2022年02月24日

結婚前の物憂げな女性を演じてみて|映画『愛なのに』さとうほなみインタビュー

結婚前の物憂げな女性を演じてみて|映画『愛なのに』さとうほなみインタビュー



瀬戸康史主演の映画『愛なのに』が、2022年2月25日から全国で順次公開される。
監督を務めるのは、2020年に公開された『アルプススタンドのはしの方』など、幅広いジャンルを手がけている城定秀夫。脚本は、『愛がなんだ』(2018)、『アイネクライネナハトムジーク』(2019)、『あの頃。』(2020)など、数々のヒット作品を手掛けている今泉力哉だ。今話題の2人の監督がコラボした、R15+指定のラブストーリー作品『愛なのに』は、公開前から注目を集めている。

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古本屋の店主、多田浩司(瀬戸康史)はある日、女子高生の岬(河合優実)から突然プロポーズをされる。女子高生からの求婚に驚く多田。しかし、多田には忘れられない女性、一花(さとうほなみ)の存在があった。3人に関係する人たちを巻き込みながら、様々な恋愛模様が同時進行で描かれていく。
一花を演じたのは、映画『窮鼠はチーズの夢を見る』(2020)や、Netflix映画『彼女』(2021)に出演している、さとうほなみ。「ゲスの極み乙女。」のドラマーとしても活動しているが、ここのところ映画や舞台と活躍の場をぐんと広げている。

今回はさとうに作品の印象や魅力について伺った。

一花という女性を演じてみて感じたこと



――まずは完成した作品をご覧になって、率直にどんなことを感じましたか。

さとうほなみ(以下、さとう): ストーリーだけを読むと結構ドロドロした印象がありますが、完成した作品を観ると非常にポップでユーモアのある、面白い映画になったなと思いました。物語の中で最低なことをする人物もいるのですが、どの登場人物も愛おしく、懸命に生きている感じがとてもよかったです。



――今回、さとうさんは一花という結婚前の気持ちが揺れ動く女性を演じられました。物憂げな表情が非常に印象的でしたが、一花とご自身の共通点はありましたか?

さとう:そうですね、一花の猪突猛進なところは共感できました。周りが見えなくなる一花ほどではありませんが、私も「これ」と決めたら一直線にそこに向かっていくタイプなので、その部分は一花と似ていますね。

――逆にちょっとここの部分は理解しがたいな、という面はありましたか?

さとう:やられたらやり返す、という部分でしょうか(笑)。裏切った婚約者に対して、ただ怒りをぶつけるのではなく、自分も同じことをするという感覚がすごいなと思いました。私にはない感覚です。



――たしかに一花の人間性が出ていました。今回、そんな一花を演じるにあたって城定監督からはどんな要望があったのでしょうか。

さとう:オーデションを受けた時点では、一花という女性は気が弱くて大人しい、そして、亭主関白な婚約者・亮介からちょっと気圧されている感じを出して欲しいと言われていました。しかし、本読みの段階からそうではなくなってしまい、監督から「設定にしばられず、自由にやっていいよ」と、アドバイスをいただきました。そこからは一花と亮介、2人の不思議な空気感や、一花という女性像を意識しながら演じました。

嘘のないまっすぐな登場人物たち


 
――もっとも印象に残っているシーンはどこでしたか?

さとう:一花が亮介の裏切りを知ったときのシーンです。いつもは堂々としている亮介が、自分のミスでボロが出てしまい、一花に懸命に嘘をつくところが印象的でした。バレないように、すらすらと作り話する亮介に男性の恐ろしさを感じました(笑)。



――もし、さとうさんが一花だったら最終的には浩司と亮介、どちらを選びますか?

さとう:難しい質問ですね(笑)。一花は亮介が好きだからこそ、浩司の気持ちを利用して自分の感情を確かめたいと思ったのでしょうが、私だったら……そうですね。浩司からあれだけ想いを寄せてもらっていたら、浩司に気持ちが向いてしまうかもしれません。

――これから作品をご覧になる方にメッセージをお願いします。

さとう:登場人物全員の想いが絡みに絡まって複雑に交差するので途中、モヤモヤするかもしれませんが、嘘のないまっすぐな登場人物たちにどこかで共感できるかと思います。見終わった後は、「なんだか愛おしい映画だったな」と感じてもらえたら嬉しいです。



(ヘアメイク=野中真紀子/スタイリング=市野沢祐大(TEN10)/撮影=渡会春加/取材・文=駒子)

<衣装クレジット:ブレザー ¥48,400(ミューラル|tel.03-3463-5663)、ドレス ¥66,000(ヨウヘイ オオノ|tel.03-5760-6039)、キャミソール ¥27,500(ミュラー オブ ヨシオクボ|tel.03-3794-4037)、ネックレス ¥37,400、ピアス ¥17,600、デュオリング ¥25,300、フェイトリング ¥18,700(すべてTEN.|tel.092-409-0373)>


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