意報!「美少女戦士セーラームーン」「夢のクレヨン王国」「おジャ魔女どれみ」「ケロロ軍曹」「たまゆら」「Hugっとプリキュア」などなど、特に日本で生まれ育った今の30代以下の女性で彼の作品を見たことがないかたはほとんどいらっしゃらないのではないかと思えるほど、女の子のための作品を作り続けてきている才人です。

昨年も『泣きたい私は猫をかぶる』(柴山智隆と共同監督)『魔女見習いをさがして』(鎌谷悠と共同監督)の劇場用映画をお披露目して、世の女性たちの支持を集めてくれていました。

彼の仕事の姿勢としてユニークなのは、たとえばTVシリーズが波に乗ってくると次期の監督を新進後輩に譲る事が往々にしてあることで、昨年の映画2作も共同監督といった名義で次の世代への道を敷いています。


今回も監督に『ARIA The AVVENIERE』で演出などを担当していた名取孝浩を抜擢し、自身は総監督として全体を総括。

これによって次代スタッフへの未来の道筋を作っていくのと同時に『ARIA』ワールドとしての一貫性もきちんと保たれることになりました。

こうした、いわゆる“佐藤学校”の教え子は幾原邦彦、宇田鋼之介、五十嵐卓哉、千明孝一、山本裕介など数多く、また彼の作品群そのものも庵野秀明らに多大な影響を及ぼしています。あの富野由悠季が一目置くほどの達者な絵コンテ・マンとしても知られています。

もちろん監督としても、1995年の映画『ユンカース・カム・ヒア』ではスタジオジブリの『耳をすませば』を抑えて第50回毎日映画コンクールアニメ―ション映画賞を受賞した実績の持ち主。

昨年の『魔女見習いをさがして』でも第75回の同賞を受賞しています。

その才能は、今なお増すばかり!

こうした稀代の名匠に長年支えられてきた『ARIA』シリーズ、これからもずっと見守り続けていきたいものと切に願っています。



 (文:増當竜也)

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(C)2020 天野こずえ/マッグガーデン・ARIA カンパニー

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