「ちょっと歪んだ高橋一生」を拝める作品“5選”
(C)2019「引っ越し大名!」製作委員会
精度の高い演技力と無骨な色気で、あらゆる映画・ドラマに深い爪痕を残し続ける高橋一生。
幼少の頃より演劇に携わり、映画『シン・ゴジラ』『嘘を愛する女』『スパイの妻』、ドラマ「僕のヤバイ妻」「僕らは奇跡でできている」「凪のお暇」「恋せぬふたり」など、数多くの話題作に出演してきた彼。
作品のストーリー性に関係なく、高橋一生が出演しているというだけで、無条件にテンションが上がるのはなぜだろう。
ここからは、筆者が愛する“ちょっと歪んだ高橋一生”にフィーチャーした5作品について紹介していく。
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ひょうきんな高橋一生:『引っ越し大名!』
どちらかといえば“陰”な役柄のイメージがある高橋一生のイメージをいい意味で塗り替えてくれる『引っ越し大名!』。
書庫番を務める内気な片桐春之介(星野源)は、いつも書庫にこもって本ばかり読んでいた。しかし、藩では姫路から日田への国替えという一大事が勃発。藩の財政が逼迫する中、その存亡がかかった城の引っ越しという一大プロジェクトをひょんなことから春之介が取り仕切ることになりーー
(C)2019「引っ越し大名!」製作委員会
高橋一生は、春之介の幼馴染で引っ越し奉行に推薦する鷹村源右衛門を演じた。
危なっかしさもありつつも、見るもの全てを引きつけるカリスマ性を持つ鷹村。春之介の小胆さとの対比がまた、鷹村の魅力を引き出している。
高橋一生をはじめとした、星野源や高畑充希、及川光博、松重豊、西村まさ彦、濱田岳、ピエール瀧らなど、豪華かつ個性的な俳優陣も目を見張るポイントだ。
■『引っ越し大名!』配信サービス一覧
| 2019年 | 日本 | 120分 | (C)2019「引っ越し大名!」製作委員会 | 監督:犬童一心 | 星野源/高橋一生/高畑充希/小沢征悦/濱田岳/西村まさ彦/松重 豊 |
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不器用な高橋一生:『ロマンスドール』
終盤、溢れ出る涙のせいで美しい映像を直視できなかった『ロマンスドール』。
美大出身でラブドール職人として働く哲雄(高橋一生)は、美術モデルとしてやってきた園子(蒼井優)に一目惚れし、結婚まで至る。幸せな夫婦生活を送る2人だが、お互いにとある“秘密”と“嘘”を持っていてーー
(C)2019「ロマンスドール」製作委員会
“ラブドール職人”という手先が器用でないと全うできない職業に反して、心の内はため息が出るほど不器用だ。
高橋一生から放たれる繊細さが、哲雄の弱さを押し上げているように思う。
お互いを愛しているからこそ生まれるどうしようもない溝と純真でいびつな関係性に、心は淀むばかり。覚悟して臨んでほしい。
めんどくさい高橋一生:「カルテット」
(C)TBS
誰がなんと言おうと高橋一生を語るうえで外せない作品No.1な「カルテット」。紛れもなく不朽の坂元裕二脚本作品の1つだ。
夢が叶わぬまま人生のピークが過ぎ去ってしまったアマチュア演奏家の4人が、偶然カラオケボックスで出会ったことから“カルテット”を組み、軽井沢の別荘で共同生活を送りながら人生の再出発を図りはじめる。しかし、その”偶然”には大きな秘密が隠されていてーー
高橋一生は、カルテットのうちの1人・ヴィオラ奏者である家森諭高を演じた。
この家森諭高という男、めんどくさい。本当にめんどくさい。
唐揚げにレモンをかけるかけない以前に事前確認が大事だと言い張る“唐揚げにレモン案件”、人は口に出していることと本音は同じではないと現実を受け入れない“行間案件”、「ニモではなくカクレクマノミでしょ」「バンドエイドではなく絆創膏ね」などいちいち名称を正したがる“余計な一言案件”など、挙げはじめるとキリがない家森諭高発端巻込型論争。
いちいち妙に理屈っぽく、ねちっこい家森諭高。
でも、結構本質を突いているもんだから憎めない。むしろ、気付けば好きになっちゃってる。
「カルテット」のみならず、小春(満島ひかり)の主治医・澤村友吾を演じた「Woman」、練(高良健吾)が働いていた運送会社「柿谷運送」の元上司・佐引穣治を演じた「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」でも、独特の存在感を放つ役どころを全うしている。
決して万人受けはしない。
だが、いないとその物語は成り立たない。怪訝に感じるときもあるのにいつの間にか空間に溶け込んでいる愛おしさこそが、坂元裕二手掛ける高橋一生の魅力。そう、まるで酢豚のパイナップルのように。
こじらせてる高橋一生:「東京独身男子」
高橋一生史上最強の色気を更新したと言っても過言ではない「東京独身男子」。
メガバンク勤務・石橋太郎(高橋一生)、バツイチの審美歯科クリニック院長・三好玲也(斎藤工)、大手弁護士事務所のボス弁・岩倉和彦(滝藤賢一)ら、“あえて(A)結婚しない(K)”男子=AK男子。誰もが羨む何の不自由もない彼らは、それぞれの“闇”を抱えていてーー
「カルテット」の家森諭高とはまた異なるめんどくささが特徴的な「東京独身男子」の石橋太郎。
これもまた、独身貴族オーラむんむんな高橋一生が演じるからこそよりこじらせ具合が際立つのである。
こじらせている原因が元カノにあるという、突如として溢れ出る人間味も愛おしい。ハイスペ男子が持つ弱みというギャップに、世の女性たちは翻弄され続けるのだ。
破天荒な高橋一生:「インビジブル」
(C)TBS
2022年4月15日よりTBS系金曜ドラマ枠で放送中の「インビジブル」。
事件解決のためには手段を厭わない刑事・志村貴文(高橋一生)と、“インビジブル”と呼ばれる犯罪コーディネーター・キリコ(柴咲コウ)がバディを組み、世に知られていない凶悪犯罪をあぶり出し解決に導いていく前代未聞の犯罪エンターテイメント。
刑事=正義というイメージを覆す志村の破天荒っぷり、とんでもない吸引力。
凄みのある演技は「天国と地獄〜サイコな二人〜」の日高陽斗を彷彿とさせる。
本ドラマを見ていて確信したのだが、やはり高橋一生には正統よりも異端な役どころがよく似合う。問題児な志村がたびたびキリコに振り回されるあたりもどことなく愛着が湧くポイントだ。
めんどくさい高橋一生を愛しています
(C)2019「ロマンスドール」製作委員会
語らずともボリュームで一目瞭然となってしまったが、著者は“めんどくさい高橋一生”を生涯推す。推し続ける。
なんならもっとめんどくさい高橋一生を見たいし、めんどくさい+こじらせを兼ね備えた最強に厄介な高橋一生を拝むまでは死ねない。
これは、高橋一生だからこそ魅力的に思えてしまう歪みなのだろうか。
(文:桐本絵梨花)
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