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2021年11月08日

<スナック キズツキ>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<スナック キズツキ>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】



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「僕の姉ちゃん」のドラマ化でも話題になった漫画家・益田ミリの人気漫画「スナック キズツキ」が連続ドラマ化!2021年10月7日より放送スタート。

原田知世が、傷ついた人がたどり着くちょっと変わったお店“スナックキズツキ”の店主トウコを演じる。「深夜にくすっと笑って、心が少しだけ軽くなるような、胸の奥がじんわり温かくなるような、これまでありそうでなかったユニークなドラマ」と原田が言うように、観た人の心をほっとさせてくれる物語だ。

cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。

もくじ

・第1話ストーリー&レビュー

・第2話ストーリー&レビュー

・第3話ストーリー&レビュー

・第4話ストーリー&レビュー

・第5話ストーリー&レビュー

・第6話ストーリー&レビュー

・第7話ストーリー&レビュー

・第8話ストーリー&レビュー

・第9話ストーリー&レビュー

・第10話ストーリー&レビュー

・第11話ストーリー&レビュー

・第12話ストーリー&レビュー

・「スナック キズツキ」作品情報

第1話ストーリー&レビュー

第1話のストーリー



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傷ついた人だけが辿り着ける店“スナックキズツキ”。最初の客は、コールセンターで働く女性・中田優美(成海)。日々のクレーム対応や、恋人(小関)とのすれ違いでストレスを抱えている彼女は、夜道に光る看板に誘われて初めてスナックに入る。 美味しい食事と飲み物、そして、店主のトウコ(原田)が奏でるギターに合わせて熱唱!傷ついた人の心を癒すスナックが、今夜営業開始します!あなたも一息つきませんか?

第1話レビュー



疲れが蓄積された金曜日の深夜、究極の癒しドラマ「スナック キズツキ」がスタートした。映画化決定で注目を集める2019年のヒットドラマ「あなたの番です」で再ブレイクを果たした原田知世が主演を務め、ちょっと不思議な「スナック キズツキ」のママ・トウコと、そこに訪れる傷ついた客との交流を描く本作。第1話は、冒頭から視聴者を安らげる要素が満載だった。

何より大和田伸也のナレーションがいい。

「誰かに騙されたわけじゃない。誰かに裏切られたわけでもない。泣きたいほどひどい目にあったわけではないけれど、ほんの些細な出来事に心が傷つくこともある。なんでもないような顔をして過ごしても少しずつストレスは溜まっていく。まるでタンスの裏の綿埃のように」

低音の落ち着いた声色で放たれる語りは、とても優しいけれどある意味残酷だ。今日一日、心に負った傷やモヤモヤを容赦なく思い出させるから。今回の客・中田優美がふと路地裏にある「スナック キズツキ」を訪れた時に流れるオープニングが、私たちを不思議な世界へと案内してくれる。

本作の舞台「スナック キズツキ」はごく普通のスナックに見えて、実はそうじゃない。まずトウコがいい意味で“ママ”っぽくないというか、どちらかと言えばオーガニックカフェの店長っていう感じ。そして、スナックなのにお酒は提供していないという。

優美は驚きながらも注文し、ほっと心を撫で下して今日一日あったことを思い出す。

彼女はコールセンターのオペレーター。毎日クレーム対応に追われ、ユーザーの怒りの声に心をすり減らしている。この日かかってきたのは安達よしみ(平岩紙)という女性からで、最初から威圧的な態度だ。助けを求めて目配せした上司も、我関せずと微笑むだけで全く頼りにならない。

だけど優美はその夜、彼氏の潤(小関裕太)とデートの約束をしていた。どんなに辛いことがあっても、楽しみがあれば何とか持ち堪えるよね…と思わず共感してしまう。なのに悲しいかな、そういう時に限ってなにもかも上手くいかないのだ。

潤はけっして悪い彼氏ではない。働き者だし、どんなに忙しくても遅れてデートにやってきて、ちゃんと「ごめん」と謝ることができる。だけど自分はお腹が空いていないからと箸休めみたいなメニューばかり頼んだり、優美の話を受け流したり、休日に“彼女と遊ぶ”という選択肢が全くなさそうな感じで絶妙にもやもやする。

そんな「痛い」と口にするほどではないけれど、あると気になってしまう“ささくれ”のような傷を抱えた優美。口当たりまろやかなソイラテとスパイスの効いたカレーを提供するだけで、トウコは彼女の話を聞くわけでも、アドバイスするわけでもない。

なのに、演じる原田知世の母性溢れる笑顔だけで心安らいでいく気持ちはものすごくわかる。

シュールだったのはトウコがおもむろにギターを取り出し、優美の即興ソングに合わせてメロディを奏でる場面。ここで優美は溜め込んだ気持ちを吐き出していくのだが、ちょっと音程が合っていないところや、トウコのゆるい合いの手が逆に味を出している。

ふと、成海璃子は哀愁を漂わせるのが上手いなと感じた。ブレイクのきっかけとなった「瑠璃の島」では親の育児放棄により施設で育ち、心に傷を負った少女、2019年には「フルーツ宅急便」で借金返済のためにデリヘルで働く女性を演じていたが、彼女は常に共感せずにいられない魅力を放っている。

今回もどこか痛々しくて、それでいて「どうか幸せになって!」と願ってしまう愛おしい女性を好演した。スナックを訪れた次の日、何も状況は変化していなくとも心新たに仕事へ打ち込む姿にそっと勇気をもらえる。

本作は「スナック キズツキ」と同じように、観た人の心を癒してくれる物語だろう。

最後に時間が巻き戻され、優美がクレーム対応する場面へ。どうやら第2話は、クレーマーである安達よしみに焦点が当たるようだ。


※この記事は「スナック キズツキ」の各話を1つにまとめたものです。

→元記事はこちら

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