(C)2012–COSMOPOLIS PRODUCTIONS INC. / ALFAMA FILMS PRODUCTION / FRANCE 2 CINEMA

<カンヌ国際映画祭>今こそ観たい映画「5選」


現在、第75回カンヌ国際映画祭が開催されている。





日本からは是枝裕和が「赤ちゃんポスト」をテーマにした韓国映画『ベイビー・ブローカー』がコンペティション部門に、オムニバス映画『十年 Ten Years Japan』の一編を長編化した『PLAN 75』が「ある視点」部門に出品されている。



また、日本で大ヒットしたコメディ映画『カメラを止めるな!』のフランス版リメイク『キャメラを止めるな!』がオープニング作品を飾りっている。

本作は、『カメラを止めるな!』に引き続き日本人テレビプロデューサーの役として竹原芳子が出演しており盛り上がりをみせている。

今回は、カンヌ国際映画祭シーズンにオススメな映画5選を紹介していく。

『コズモポリス』(デヴィッド・クローネンバーグ監督)


『コズモポリス』(C)2012–COSMOPOLIS PRODUCTIONS INC. / ALFAMA FILMS PRODUCTION / FRANCE 2 CINEMA

第75回カンヌ国際映画祭コンペティション最大の目玉は、デヴィッド・クローネンバーグの『Crimes of the Future』だろう。

監督初期作の『クライム・オブ・ザ・フューチャー/未来犯罪の確立』と同名タイトルであるが、続編でもリメイクでもないとのこと。

クローネンバーグ作品は『ヴィデオドローム』や『ザ・フライ』のイメージのせいか、ボディ・ホラーの巨匠と呼ばれる。しかし、彼の作家性の本質は、哲学を用いて肉体と精神との関係性から新しい生活様式を見出そうとすることにある。

テレパシーがコミュニケーション手法として確立された世界を舞台とした長編デビュー作の『ステレオ/均衡の遺失』を例に挙げよう。

本作では、テレパシーにより他者の思想が干渉するため内なる箱に本心を隠す概念を生み出している。これはSNSが公の空間として普及し、まるで他人の思想が覗き込んでいるような感覚、または覗き込まれて干渉されているように思う感覚を予見したような作品であった。

『クライム・オブ・ザ・フューチャー/未来犯罪の確立』では、機能なき完璧な臓器に取り憑かれた男を冷静に分析する男が冷静さを失う過程を描いている。

疫病で大量の人が死亡した事象を前に「病で何十万人もの女性が死んだが、自分はこの病では死なないだろう」と異常な事象から目を背けてしまう描写を通じて、客観的分析の弱さを考察しており、半世紀以上前の作品であるにもかかわらず今に通じる問題を扱っている。

どちらもクローネンバーグが当時関心を抱いていた哲学分野「形而上学」を映画に活用した作品である。


『コズモポリス』(C)2012–COSMOPOLIS PRODUCTIONS INC. / ALFAMA FILMS PRODUCTION / FRANCE 2 CINEMA

このようなクローネンバーグ特有の哲学と映画表現のマリアージュが存分に味わえる作品として『コズモポリス』がある。

本作は、ドン・デリーロの同名小説の映画化である。投資で莫大な富を得た男(ロバート・パティンソン)が床屋に向かう中で人民元の相場が変動し、会社が倒産する危機に陥る。

しかし、彼はあまり関心がないようだ。お金が数字の羅列となり、感覚が麻痺した彼にとって会社の危機は遠い存在となってしまっているのである。


『コズモポリス』(C)2012–COSMOPOLIS PRODUCTIONS INC. / ALFAMA FILMS PRODUCTION / FRANCE 2 CINEMA

街では暴動が起きているのに、リムジンの窓から他人事のように眺めている。社員は疲れ果てているのに無茶を言い放ち、みんなの空間であるチャペルを買収し自分の物にしようとする。

社会もまた、個人の出来事をデータとして冷たく扱う。男に対して暴力を行使する者が現れると、パパラッチが集まり2人を写真に収めようとする。

リムジンはぐちゃぐちゃに汚され、暴力事件まで起きているにもかかわらず、人の不幸をスペクタクルとして消費しようとするマスコミ像が描かれている。


『コズモポリス』(C)2012–COSMOPOLIS PRODUCTIONS INC. / ALFAMA FILMS PRODUCTION / FRANCE 2 CINEMA

仮想通貨の変動により一夜にして価値が1億分の1へと急落したり、無関係な第三者が商標登録を行い文化を占有しようとしたり、富豪がSNSプラットフォームを買収したりする2022年の混沌を踏まえると、10年前の映画とは思えないリアルさだ。いずれもデータを前に個の存在が希薄となった世界において成立するニュースである。

『コズモポリス』は、世界中のニュースが高画質で飛び交う、情報が滝のように流れていく世界で、人間が肉体から離れた存在に取り憑かれて、肉体的痛みすら忘れてしまう時代を生きるヒントが隠された作品なのである。

■『コズモポリス』作品情報


『コズモポリス』(C)2012–COSMOPOLIS PRODUCTIONS INC. / ALFAMA FILMS PRODUCTION / FRANCE 2 CINEMA

監督:デヴィッド・クローネンバーグ

出演:ロバート・パティンソン、ジュリエット・ビノシュ、ポール・ジアマッティ

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『LETO-レト-』(キリル・セレブレンニコフ監督)


『LETO-レト-』(C)HYPE FILM, 2018

カンヌ国際映画祭の常連で、今回3度目のコンペティション部門に選ばれたロシアの異端児キリル・セレブレンニコフ。

新作『Tchaikovsky's Wife』はタイトル通りチャイコフスキーと妻アントニーナ・ミリョーコヴァの関係性を描いた作品である。

キリル・セレブレンニコフはユニークな選曲をする監督である。


(C)2020 - HYPE FILM - KINOPRIME - LOGICAL PICTURES - CHARADES PRODUCTIONS - RAZOR FILM - BORD CADRE FILMS - ARTE FRANCE CINEMA - ZDF

『インフル病みのペトロフ家』ではチャイコフスキーの曲からヒップホップまで取り入れていた。

犯行の再現ビデオを撮る人たちを描いた『Playing the Victim』では、仮設トイレから主人公ヴァーリャが颯爽と現れ、「ドリフのズンドコ節」を踊り狂う。止めに入る人を「どういうこと、どういうこと」と日本語で圧をかけ、振り切る異様な演出が衝撃的であった。



そのようなキリル・セレブレンニコフ作品の中で最も遊び心が炸裂した作品は『LETO-レト-』だろう。

ソ連の伝説的バンド「キノー」のヴォーカルである、ヴィクトル・ツォイの青春を扱った本作はミュージカルとなっている。


『LETO-レト-』(C)HYPE FILM, 2018

通常であれば、「キノー」の楽曲を用いて感情の高まりを表現するところ、『LETO-レト-』ではトーキング・ヘッズの「サイコ・キラー」イギー・ポップ「ザ・パッセンジャー」などといった他のアーティストの楽曲を用いてミュージカルパートを進行させているのが特徴だ。

またこれらの場面では、歌詞が英語やロシア語で流れ、無軌道にスクリーンに描かれ始め、人工衛星や惑星などといったラクガキが侵食する。

時にラクガキは、画面外の黒い空間にまで進出する異様な描写となっているのである。1980年代、文化統制されていたソ連における反発をロックにぶつける情熱をぶつけた意欲作だ。

■『LETO-レト-』作品情報


『LETO-レト-』(C)HYPE FILM, 2018

監督:キリル・セレブレンニコフ

出演:ユ・テオ、イリーナ・ストラシェンバウム、ローマン・ビールィク

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『オールド・ジョイ』(ケリー・ライカート監督)


『オールド・ジョイ』(C)2005,Lucy is My Darling,LLC.

昨年、日本でも紹介され話題となったケリー・ライカート監督

『First Cow』に引き続きA24配給となったコンペティション選出作『Showing Up』は個展の準備をする彫刻家がアーティストとしての自分とプライベートの自分との関係性を見つめ直す作品となっている模様。

ケリー・ライカート監督は、「どこへでも行けそうでどこにも行けない世界」を掘り下げていった監督と言える。「ある視点部門」に選出された『ウェンディ&ルーシー』では、車乗生活をする女性と愛犬の行き場のなさを描いた作品であった。

『ナイト・スリーパーズ ダム爆破計画』では、環境活動家の者たちが、集会で「大きなことをするよりも小さなことの積み重ねが重要だ」といわれ、反発するようにダム爆破テロを行うものの罪意識と虚無感が精神を蝕む様子が描かれている。大きなことをしても理想郷に辿り着けないもどかしさをジッと見つめていた。



『オールド・ジョイ』に目を向けてみよう。中年男性がゆるいキャンプをするシンプルな話である。

ヨ・ラ・テンゴの音楽と美しい情景により、画面からマイナスイオンが漂ってくる癒しの映画であるが、内容はハンカチ必携、涙なくして観られない「どこへでも行けそうでどこにも行けない世界」を描いている。

妻からの嫌悪の眼差しを尻目に、旧友カートと温泉旅に出かけるマーク。だが、マークの心はバカンスにあらず。頻繁にかかってくる電話が気になってしょうがないのだ。


『オールド・ジョイ』(C)2005,Lucy is My Darling,LLC.

カートは対話を通じてマークの心の膿を絞り出そうとする。確かに親密な会話になるし、温泉で癒される。だが、もはや別々の人生を歩んでいる2人の間の溝は埋まらないないのだ。

大学を卒業し、久しぶりに学生時代の友人と再開するものの、価値観の違いによって昔のように対等な会話ができなくなってしまうような経験はないだろうか?

友情は清涼剤となり、思い出の過去へと導いてくれるが、現実が足元でしがみつき、どこにも行けない。そんな世界観に切なくなること間違いなしだ。

■『オールド・ジョイ』作品情報


『オールド・ジョイ』(C)2005,Lucy is My Darling,LLC.

監督:ケリー・ライカート

出演:ダニエル・ロンドン、ウィル・オールダム、タニヤ・スミス

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『切腹』(小林正樹監督)


『切腹』(C)1962 松竹株式会社

カンヌ国際映画祭において日本映画が受賞することは少なくない。最近では『万引き家族』のパルム・ドール受賞や『ドライブ・マイ・カー』の脚本賞受賞が記憶に新しい。他にはどのような作品がカンヌで輝いたのだろうか?

今回は、小林正樹監督の『切腹』を紹介しよう。

本作は、1963年のカンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞した時代劇である。小林正樹監督は姿形を変え、社会問題を批判する作品を描いてきた。

9時間におよぶシリーズ超大作『人間の條件』は満州の劣悪な労働環境である鉱山での物語を通じて軍国社会への残酷さを告発した。これは、映画業界に入って数ヶ月後に陸軍に徴兵され、昇進を断り度々殴られた苦い記憶の投影でもある。

『切腹』では、屋敷に切腹する場所を貸してほしいと懇願する貧しき浪人・津雲半四郎(仲代達矢)が現れる話だ。いざ切腹を行う段階になり、半四郎は斬首する担当者を3人指名するが何故か全員病欠であった。

段々と、真実が明らかになっていく。本作は政治的正しさのためなら、貧しい市民に対して酷い殺し方をする社会に対する批判となっている。


『切腹』(C)1962 松竹株式会社

注目すべきは、後半の殺陣の場面だろう。

命の重さを表現するために、殺陣の場面では刀一振りをじっくり画に収めている。生死がかかっているため、刀と刀がぶつかりもみくちゃになる場面では、刀が肌の近くで長々と均衡が保たれる。

集団戦になると、半四郎がジリジリと横移動する。屋敷の人間も、自分の生死が関わってくるので無闇に攻撃ができないのだ。軽々しく生殺与奪が実行される社会が忘れた、肉体的痛みの重みを伝える殺陣は圧巻である。

■『切腹』作品情報


『切腹』(C)1962 松竹株式会社

| 1962年 | 日本 | 133分 | (C)1962 松竹株式会社 | 監督:小林正樹 | 仲代達矢/岩下志麻/石浜朗/三島雅夫/中谷一郎/青木義朗/佐藤慶/丹波哲郎/三國連太郎|

監督:小林正樹

出演:仲代達矢、岩下志麻、石濱朗

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『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(ラース・フォン・トリアー監督)


『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(C)ZENTROPA ENTERTAINMENTS4, TRUST FILM SVENSKA, LIBERATOR PRODUCTIONS, PAIN UNLIMITED, FRANCE 3 CINÉMA & ARTE FRANCE CINEMA

鬱映画、胸クソ映画の代表例として挙げられるラース・フォン・トリアー監督作『ダンサー・イン・ザ・ダーク』

ビョーク演じる盲目になりつつある工場勤務のセルマの救いようのない物語は、ショッキングなラストも含めて語り継がれているが、実はミュージカル史の文脈から観ると面白い発見がある。


『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(C)ZENTROPA ENTERTAINMENTS4, TRUST FILM SVENSKA, LIBERATOR PRODUCTIONS, PAIN UNLIMITED, FRANCE 3 CINÉMA & ARTE FRANCE CINEMA

中盤で、セルマが映画館でミュージカル映画を観る場面がある。ここで上映される作品が『四十二番街』なのだ。これは主演俳優の降板で一気にスターへと昇り詰めるダンサーの物語である。

この作品が公開された1930年代において、ミュージカル映画は現実逃避の娯楽として発展していった。ウォール街の株式市場大暴落をきっかけにアメリカでは失業者が溢れていた。

そんな失業者たちの心の支えとして、豪華絢爛なパフォーマンスとハッピーエンドで包んだミュージカル映画が大量に作られたのだ。

この時代のミュージカル映画を盛り上げた振付師にバズビー・バークレーがいる。彼はマスゲームのように大勢の俳優を用いた演出にこだわった人物である。

最近のミュージカル映画でも頻繁に見かける円陣を組んだダンスを真上から撮るバークレー・ショットの発明者であり、『四十二番街』でも観ることができる。



『ダンサー・イン・ザ・ダーク』は1930年代のミュージカル映画の楽観主義に反論することで、ミュージカル映画と観客の関係性を考察している。

まず、本作は息子のために失明を隠しながら働くも最悪の結末を迎える物語は、ハッピーエンド主義な1930年代ミュージカルの対極を示している。

そして注目すべきは、セルマが現実逃避の手段としてミュージカルを選んでいることだ。

現実が最悪の方向へ堕ちていくほど、セルマの妄想上のミュージカルはダイナミックなものになっていく。しかし、ミュージカル映画のようなハッピーエンドは訪れない。


『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(C)ZENTROPA ENTERTAINMENTS4, TRUST FILM SVENSKA, LIBERATOR PRODUCTIONS, PAIN UNLIMITED, FRANCE 3 CINÉMA & ARTE FRANCE CINEMA

人は時として、ハッピーエンドを求めて映画館へ向かう。現実ではあり得ないハッピーエンドでも、虚構の中では肯定され、観る者に癒しを与えるのである。しかし、現実はそう簡単にハッピーエンドとはならない。

バズビー・バークレーは人をマスゲームの駒として扱う。一方で、ラース・フォン・トリアーはクローズアップでミュージカルシーンを描くことで個を強調している。

社会に潰されそうになる者の肖像としてクローズアップを採用し、ミュージカル映画の現状を捉えたのだ。

『四十二番街』はAmazon Prime Videoで配信されているので、あわせて観てみてほしい。

また、観賞後はヒナタカさんによるネタバレありの考察記事を参考にすると、より深く作品の世界に入れることでしょう。

>>>【関連】『ダンサー・イン・ザ・ダーク』が賛否両論である理由と、それでも観て欲しい理由

■『ダンサー・イン・ザ・ダーク』作品情報


『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(C)ZENTROPA ENTERTAINMENTS4, TRUST FILM SVENSKA, LIBERATOR PRODUCTIONS, PAIN UNLIMITED, FRANCE 3 CINÉMA & ARTE FRANCE CINEMA

監督:ラース・フォン・トリアー

出演:ビョーク、カトリーヌ・ドヌーヴ、デヴィッド・モース

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U-NEXT ※2022/6/14まで
Hulu ※2022/6/14まで
Amazon Prime Video
Netflix ※2022/6/14まで
JAIHO ※2022/6/13まで

第75回カンヌ国際映画祭注目の新鋭監督作

今年のカンヌ国際映画祭コンペティションは、新鋭監督がダルデンヌ兄弟やイエジー・スコリモフスキなどといった大御所と対峙している。

そこで、新鋭監督による注目作を3本紹介しよう。

授賞式はフランス時間で5/28(土)。果たして、栄冠を手にするのはどの作品だろうか。想像が膨らむばかりである。

■『Holy Spider』(アリ・アッバシ)



違法物を嗅ぎ分けられる特殊能力を持った女性の思わぬ恋を描いた『ボーダー 二つの世界』のアリ・アッバシ監督は、イランの聖都マシュハドで起きた娼婦連続殺人事件を追う『Holy Spider』を出品している。

イランにルーツを持つアリ・アッバシ監督が、宗教とイラン社会の関係性に斬り込んだ作品と推察できる。

社会派映画が最高賞を獲る傾向が強い本祭にてパルム・ドールが期待できる作品といえよう。

■『Leila’s Brothers』(サイード・ルスタイ監督)



イラン関係では、今回サプライズコンペティション入りを果たしたサイード・ルスタイ監督作『Leila’s Brothers』も注目である。

2019年の東京国際映画祭で最優秀監督賞を受賞したサイード・ルスタイ。受賞作である『ジャスト 6.5』は映画祭を席巻するイラン映画とは雰囲気が異なり、土管や狭い空間を活用した骨太アクション映画となっていた。

最新作『Leila’s Brothers』は経済制裁を受けるイランを舞台に、借金に悩まされる40歳レイラがある計画を思いつき、家族が崩壊する様子を描いた作品とのこと。

一般的に、カンヌ国際映画祭のコンペティションは登竜門である「ある視点」部門に出品されたり、他の大きな映画祭で名を挙げたりする必要がある。

確かに、今年フランスで行われたセザール賞の外国映画賞に『ジャスト 6.5』はノミネートされているが、その数ヶ月後に新作がコンペティション部門入りを果たすのはサプライズであったといえよう。

■『Mother and Son』(レオノール・セライユ監督)



追加でコンペティション入りを果たしたレオノール・セライユ監督にも注目してほしい。

2017年のカンヌ国際映画祭で『若い女』を出品し、新人監督賞にあたるカメラ・ドールを受賞したレオノール・セライユ。

家なし、金なし、仕事なしの30代女性が自分の居場所を探し放浪する『若い女』は、パリを舞台にした話であるにもかかわらず、極限状態で荒野をサバイバルするような冷たさが全編を支配しており、都市化による個の社会と孤独の関係性を見つめた意欲作であった。

今回コンペティションに選出された『Mother and Son』は、コートジボワールからフランスへ渡った家族の年代記となっているそうだ。

近年、『パリ13区』『レ・ミゼラブル』といったパリとアフリカ系移民の関係を掘り下げた作品がカンヌ国際映画祭に選出される傾向がある。

『Mother and Son』が注目の1本であることは間違いない。

(文:CHE BUNBUN )

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