<江口のりこの存在感>誰もが釘付けになる魅力


(C)2020「事故物件 恐い間取り」製作委員会

どんな作品においても異質な存在感を放つ女優・江口のりこ

印象が強固であればあるほど、普通は「この人、どの役でも全部同じじゃん」と思われてもおかしくはない。決してネガティブな意味ではなく、致し方ない。それが強みでもあるのだから。

だが、江口のりこは違う。
毎度毎度、誰がどう見ても江口のりこなのに、確実にその役柄に憑依している。
江口のりこ+A、江口のりこ+B……というように、掛け算ではなく、江口のりことその役柄が見事足し算された姿に無意識のうちに翻弄されているのだ。

そのあまりのキャラ立ちっぷり、もはや尊敬の念。

ここからは、江口のりこのキャラ立ちっぷりを思う存分に堪能できる作品を5つ、紹介していく。

『愛がなんだ』:原作通りの“すみれ”に拍手喝采



『街の上で』『猫は逃げた』などを手掛ける今泉力哉監督に“恋愛群像劇の旗手”というイメージを強く根付かせ、SNSでも話題沸騰となった『愛がなんだ』(19)。

“マモちゃん至上主義”なテルコ(岸井ゆきの)が、ただただマモちゃん(成田凌)に振り回され続けるという物語。
振り回され続けるというのは客観視しているからこそできる表現であり、テルコ本人はそのことに1ミリたりとも気がついていないことが一番怖い。

江口のりこは、そんなマモちゃんがベタ惚れしてしまう素性がよくわからない女・すみれを演じた。
原作でも強烈な印象を残していたすみれ。なんたって、マモちゃんに尽くしまくってきたテルコとまるで正反対なのだから。
劇中でテルコが歌うすみれにまつわるラップは、間違いなく過剰な部分はある。その一方で、すみれのイメージを見事にテンポよく凝縮したその歌詞に思わず感服してしまう。

おそらく「なんでマモちゃんはすみれさんのことなんかを好きになるんだろう」と感じる人が大半だろう。著者も最初はそう思った。が、人は”ないものを持つ正反対な魅力”に惹かれてしまうものなのだ。テルコの献身的すぎるアピールに疲れてしまったマモちゃんにとって、いろいろ適当で自分のテンションに素直なすみれが心地よかったのだろう。

こんな女を江口のりこが演じている時点で、もう大正解。
文字で表現されたすみれとスクリーンに映し出された江口のりこ演じるすみれは、完全にイコールだった。

『事故物件 恐い間取り』:飄々と淡々とした姿に思わずくすり


(C)2020「事故物件 恐い間取り」製作委員会

『リング』『スマホを落としただけなのに』などを手掛けるジャパニーズホラーの巨匠と呼ばれる中田秀夫監督作品『事故物件 怖い間取り』(20)。

売れるために事故物件に住むことになった芸人・ヤマメ(亀梨和也)。元相方の中井(瀬戸康史)と同局のメイクアシスタントであり密かにヤマメに思いを寄せる梓(奈緒)の協力もあって、次々に異常現象を撮影する。番組人気も向上し味をしめたヤマメは次々と新たな事故物件に住み始めるがーー

ホラーは、観る人を選ぶ。筆者も好き好んで観るタイプではない。
が、本作品はお風呂や真っ暗な部屋で思い出してしまうような恐怖さはないので安心してほしい。いい意味で若干の茶番感のあるホラーに仕上がっているので、ストーリー構成とともに楽しんで観てもらえたらと思う。まぁ、あくまでも筆者のいち意見ではあるが。

江口のりこは、ヤマメに事故物件を紹介する不動産屋・横水を演じた。
驚かないで聞いてほしいのだが、この作品で最も怖いのは異常現象でも幽霊でもなく江口のりこ演じる横水なのだ。

まず、飄々と淡々と事故物件を紹介する不気味さ。一見いい人そうに見えるし、実際いい人なのだが、その例えようのないおっかなさは恐怖を通り越して笑ってしまう。

と思いきや、中華料理を貪りながら除霊の指示を出す姿にはもう唖然だし、衝撃的なラストには誰もが口あんぐり。
出演時間としてはメインキャストと比較すると短いものの、江口のりこを拝むために観る作品と言っても過言ではない。

江口のりこ、すげぇよ。

■『事故物件 怖い間取り』配信サービス一覧




| 2020年 | 日本 | 111分 | (C)2020「事故物件 恐い間取り」製作委員会|監督:中田秀夫|亀梨和也/奈緒/瀬戸康史/江口のりこ/MEGUMI/
真魚/瀧川英次/木下ほうか/加藤諒/坂口涼太郎/中田クルミ/団長安田/クロちゃん/バービー/宇野祥平/高田純次/小手伸也/有野晋哉/濱口優

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「ソロ活女子のススメ」:待望のシーズン2もスタート!“お一人様モノ”の常連に


©テレビ東京

江口のりこの民放初主演ドラマとなった「ソロ活女子のススメ」
2021年春クール放送から一年、2022年春クール放送「ソロ活女子のススメ2」として江口のりこ演じる五月女恵が帰ってきた!

「孤独のグルメ」「ワカコ酒」「ひねくれ女のボッチ飯」など、テレ東手掛ける“お一人様モノ”が大好きな筆者からすると、シーズン2の放送開始は快挙であった。

ダイジェスト出版編集部の契約社員である五月女恵が、ただただソロ活を楽しむというシンプルな物語。
ソロ活を愛する者としては、このドラマを観て“ソロ活新境地”に足を踏み入れるほかない。

余談だが、本作品の著者は「二軒目どうする?〜ツマミのハナシ〜」に“おつまみさん”として登場する朝井麻由美氏。なるほど納得。

リムジンや動物園、プラネタリウム、気球フライト、暗闇フィットネス、アフターヌーンティー……さまざまなソロ活に挑戦する五月女恵。
江口のりこが演じるからこそ「私にもできるかも」と思える不思議な親近感がまた心地いい。

>>>【関連記事】ドラマ「ソロ活女子のススメ2」江口のりこインタビュー

「SUPER RICH」:江口のりこに転生したいという感想しかない


(C) Fuji Television Network, Inc.

「ソロ活女子のススメ」に続き、ゴールデン・プライム帯ドラマ初主演を果たした「SUPER RICH」
1999年より女優として活動している彼女だが、江口のりこ節が炸裂しはじめた2021年は人生の転機になったように思う。

江口のりこは、お金はあっても愛に飢えた孤独な女社長・氷河衛を好演。
社長として働く姿は江口のりこの“かっこいい”イメージそのものだし、ネイティブな関西弁は尋常じゃない安心感がある。決してモテキャラではない江口のりこが2人の年下男性から思いを寄せられるというギャップに違和感を抱くと思いきや、それ以上に応援したくなる魅力をいかんなく発揮した。

貧乏学生な春野優(赤楚衛二)と衛の右腕である宮村空(町田啓太)の狭間で揺れる江口のりこを見て、「はー、江口のりこに転生したい。」と真面目に思っていたのは筆者だけではないはず。

>>>【関連記事】<SUPER RICH>赤楚衛二VS町田啓太!私は江口のりこに転生したい

「鎌倉殿の13人」:江口のりこが演じるからこその破天荒さに脱帽


(C)NHK

現在放送中のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
さすがは三谷幸喜脚本、歴史に抵抗がある人でもすんなり見れる、いや見たくなる“コメディ大河”に仕上がっている。

江口のりこは、第7回「敵か、あるいは」より源頼朝(大泉洋)の愛人・として登場している。
亀が人妻とは知らず関係を持った頼朝に対して、「言ってなかった?」、ついには「だったら、ついでにうちの人も討ち取って」とあっけらかんと言う姿には思わず笑ってしまう。「さすがは江口のりこ様」とひれ伏すしかない。

元妻・八重(新垣結衣)と現妻・政子(小池栄子)らとジリジリと対峙するシーンも見逃せない。
ハラハラするのにこんなにもおもしろいのは、間違いなく江口のりこパワーのおかげである。

江口のりこ×安藤サクラの共演が見たい件


群を抜いて唯一無二な存在の江口のりこだが、おそらく誰もが思っているであろうことをここで代弁してみたい。

江口のりこと安藤サクラ、顔立ちや風貌が似過ぎでは?

うん、あまりにも雰囲気が似過ぎている。
なぜ今まで共演がないのか不思議なくらいだが、いつか姉妹・双子役で共演することを切に願う。

今クール、「鎌倉殿の13人」「ソロ活女子のススメ2」「悪女(わる)〜働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?〜」の3ドラマに出演と引っ張りだこな江口のりこ。

中でも「悪女(わる)〜働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?〜」での謎な先輩社員・峰岸雪に注目だ。

2022年公開の映画にも2作品出演予定と、彼女の勢いはとどまることを知らない。

(文:桐本絵梨花)

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