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2023年05月21日

<ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】


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山田裕貴主演の“金10”ドラマ「ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と」が2023年4月21日放送スタート。本作は、山田裕貴演じる美容師・萱島直哉をはじめ、上白石萌歌演じる体育教師・畑野紗枝や、赤楚衛二演じる消防士・白浜優斗らが、乗車した電車内に閉じ込められ、近未来に飛ばされてしまうSFサバイバルストーリー。

CINEMAS+では毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。

もくじ

・第1話ストーリー&レビュー

・第2話ストーリー&レビュー

・第3話ストーリー&レビュー

・第4話ストーリー&レビュー

・第5話ストーリー&レビュー

・第6話ストーリー&レビュー

・第7話ストーリー&レビュー

・第8話ストーリー&レビュー

・第9話ストーリー&レビュー

・第10話ストーリー&レビュー

・「ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と」作品情報



第1話ストーリー&レビュー

第1話のストーリー

▶︎「ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と」画像をすべて見る

2023年、春のある朝。
表参道の美容室で働くカリスマ美容師の萱島直哉(山田裕貴)は、ある人物に会うべきかどうか迷いながら電車に乗車しようとしていた。

同じ頃、高校の体育教師・畑野紗枝(上白石萌歌)は、通勤途中の駅ホームにいた。視線の先には、密かに思いを寄せる消防士・白浜優斗(赤楚衛二)の姿が。優斗もまた、ある複雑な思いを抱えながら電車を待っていた。

そんな3人が乗り込んだ車両には、有名大学農学部の院生・加藤祥大(井之脇海)、ネイリストの渡部玲奈(古川琴音)、ポップカルチャー専門学校に通う米澤大地(藤原丈一郎)、警備会社のサラリーマン・田中弥一(杉本哲太)、人材紹介会社を経営するキャリアウーマン・寺崎佳代子(松雪泰子)らが乗り合わせる。互いに見ず知らずの乗客が、それぞれの目的地へ向かうほんのひと時、同じ車内で思い思いの時間を過ごす。いつもと変わらない朝がそこにはあった。

そんな中、一瞬走るかすかな閃光をきっかけに、突如加速しトンネルへと吸い込まれていく電車、激しい衝撃音とともに揺さぶられる乗客たち!気づいた直哉たちの前には、想像を絶する光景が広がっていて……。

時刻は8時23分、秋葉原行きの電車。たまたま居合わせてしまった乗客乗員68名の、“ペンディング”された数奇な運命が幕を開ける――!

>>>「ペンディングトレイン ー8時23分、明日 君と」1話の予告をYouTubeで見る

第1話のレビュー

たまたま乗り合わせた電車が、30年後の未来へ飛んでしまったら、どうするか……。

美容師・萱島直哉(山田裕貴)が乗った8時23分秋葉原行きの電車が、地震の衝撃で近未来へタイムスリップしてしまった。同じ電車には、消防士の白浜優斗(赤楚衛二)、高校体育教師の畑野紗枝(上白石萌歌)など、ほかの乗客も乗り合わせている。



この電車が、約30年後の未来へワープしてしまった証拠は、以下のとおり。

まず、電車内に緊急地震速報が鳴り響き、まるで電車が脱線してしまったかのように衝撃が襲った。その際、何人かの乗客がこつぜんと姿を消している。おそらく、車両ごと未来へ飛んでしまったため、30年後に生存していない人間は消えてしまったのではないか。


乗客の一人、警備会社の社員・田中弥一(杉本哲太)が見つけた荒廃したタワーは、2026年に完成予定の東京ブルームタワーだ。なぜ、まだ完成していないはずのタワーがすでに寂れているのか。


高校生カップル、江口和真(日向亘)と佐藤小春(片岡凛)が見つけた缶ビールにも、2026年の期限の印字がある。……などの事柄から、この電車が近未来に飛んでしまったことはほぼ確実だ。そうなると、周りに極端に建物がないどころか、まるで文明が廃れてしまったような景色が広がっている事実は、どう受け止めたらいいのだろうか。

たまたま同じ車両に乗り合わせただけの複数の人間。萱島が言ったように、隣にいる人間が痴漢や詐欺師、はたまた嘘つきかも知れない……そんな状況で、無条件に他人を信用するのは難しいだろう。

しかも、食料や水が限られた極限状況だ。多くの乗客が車両外に助けを求めた。救助が来ないと悟ると、わかりやすく力尽きたり、「自由だ!」と理性を手放したりする人間も出てくる。萱島も、元来わがままで奔放な性格なのか、ことさらに単独行動をしたがる。


消防士らしい責任感を発揮する白浜の言葉も聞かず、一人で出ていってしまった萱島。案の定、崖から足を滑らせ谷底に落ちる寸前に……。白浜や畑野が間に合い、なんとか命を繋げることができた。このときの、山田裕貴の泣き笑いのような演技が後をひく。

「…………疲れた」

渾身の一言だった。車両ごと近未来へタイムスリップしてしまうという、ぶっ飛んだ設定のドラマだが、一つひとつのセリフに妙なリアリティが感じられる。1話の終盤、萱島の弟・達哉(池田優斗)のことを思い涙する演技も、思わず引き込まれてしまう強さを持っていた。


残された乗客たちのなかには、常識的な人間もいれば、自分のことしか考えていない人間もいる。どこへ歩いていっても砂漠か崖しかない場所に置き去りにされた彼らは、どのような希望を見出すだろう。まさに「やるだけやってみよう」としか言えない状況だ。ドラマの展開としても、何かしらの動きをつけないことには始まらない。

このドラマの主題歌を担当する、Official髭男dismの楽曲名が「TATTOO」であることにも、何かしらの因果を感じ取ってしまう。

インターネット上にあげられた文章や動画などのコンテンツは、たとえ元データを削除したとしても拡散され続けるため、完全に消し去るのは難しい。この現象を示した「デジタルタトゥー」という言葉がある。

近未来に飛ばされた乗客たちは、それぞれに人生があり、消せない過去を持っている……そして、それに苦しめられることもある。暗にそれを示したタイトルだとしたら?

加えて、タイトルにもある「8時23分」の意味も気になる。既にドラマファンの間では考察が進んでおり、「823」に宿された意味「Thinking of you(=あなたのことを思っています)」に行き着いている方も多い。

自分と向き合い、大切な人のことを思う。元の世界に帰るための壮大なサバイバルストーリーと並行して、乗客それぞれの人生に想いを馳せることになりそうだ。

※この記事は「ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と」の各話を1つにまとめたものです。

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