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「ちむどんどん」第34回:なぜ比嘉家はいつも他人の好意をふみにじるのか


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2022年4月11日より放映スタートしたNHK朝ドラ「ちむどんどん」。

沖縄の本土復帰50年に合わせて放映される本作は、復帰前の沖縄を舞台に、沖縄料理に夢をかける主人公と支え合う兄妹たちの絆を描くストーリー。「やんばる地域」で生まれ育ち、ふるさとの「食」に自分らしい生き方を見出していくヒロイン・比嘉暢子を黒島結菜が演じる。

本記事では、その第34回をライター・木俣冬が紐解いていく。


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石川(山田裕貴)が良子(川口春奈)にプロポーズ



石川「別れてない」

賢秀「何? 別れてないわけ?」

石川「別れるどころかまだつきあってもいません」

第33回の「幸せですか」に続いて2日連続、笑える冴えたセリフがありました。

良子が喜納金吾(渡辺大知)と結婚することを決め、両家の顔合わせをしているところに石川が現れます。

手切れ金と偽って銀蔵(不破万作)からお金をもらっている賢秀(竜星涼)
焦って石川の邪魔をしますが、名前も知らなくて勝手に「中村」と呼びます。ここもおもしろかった。

今まで口数の少なかった石川がいろいろな思いをぶちまけます。

「良子のことが好きだから!」って伝説の月9「101回目のプロポーズ」(91年)の武田鉄矢さんの「あなたが好きだから(僕は死にません)」みたいなテンションでした。ちょっと古い?(なにせ30年前)。どちらかといえばチャンドンゴンの「死ぬほど好きだから」のほうでしょうか。

それはともかく。石川の言葉に涙する良子のアップが美しい。

結婚する決意をした良子と石川を見て、金吾は意外とあっさり祝福して去っていきます。去り際の笑顔が爽やかでした。

もともと良子につきあっている人はいないのかと確認していた金吾。ほかに好きな人がいるなら身を引くという極めて紳士的な考え方の持ち主なのです。

銀蔵もさほど怒らず、手切れ金のことも追求しません。

優子(仲間由紀恵)は良子に「謝らないでいいよ」と寛容です(顔合わせのため着物を着ていてそれが素敵でした)。

すてきな劇伴がかかってなんかいいムードに流されてしまいますが、よくよく考えると、比嘉家は喜納家の好意を軽〜く踏みにじっています。

思えば、暢子が就職を決めたときも、東京で料理人になりたいと就職先の人もいる前で公言していて、比嘉家の人たちは、好意を示してくれている人たちに遠慮なくやりたいことを追求する。
家族の絆は重く受け止めるけど他人の好意の価値を軽んじているように見えるんですよね。

会社の人も喜納家もさほどダメージはないでしょうけれど、一番、迷惑を被っているのは、世話役の善一(山路和弘)ではないでしょうか。たぶん、いつだって善一が各所に頭を下げてまわっている気がします。

いや、でも金吾は最後は笑って身を引いたとはいえそれなりに傷ついていると思うのです。

他人に頼ったすえ、ちゃぶ台返しする態度を幾度も繰り返す比嘉家。このように自分たちの幸せを優先しまわりに配慮のない人物を観ると筆者は胸がちくりとうずきます。

おそらく、SNSで比嘉家の生き方が指摘されがちなのは、常に自分ファーストで他者に配慮がない比嘉家の人たちの行動が苦手だと感じる人が少なくないからではないでしょうか。

とはいえ、他人を気にしてやりたいことを我慢することはありませんし、他人を巻き込まないように熟考しながら生きていきたい。「ちむどんどん」ではそんな堅苦しいことを考えてがんじがらめになっている人に違う視点を提示します。

他人をどんどん頼るべし。
そして違うと思ったら他人に遠慮しないで方向転換していい。
人は持ちつ持たれつである。
お金は天下の周りもの。

だから賢秀は手切れ金としてちゃっかりせしめたお金をもって颯爽と家を去って行くのです。


(文:木俣冬)


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