『科捜研の女 -劇場版-』内藤剛志インタビュー「男と女の最終地点が恋愛だという一つの現実があるとしたら…」
『科捜研の女 -劇場版-』内藤剛志インタビュー「男と女の最終地点が恋愛だという一つの現実があるとしたら…」
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本作では、<世界同時多発不審死事件>というシリーズ最難関の事件にマリコと科捜研の研究員たち、捜査一課の土門刑事らが挑んでいく。
今回は、メインキャラクターの1人である京都府警・捜査一課の刑事・土門薫役の内藤剛志にインタビュー。初の映画化に対する思いや長年演じている土門との向き合い方、ドラマのファンが気になるマリコと土門の関係性などについて語ってもらった。
映画では「いつもの土門を逸脱した感じでやりたかった」
——『科捜研の女』初の映画化が決定したとき、最初にどのようなことを思われましたか?
内藤剛志(以下内藤):やっぱりうれしかったですね。長くやり続けているドラマは定型があるからこそ、たとえば2時間スペシャルみたいな変化があるだけですごくワクワクするんですよ。だから、今回も「映画でやらせてくれるんだ。すっげー面白い!」と思ったのが第一印象でした。
——撮影していく中で、ドラマと違う映画ならではの要素などはあったのでしょうか?
内藤:映画はドラマよりも情報量が多くて、ワンカットを長く撮ることができる。なので、ドラマではあまり体験することのない長さの芝居を一発で撮ることが多々ありました。自分の場合は、ドローンカットでしたが、マリコと喋るシーンが普段より長かった。そういうものが映画ならではの味つけになっていたら嬉しいですね。演技については、『科捜研』のチームは「まずやるべし」という感じなので、細かい芝居の話はそもそもあまりしないんですよ。なので、明らかにここを大きく変えた…という部分はなかったです。ただ、映画はお客さんがわざわざ劇場に来てお金を払って見ていただくだけに、ドラマとまったく同じではだめだよね…という話はしていて、そういう意識、覚悟は全員が持っていたと思います。
——劇場版の土門刑事について、「何割り増しかワイルド」と公式サイトでコメントされていましたが、実際どのように演じられたのでしょうか?
内藤:自分としてはいつもの土門をちょっと逸脱した感じでやりたかったんです。映画ならばドラマではできない激しい表現も多少許されるかなと思ったので。ただ、ワイルドといっても殴ったり蹴ったり…ということだけではなくて、むしろ心情の部分。土門の感情的な激しさをいつもより多く表現していましたね。
佐々木蔵之介演じる加賀野との対決は「人間対人間の勝負」
——今回の劇場版では、榊マリコや土門刑事が佐々木蔵之介さん演じる科学者・加賀野と対決していきますが、佐々木さんとのシーンでの手応えはいかがでしたか?
内藤:そもそも蔵之介が演じると聞いたときに「だよね!」と思ったんです。ベストなキャスティングだと。加賀野は逸脱した科学者で、どちらかというと人間性を伴わないキャラクターですが、彼はそういう役柄にも人間らしさや体温をこめて演じられる稀有な役者。なので、現場では非常にやりやすく楽しかったですね。芝居は相乗効果なので、いい役者さんが来てくれるとこちらも倍以上のことができる。そういう意味ではすごく助けてもらったと思います。
加賀野とのシーンについては、彼と科学の部分で対決するのがやっちゃん(沢口靖子さん)なので、自分は心情的なところでの人間対人間の勝負と思って挑みました。ただ、劇中ではお互いすごい顔で向き合っているんですが、その直前まで蔵之介と「なんでやねん!」「でな」「あんなあ」みたいに関西弁で言いあっていましたね(笑)。
——今回はシリーズの懐かしい顔ぶれが多数出演ということで、土門の元相棒・木島(崎本大海)も登場しますが、彼との距離感で意識したことはありましたか?
内藤:土門と木島の場面、あれは普段から二人が顔を合わせている…という体(てい)なんです。見ている方にとっては二人が会うのは何年ぶり?みたいな感じかもしれませんが、設定上では木島は部署が変わっただけで同じ京都府警にいる。たまに土門とすれちがって「なんだお前、元気にしてるのか?」「頑張ってますよ」みたいな会話もしていたと思うんです。なので、木島とのシーンは、普段から普通に会っていた土門を連行しなくてはいけないために木島が緊張している…というところで芝居していましたね。
——劇場版で木島を見たときに、現・相棒の蒲原(石井一彰)とは性格やキャラクターが違うのが改めてわかったのですが、内藤さんは、木島と蒲原それぞれについてどのように思っていらっしゃいますか?
内藤:木島は生真面目な刑事というイメージがありますね。彼は土門が大好きで、「土門さんのようになりたい!」という思いで立派な刑事を目指している男。一方の蒲原も真面目ではありますが、状況にちゃんと自分を合わせていけるのが木島との違いである気がします。蒲原は異動してきたばかりの頃は土門と対立していましたが、徐々に変化して今では土門よりも科捜研になじんでいる。(橋口)呂太(渡部秀)をいじるときもあって、あれも木島にはなかった部分ですよね。あくまで真面目な木島と柔軟に周りに合わせられる蒲原。どちらがいいか悪いかではなく、いずれも現代の若者なのかなと思います。
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(C)2021「科捜研の女 -劇場版-」製作委員会