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2021年05月30日

『クルエラ』レビュー :憧れずにはいられない新たなヴィラン像を描いた傑作!

『クルエラ』レビュー :憧れずにはいられない新たなヴィラン像を描いた傑作!

『101匹わんちゃん』『101』とは一味違う「クルエラ」像



『101匹わんちゃん』でクルエラは、忌み嫌われる悪役として描かれていました。ガサツで怒りっぽく、自分の欲望のためなら手段を選ばないクルエラ。実写映画『101』でも、グレン・クローズ演じるクルエラが、突き抜けた狂人っぷりを見事に再現していました。

一方、本作でクルエラは、並外れた才能を発揮するカリスマ的存在として映ります。周りの常識や限界をダイナミックに破壊していく様は、クレイジーで型破り。『101匹わんちゃん』『101』と異なるのは、そのカリスマ性とクレイジーさで周囲の人々をどんどん魅了していくところでしょう。

自らのポリシーや美意識に従い、才能を武器に相手を屈服させようとするクルエラは、ダーク・ヒロインとも言えます。もはや、憧れすら抱きました

実写化されたヴィラン「マレフィセント」との共通点・相違点

ヴィランが主人公のディズニー実写映画といえば、『マレフィセント』を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。



本作と『マレフィセント』の共通点は、「復讐」が物語展開の鍵となる点です。本作でエステラは、とある人物への復讐を誓うことによって、クルエラへと変貌していきます。『マレフィセント』でも、オーロラ姫の父に裏切られたマレフィセントが、その復讐として、オーロラ姫に呪いをかけました。

異なる点は、ヴィランが最後までヴィランとして振り切るかどうか。
マレフィセントは物語を通してオーロラ姫への愛憎で揺れ動き、結果、マレフィセントはオーロラ姫を救うヒーロー役となります。ある意味マレフィセントは、ヴィランであることによって、自分自身を抑え込んでいたのではないでしょうか。

一方でクルエラは、ヴィランとしての自分を出し切ることが突極の自己表現となっています。
人は悪役を求めている。だからこそ私が、喜んで演じる。
そう言い切るクルエラからは、ヴィランとして生きる決意が感じられました。


少女「エステラ」が、クルエラとして変貌していく様を描いた本作。ギラリと燃える目でこちらを見据える、エマ・ストーンにもゾクゾクします!

思わず息が止まるような展開が続き、あっという間に過ぎ去っていった140分でした。

→ディズニープラス(Disney+)

(文:みまみさ)

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