『るろうに剣心』に影響を与えたアメリカンコミックス


映画版の原点には『ダークナイト』の影響あり

『るろうに剣心』に影響を与えたMARVELキャラクターの数々を紹介してきましたが、リアリティを追及した実写版では、ビジュアル面において、その印象が薄れていると感じる人も多いのではないでしょうか。

しかし、実写版のメガホンを執った大友啓史監督は、過去のインタビューで、DCコミックス原作のヒーロー映画『ダークナイト』シリーズを参考に本編を製作したことを明かしています。



『ダークナイト』シリーズは、これまで勧善懲悪に思われがちだったヒーロードラマを、善と悪で葛藤する等身大の人間ドラマとして描いたことで革命を巻き起こしたと言われている作品。そう考えると、人切り抜刀斎としての過去を抱えながらも戦いを続ける『るろうに剣心』の主人公・緋村剣心の姿は、まさしく、日本版『ダークナイト』そのものと言えます。

実写版『るろうに剣心』では、そんな贖罪を抱えた主人公の活躍を、2年間LAに留学し、ハリウッド仕込みの脚本や映像演出を学んだ監督が、スタイリッシュなアクションを用いて描いています。

このように、実写版が興味深いポイントは、アメコミそのものだけではなく、ハリウッド実写版を参考にしたことで、世界に通用するジャパニーズアクション作品を追求し、日本独自の魅力を生み出したことと言えるのではないでしょうか。


世界中でも、いまだに多くのファンを獲得している『るろうに剣心』。
今回の記事では、そのルーツにアメリカンコミックスの影響があること、その上で、日本独自の魅力を生み出してきたことを紹介してきました。

唯一無二の日本映画シリーズとして君臨し、約10年に渡る歴史を間もなく終えようとしている実写版『るろうに剣心』。
その伝説の終焉を、ぜひ、普段、洋画やアメコミ映画を中心に見ている人、ブームに乗り遅れた人にこそ、目撃していただきたいです。

(文:大矢哲紀)

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