『シックス・センス』（99）『スプリット』（17）ほか、話題作を次々生み出すスリラー映画の名手Ｍ.ナイト・シャマラン監督最新作『オールド』が、8月27日（金）より日本公開。本作のテーマは、“時間”。バカンスを過ごすために訪れた美しいビーチで、[時間]が異常なスピードで加速し身体が老いていく不可解な現象に見舞われ、謎を解かなければ脱出できない家族の恐怖とサバイバルが描かれる。

M.ナイト・シャマラン監督といえば自身の出世作であり、ブルース・ウィリスが主演した死者の姿が見える少年と彼を担当する小児精神科医の交流を衝撃的な展開で描いたサスペンススリラー『シックス・センス』（99）が代表作として有名だが、その独特すぎる世界観はもはや≪シャマラン映画≫と呼ぶに相応しく、一度その魅力にハマってしまうと虜となってしまうこと間違いなし！

同作の冒頭では「この映画にはある秘密があります。まだ映画を見ていない人には、決して話さないで下さい」という前置きがあることも公開当時に大きな話題となり、以後ラストで描かれるどんでん返しや、張り巡らされた伏線の数々に何度も見返したくなる中毒性があることもシャマラン監督作品の魅力の一つとしてファンたちを魅了してきた。今回は、近年のシャマラン監督作品の中からオススメ作品をピックアップして紹介する。

『ヴィジット』(2015)

休暇を利用して祖父母の待つペンシルバニア州メインビルへとやってきた姉弟は、優しい祖父と料理上手な祖母に迎えられ、田舎での穏やかな1週間を過ごすことに。しかし、祖父母から「楽しい時間を過ごすこと」「好きなものは遠慮なく食べること」「夜9時半以降は部屋から絶対に出ないこと」という3つの約束を守るように言い渡される。しかし、夜9時半を過ぎると家の中には異様な気配が漂い、不気味な物音が響き渡る。恐怖を覚えた姉弟は、開けてはいけないと言われた部屋のドアを開けてしまい…。

『ゲット・アウト』(17) 『アス』(19)、『透明人間』(20)など、低予算ながら全米No.1ヒット作品や高品質で新感覚の作品を次々生み出し、ハリウッドを席巻する制作会社ブラムハウス・プロダクションを牽引する人気プロデューサー、ジェイソン・ブラムとシャマラン監督が初タッグを組んだスリラー。この家は何かがおかしい…。シャマラン監督が仕組んだ重層的なトリックをお見逃しなく！

『スプリット』(2017）

見知らぬ男に拉致され、密室に監禁された女子高校生3人組は、監禁場所で神経質な雰囲気を漂わせた男を目にする。男が部屋から立ち去り、必死に脱出方法を思案している最中、ドアの外から男と女が会話する声を耳にした3人は助けを求めて声を上げるが、そこに現れたのは、女性の服に身を包み、女性のような口調で話す先ほどの男だった…。

ジェームズ・マカヴォイを主演に迎え、23人もの人格を持つ多重人格の男に誘拐監禁された3人の女子高生を待ち受ける戦慄の恐怖と驚きの顛末をスリリングに描き出している。『ヴィジット』に続きこちらもジェイソン・ブラムが製作を務めており、完全にイカれてるとしか表現しようのない、マカヴォイの怪演にも注目！

『ミスター・ガラス』(2019)

フィラデルフィアのとある施設に、それぞれ特殊な能力を持つ3人の男が集められる。不死身の肉体と悪を感知する力を持つデヴィッド、24人もの人格を持つ多重人格者ケヴィン、驚くべきIQの高さと生涯で94回も骨折した壊れやすい肉体を持つミスター・ガラス。彼らの共通点は、自分が人間を超える存在だと信じていること。精神科医ステイプルは、すべて彼らの妄想であることを証明するべく、禁断の研究に手を染めるが…。

ブルース・ウィリス＆サミュエル・L・ジャクソン共演の『アンブレイカブル』（00）のその後を描いたサスペンススリラーで、『スプリット』とも世界観を共有。彼らは人間を超える存在なのか？最後に明らかになる“驚愕の結末”とは？シャマランワールド全開の“大どんでん返し”に、あなたも驚愕すること間違いなし！

『オールド』(8月27日公開)

舞台は南の島の楽園リゾート。バカンスにやってきた家族たちが、美しいプライベートビーチで一日を過ごそうとするのだが、次々と奇妙なことが起こりはじめる。海に浮かぶ美女の全裸死体。ビーチから離れようとすると襲ってくる強烈な頭痛。朝よりも明らかに身体が成長している子供たち…。時間の概念が狂い出し、やがて彼らは「異常なスピードで時間が経過する謎の空間」に閉じ込められたことに気づく。たった一日で老いて朽ち果てるバカンスに隠された、衝撃の真実とは⁈

コロナ禍の真最中に撮影されたことで、隔絶を強いられた世界の現状ともシンクロすることになった最新作『オールド』。純度100％の《シャマラン映画》でありつつ、混迷の時代に生きるわれわれに届けられたネクストレベルのエンターテインメントを、戦慄と興奮とともに体感してほしい。