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『まともじゃないのは君も一緒』“普通”という台詞が54回も出てくる“普通”じゃないラブコメ快作!



■増當竜也連載「ニューシネマ・アナリティクス」SHORT

これは傑作! いや、もう久々にこの一言だけですませたくなるほどの作品です。

恋愛経験ゼロの女子高生(清原伽耶)が、憧れの男性(小泉孝太郎)とその恋人(泉里香)を別れさせるためにカタブツ予備校講師(成田凌)を利用しようとしたものの、意外にもそれが上手くいきかけていくに従って、それぞれ“普通”じゃない(いや、ある意味これこそが“普通”な)感情がどんどん湧き上がっていく過程が実にお見事!



基本は会話劇ですが、台詞に説明感など微塵もなく、それでいて次に登場人物たちが何をしゃべるのかと耳を研ぎ澄ませたくなるほどに、スリリングながらもどこかしらニマニマしてしまうシチュエーションが次から次へと繰り出されていきます。

高田亮の秀逸な脚本(劇中「普通」という言葉が54回出てくる!)と、その資質を最大限に引き出す前田弘二監督の巧みな演出。





『婚前特急』『わたしのハワイの歩きかた』といった快作群を世に贈り出してきた双方のコラボレーションは今回さらなる飛躍を遂げており、もはやどのような美辞麗句も不要なほどに満ち足りた素晴らしいものがあるのです。

さらには、ここに成田凌&清原伽耶といった若き芸達者による実にナチュラルで魅力的な芝居と好ましい存在感などが組み合わさり、もはやこれは“映画”としか言いようのない躍動感が見る者をグイグイひっぱりつつ、同時に上映時間98分のうち90分くらいはクスクス笑ってるのではないかと思えるほどに、頬は緩みっぱなし。



そのうち「一体“普通”って何?」と言いたくなるほど、それぞれのキャラクターのどこかしら微妙に「まともじゃない」感情まで際立たせながら、ついには「みんな違って、みんな良い」といった、これぞ“普通”の感覚であるといった域へと誘ってくれるのでした。

脚本が良くて、演出が良くて、役者が良い。

この三位一体によって映画は傑作になるという、ごくごく“普通”のことを改めて知らしめてくれる本年度屈指の代表作として、これはぜひとも強くプッシュしたい次第です。

(と同時に、この三位一体を成し得ることがいかに大変なことであるか!)

いや、もう何度も繰り返しますが、久々にジャンルの枠を優に超えた映画の傑作を見ました。

映画ファン必見!とはこういう作品のことをいうのでしょう。

(文:増當竜也)

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