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アラサー独身男性が本気で観た『映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』


しんのすけと風間くんの友情から見えてくるもの



人生に出会いと別れは付き物で、生涯に渡って関係を築けていける相手はどうしたって限られてくる。だが、しんのすけたちは永遠に5歳児で、(「えんぴつしんちゃん」という小学生になった番外編はあったものの)「ちびまる子ちゃん」や「サザエさん」や「ドラえもん」の如く、彼らの生きる世界が先へ進むことは基本的にない。そのため、カスカベ防衛隊の面々が離れ離れになるといったことも永久に訪れない。しかし、体験入学(いずれ小学生になるということ)が主軸となる本作においては、彼らが今後歩むであろう道筋や、避けることのできない別れについても言及されていく。つまりは、これまで『クレヨンしんちゃん』という作品において向き合う必要性のなかった事象が発生するため、そこに衝撃や意外性を感じる人も多いはず。

あなたには、今でも交流のある幼稚園や保育園時代の友達はいるだろうか。小中高時代の仲良しグループが、今でも全員集合する機会はあるだろうか。皆が皆「YES」とは答えられないと思う。もちろん、それが悪いことであるというわけでもない。でも、しんのすけと風間くん、マサオくんやネネちゃんやボーちゃんたちが離れ離れになってしまうかもしれないという現実を突きつけられただけで、胸揺さぶられてしまうものがきっとある。

本来誰もが直面する現実に、しんのすけたちが、僅か5歳の子供たちが向き合っていく描写があるからこそ、これまた胸揺さぶられる要素が発生し、吸ケツ鬼の横やりによって道が大きく違えていこうとする彼らの姿は、まるで闇堕ちした仲間を救い出すかの如く奮闘する映画やアニメや漫画のワンシーンを彷彿とさせることだろう。暗黒面に堕ちたアナキンを説得するオビワン、里を抜けたサスケを連れ戻そうとするナルト、ゴンさんになってしまったゴンを救い出そうとするキルアなど、何を思い浮かべるかは人それぞれだが、それらに匹敵するだけの熱量を、カスカベ防衛隊の面々で、しんのすけと風間くんの友情で、『クレヨンしんちゃん』という作品で描けていることがとんでもない。

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(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2021