映画コラム
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』レビュー:「こういうとき、どんな顔すればいいかわからないの」
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『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』レビュー:「こういうとき、どんな顔すればいいかわからないの」
時は2021年3月11日。『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』終劇後、TOHOシネマズ六本木、7番スクリーンのど真ん中の席で、一人の中年男性が脱力していた。筆者である。
脱力していた理由は長時間上映による体力の低下でも、映画の出来栄えが悪かったわけでもない。いや、もう、めっちゃ面白かったです。と、勢い敬体になるくらいは面白かった。ただ、「エヴァンゲリオンシリーズ」が確実に終わってしまったという、祭りのあとの寂しさが、いやでもやってきたからである。
さて、公開から1週間ほどだというのに、既に解説・深堀・直感による感想まで、あらゆる言説がネット上に溢れている。これも「何か言いたい」「何か言わせろ」というよりも、居なくなってしまった人や物について語り合うように、「ほぼ確実に続きを観られない、完結した作品」に対しての寂しさを紛らわせる行為に近いのではないか。何ならもう、供養に近い。
よって、筆者も本コラムをもって、庵野秀明が私達にもたらした「良い知らせ」に対する感謝の意味を込めて、言葉を供物とし、寂しさの理由を掘り下げていく。
※以下、ネタバレ有りです。未鑑賞の方はご注意ください
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