「スナック キズツキ」第11話:M-1錦鯉を彷彿とさせる、こぐま屋さん(浜野謙太)の夢物語(※ストーリーネタバレあり)
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「僕の姉ちゃん」のドラマ化でも話題になった漫画家・益田ミリの人気漫画「スナック キズツキ」が連続ドラマ化!2021年10月7日より放送スタート。
原田知世が、傷ついた人がたどり着くちょっと変わったお店“スナックキズツキ”の店主トウコを演じる。「深夜にくすっと笑って、心が少しだけ軽くなるような、胸の奥がじんわり温かくなるような、これまでありそうでなかったユニークなドラマ」と原田が言うように、観た人の心をほっとさせてくれる物語だ。
本記事では、第11話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
「スナック キズツキ」第11話レビュー
12月19日放送の『M-1グランプリ2021』(ABCテレビ・テレビ朝日系)で、ボケ担当・長谷川雅紀(50歳)とツッコミ担当・渡辺隆(43歳)によるお笑いコンビ「錦鯉」が優勝。最年長王者の誕生は、全国の"おじさん”に勇気と希望を与えた。
その2日前に放送された「スナック キズツキ」。第11話でスポットライトが当たったのは、いつもトウコ(原田知世)のスナックに飲料を配達しているこぐま屋さん(浜野謙太)だ。彼の本名は上田健一。酒屋でバイトをしながら、お笑いの養成学校に通う上田さんは、在りし日の錦鯉を見ているようだった。
いつも笑顔で明るい人にだって悩みはある。かつて漫画家だったトウコの過去に深く踏み入らなかった彼にも、何か抱えているものがあるのだろうと思っていた。
夢を追う若者が集まるお笑い養成所。その中で上田さんは、10歳年下の同期・山田くん(リクロジー)とコンビを組んでいる。しかし、ある日突然、山田くんからコンビ解消の申し出が。仕方なくピンでネタ見せをすることになった上田さんだったが、山田くんは早々に別の人とコンビを組んでいた。しかも、上田さんのネタより遥かにウケている。
「夢を見るのは簡単だけど、夢を見続けるのはしんどいな」
一人のお客さんとしてキズツキを訪れた上田さんは、そうトウコに零す。上田さんの言葉は、以前トウコが女子高生の芽衣ちゃん(吉柳咲良)に語った「夢って、叶っただけじゃダメなんだ。離れないように背中に括り付けて、歩き続けなきゃなんない」という言葉と被った。
誰に強制されたわけでもないのに、夢は良くも悪くもその人を縛り続ける。大人になってもお小遣いをくれる母親の背中を見送り、元相方から「上田さんって面白くないですよ」と現実を突きつけられ……。そんな惨めな思いをしても、夢を捨てきれない上田さんの思いが突然始まったトウコとの漫才で炙り出される。
夢を手放した人と、夢を諦めようとしている人。二人の漫才はクスリと笑えて、同時に切ない。顔は笑っているのに、心は泣いている。まさにそんな上田さんの状態を表しているようだ。
「もう俺、お笑い辞めちゃおっかな」
トウコは寝たふりをして、上田さんの問いかけをスルーした。夢を諦めるか、このまま追い続けるか。判断を下せるのは、第三者ではなく本人だけ。ここまで、苦しい時も楽しい時も夢と共に歩み続けてきた上田さんだけだ。
その先の未来は誰も保証できない。だけど錦鯉が証明してくれたように、人生には“どんでん返し”が起こり得る。信じるか信じないかは、いつだって貴方次第。
「スナック キズツキ」第11話のストーリー
今回スナックを訪れる客は配達に来ているこぐま屋さん(浜野謙太)。いつも元気なひょうきん者…かと思ったら彼もまた傷ついていた。若い人ばかりのお笑い養成所。ネタ見せでは全くウケず、相方ともコンビ解消…それでも夢は諦めきれなくて…今回、店主トウコ(原田知世)のおもてなしは、なんと“漫才”!?クリームソーダを飲みながら夢について話し、漫才を始める二人。トウコらしいツッコミで、気づけば暗い気持ちも晴れやかに!(文:苫とり子)
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