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小池栄子、女優魂を見せつけるオススメ映画5選!「鎌倉殿の13人」北条政子も絶好調!



いよいよ2022年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」がスタートしました。

第1回目から笑いと緊張のバランスを巧みに保つ三谷幸喜・脚本と、それに応えながら快演するキャスト陣。

その中で小池栄子が演じているのが、北条義時(小栗旬)の姉で源頼朝(大泉洋)の妻となる北条政子。

第1回目は運命の出会いを果たした頼朝と掛け合い漫才のようなぶっ飛び笑いを取っていた政子ですが、やがては“鎌倉殿の13人”と呼ばれる男たちの、それこそヤクザ映画を彷彿させる熾烈な権力抗争の中、いわば“極道の妻(おんな)”トップといった貫禄で彼らの運命を見据えていきます。

(そういえば、かつて同時代を描いた1979年のNHK大河ドラマ「草燃える」で北条政子を演じた岩下志麻は、その後“極妻女優”として君臨してましたっけ)

ひいては自身が鎌倉幕府の影の首領ともいえる立場にまで上り詰めていく北条政子は、本作の中で最も強き人物であり、まさに小池栄子にぴったりの役柄ともいえます。

小池栄子は2005年のNHK大河ドラマ「義経」で、木曽義仲の愛妾で自ら薙刀を持った武者として戦う巴を演じて大いに脚光を浴びました。

今回は、そんな小池栄子の更なる飛躍を期待しつつ、彼女の女優魂を大いに見せつけてくれる映画を選んでみました。

『2LDK』などでアイドルから役者の道へ


1990年代末から2000年代初頭にかけてグラビアアイドルとして人気を博すも、本来は俳優志望だった小池栄子は並行して役者としての仕事を地道ながらも着実にこなしてゆきます。

1999年には『小池栄子inドリフトウォーズ』、2002年『サムライガール21』とアイドル的カラーを活かした映画に主演する一方、2001年には安田顕、大泉洋らTEAMNACKSの面々による『man-hole』や、2002年には森田芳光監督のヒット作『模倣犯』にも出演。

そして2003年、堤幸彦監督作品『恋愛寫眞』で重要な役柄を演じた彼女は、同じ堤監督の『2LDK』でダブル主演します。

事務所が用意した2LDKマンションでルームシェアする自称映画女優(野波麻帆)とB級グラビアアイドル(小池栄子)が、それまでのお互いに対する不満が爆発し、大喧嘩となり、ついには殺し合いにまで発展する!?

何ともすさまじい女同士の対決そのものから醸し出されていく人間の負の感情を激しく描出し得た、小池栄子の存在感は圧巻でした。
 

女優としての大きな飛躍『接吻』


配給:ファントム・フィルム

その後も井口奈美『犬猫』(04)、中島哲也『下妻物語』(04)、宮藤官九郎『真夜中の弥次さん喜多さん』(05)などユニークかつ気鋭の監督たちの作品に出演し続けていく小池栄子は、2008年の万田邦敏監督作品『接吻』で大きな飛躍を遂げることになりました。

孤独なOL京子(小池栄子)は、ふと見たTVのニュースに映っていた殺人事件の容疑者・坂口(豊川悦司)の不可思議な笑顔に魅せられ、彼の情報を収集しては記録し始めていきます。

やがて文通を始め、ついには坂口との接見もかなった京子は、何と獄中結婚にまで至るのですが……。

一見すると常軌を逸したかのようなヒロインの行動の数々ではあり、タイトル“接吻”が言い表しているものも実に仰天なのですが、そうした狂気の愛を圧倒的存在感で演じ切る小池栄子の迫力を前にしては、もう誰も何も言えなくなってしまうほどの不可思議な説得力が満ち溢れているのでした。

本作で彼女は第30回ヨコハマ映画祭、第63回毎日映画コンクール、第18期日本映画批評家大賞、第18回日本映画プロフェッショナル大賞、第23回高崎映画祭で主演女優賞を受賞。

人生も愛も理屈で割り切れるものではなく、また言葉や台詞で安易に言い表せるものでもなく、しかし映画はそうしたものを描出する最高のメディアであり、同時に小池栄子がそうした映画の体現者足り得ることまで証明してくれた傑作です。

成島出監督との初仕事『八日目の蝉』


(C)2011映画「八日目の蝉」製作委員会

『接吻』の後、中島哲也『パコと魔法の絵本』(08)、堤幸彦『20世紀少年』第2章&第3章(09)、森田芳光『わたし出すわ』(09)といった以前組んだ監督たちの作品に再び呼ばれ、2010年には吉田大八『パーマネント野ばら』、荒戸源次郎『人間失格』、冨永昌敬『乱暴と待機』など新たな監督たちとの出会いを経て、そして2011年、またまた小池栄子に新たな飛躍がもたらされていきます。

成島出監督の『八日目の蝉』。

角田光代の同名小説を原作に、愛人の赤ん坊を誘拐して我が子として育てようとした野々宮希和子(永作博美)と、その赤ん坊が成長し、今また自分も不倫の関係に陥っていることを悩む秋山惠理菜(井上真央)の心の彷徨を描いたヒューマン・サスペンス映画。

この中で小池栄子は、フリーライターの安藤千草を演じています。

千草はかつて恵理菜と同じボランティア団体“エンジェルホーム”に育ち、共に遊んだ仲間であり、大人になった今はあの誘拐事件の真相を調べていたのでした。彼女の登場によってドラマは俄然転がり出し、やがて恵理菜と千草は一緒に過去を探る旅へ赴いていきます。

原作と異なり、過去と現在の時間軸を交錯させた設定により、千草の役割も重要なものとなっていくのでした。

小池栄子もこれに応じて、どこか対人関係が苦手そうなインキャラ・オーラを漂わせながら、ヒロインとも微妙な距離感を保たせてしまう千草の特異的なキャラクターを巧みに構築しつつ、彼女もまた複雑な環境の下で成長した女性であったことまでも体現。

この作品でも彼女は第85回キネマ旬報ベスト・テン助演女優賞および第35回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞しています。
 

『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』で大泉洋と偽夫婦!?



『八日目の蝉』の後、小池栄子は『草原の椅子』(13)『ふしぎな岬の物語』(14)『ちょっと今から仕事やめてくる』(17)『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』(19)『いのちの停車場』(21)と、成島監督作品の常連となっていきます。

その中で特筆すべきはヒロインを務めた『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』でしょう。

混乱から復興へ向かう戦後の昭和、優柔不断なくせになぜか女にもてる文芸誌編集長が愛人たちと別れるため、金にがめつい担ぎ屋のキヌ子に相談を持ちかけたことからはじまる大騒動。

これは太宰治の未完の遺作「グッドバイ」を独自の視点で解釈したケラリーノ・サンドロヴィッチの戯曲の映画化で、実はその舞台でキヌ子を演じていたのが小池栄子だったのです。



映画版でも当然、ヴァイタリティ豊かに戦後を生き抜くパワフルな女性キヌ子というキャラクターを熟知した魅力的な演技を披露。

また、ここで大泉洋とがっぷり組んで偽夫婦を演じていますが、その後で両者は「鎌倉殿の13人」で本当の夫婦を演じることになるわけですから、これもまた奇妙な縁といえるかもしれません。

(そういえば彼女、2021年『私はいったい、何と闘っているのか』では、大泉洋と同じTEAM NACSの安田顕の妻を演じていました)

ちなみに同年、小池栄子は三谷幸喜監督作品『記憶にございません!』にも出演していますが、こうした流れの連なりが2022年の「鎌倉殿の13人」に帰結しているのも間違いのないことでしょう。
 

ヤンキーOL(?)たちの壮絶バトル『地獄の花園』



個人的に最近の小池栄子出演映画でお気に入りなのが『地獄の花園』(21)です。

お笑い才人バカリズムの脚本で、ヤンキーOLたちの熾烈な社内外抗争を壮絶かつ報復絶倒の喧嘩の数々で魅せるコメディ・アクション映画。

そんなアホな!?の世界も徹底的に極めるとかくも楽しい(もはや何も考えずに見ていられる!)映画にしあがってしまうものか!といった最上のテキストではないかと思われます。

永野芽衣、広瀬アリス、菜々緒、川栄李奈、大島美幸などに加えて遠藤憲一&勝村政信&松尾諭といった男優陣までヤンキーOLを怪演していく中、小池栄子は都市伝説と崇められつつ、その姿を見た者は数少ないとされる「地上最強のOL」鬼丸麗奈役。

はたして彼女がどのようないでたちで登場するか、メイクも含めてお楽しみ満載です!


最後におまけですが、小池栄子といえば個人的には「ラジオ」といった印象があります。

2000年代、彼女はラジオのパーソナリティを務めることが時たまありましたが、その中でも2005年から2007年までオンエアされていたTBSラジオの深夜番組「オンテナ」(毎週土曜日26時)での明晰で美しい声は、妙に気が高ぶって眠れないときなどの癒しとなって気持ちよく眠りにつけるような、そんな癒しの効果を常にもたらしてくれていました。

(いってみれば、ちょっとリスナーの年齢層を下げた「ラジオ深夜便」みたいな雰囲気)

また機会があれば、ぜひとも彼女の素敵な声を深夜ラジオを通して聴いてみたいものです。

(文:増當竜也)

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