続・朝ドライフ

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2022年05月28日

「ちむどんどん」出演の宮沢氷魚が語る、沖縄との縁と“朝ドラ”で感じた変化

「ちむどんどん」出演の宮沢氷魚が語る、沖縄との縁と“朝ドラ”で感じた変化


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4月より放送中の連続テレビ小説『ちむどんどん』(NHK総合ほか)。沖縄・やんばる地域で生まれ育ったヒロイン・暢子が、ふるさとの沖縄の食に夢を託し成長する様を描く。

cinemasPLUSでは、父の仕事の都合で数ヵ月間期沖縄に住み、その後新聞記者となって黒島結菜演じる暢子と再会する青柳和彦役の宮沢氷魚にインタビュー。役作りや現場の空気、ご自身が感じている沖縄との接点などを伺いました。

少年時代を踏まえて作り上げた“和彦像”


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――第8週で宮沢さんが演じる大人の和彦がはじめて登場します。暢子との再会シーンの撮影はいかがでしたか。


宮沢氷魚(以下 宮沢):再会シーンは僕のクランクインから2,3日目に撮りました。沖縄時代、暢子と和彦を演じたのは子役の稲垣来泉さんと田中泰生さんで、黒島結菜さんと僕ははじめて一緒に芝居したわけですが、黒島さんや現場の雰囲気がとてもあたたかくて、明るく楽しく気持ち良い再会シーンが撮れた気がします。おかげでそのあとの撮影にも、いい流れができました。

――黒島さんの印象を教えてください。

宮沢:お会いしたのは今回がはじめてでしたが、昔から黒島さんの出演作品は見させていただいていました。その印象のとおり、年下ながら、たたずまいが堂々としていて座長にふさわしい気がします。作品への思いもとても強く、集中力やみんなをまとめる力がすごくあって、ヒロインが黒島さんでよかったです。


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――和彦の性格をどう捉えて演じていますか。

宮沢:優しくて穏やかで、人としてすごく愛される人間だと思います。一見しっかりして見えて不器用なところやドジっぽいところもある、そのギャップを演じることは楽しいです。映像で少年時代の和彦を拝見すると、若いのにすべてをわかっているかのようなちょっと屈折した感じを受けましたので、そういう面も取り入れつつ、留学経験を通して人間として変化し大人になった和彦を演じたいと考えています。 

宮沢氷魚と沖縄の縁


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――ご自身が出る前の「ちむどんどん」を観てどう感じていましたか。


宮沢:いま現在、撮影済みの映像を見るかぎり、すごく明るく笑顔になれる作品と思っています。沖縄ロケがメインだった最初の数週間では沖縄の景色が美しく、朝から気持ちが晴れやかになっていく。その一方で、1970年代の主人公の家庭生活が楽ではない状況も描いていて、単なる観光地的な視点とは違うものを感じました。

――宮沢さんが演じる和彦が活動する場は新聞社のある東京や住まいのある鶴見となりますが、前半と雰囲気が変わりそうですか。

宮沢:舞台が沖縄から関東に移っても、和彦には新聞社の学芸部でカルチャーを取材する傍ら、沖縄の歴史や文化調査をライフワークにしたいという夢があるので、これからも沖縄とは繋がっていきますし、暢子の家族が沖縄に残っているので、その描写もしっかり出てきますよ。


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――宮沢さんも沖縄ロケに行く予定はありますか。

宮沢:あります。沖縄ロケは楽しみです。最近、別の仕事で沖縄に行く機会があって、この1,2年、沖縄との縁をすごく感じています。沖縄の地理にも詳しくなって、最近はナビがなくてもなんとなく動けるようになりました。 

――宮沢さんの沖縄の思い出を教えてください。

宮沢:3,4歳くらいのとき沖縄にはじめて行ってからこれまでトータルで14,5回は行っていると思います。子どものときは海で遊ぶことが楽しかったけれど、大人になってからはいろいろな記念館などを巡って歴史を勉強するようになりました。ひめゆり平和祈念資料館にも行きました。


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――鶴見ロケはありますか。

宮沢:鶴見のロケはなくてセットになりますが、美術スタッフが細部までこだわって作ってくださっていてセットながらその街にいるような気がしています。僕は鶴見の街の写真を見たり地元の方の話を聞いたりしています。興味深かったのは、いまの鶴見には昔の沖縄が残っているというお話です。鶴見に移住して沖縄県人会を作っているかたのご意見としては、ここに当時の沖縄がそのまま残っていると感じるそうです。現地の沖縄は観光客が訪れてどんどん進化して、残るものもあれば新しく生まれたものがあるなかで、鶴見のほうが昔の沖縄の名残があるというご意見を聞き、なるほどそうなんだという驚きと興味を感じました。




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――和彦はなぜ鶴見に住んでいるのでしょうか。

宮沢:潜入取材とでもいうのでしょうか。沖縄の文化をはじめ、そこで暮らす人々の郷土への思いを知りたいという理由で、沖縄の人たちが多く住んでいる鶴見に住みます。県人会の会長・三郎さんに「沖縄のこと知りたくてここに住んでいるんだろう」と気づかれるエピソードもあって、土地を知るためには自らそこに住んで住人と一緒に生活することが一番だからでしょうね。和彦がほんとうに見たいのは沖縄の人たちの日常であって、そのためには、今から取材しますというようなかしこまったやり方ではなく、一緒に時間を共有する方向を和彦は選んだと思います。

「エール」出演で感じた“朝ドラ”の影響力とは?


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――ジャーナリスト役の宮沢さんが現場で発見したトピックス的な出来事があれば教えてください。

宮沢:竜星涼くんは甘いものが好きです。パンケーキが好きみたいで、現場で2度ほど竜星くんがパンケーキを取り寄せてみんなに振る舞ってくれました。黒島さんは三線を練習しています。演奏シーンはおそらくないと思うのですが、スタジオの前室(撮影スタジオの前にある待機場所のこと)に彼女専用の三線が置いてあって、空き時間に練習しているんですよ。すごく上手で、前室で黒島さんの三線の音色が流れながら本番を迎えるという、すばらしい環境にあります。


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――宮沢さんも三線の練習をしているとか。

宮沢:もともと少し弾けますが、今回、少しでも沖縄の文化を取り入れたいと思ってマイ三線で練習しています。

――「エール」(20年度前期)に続いて2度目の“朝ドラ”出演。朝ドラ効果のようなものを感じますか。

宮沢:ありますねえ。それまでは“宮沢氷魚”として認識されていた僕が「エール」をやってからは役名の「アキラくん」と呼ばれることが増えまして。そこで改めて朝ドラの影響力を認識しました。たくさんの人たちが毎朝楽しみに朝ドラを見ていて、なかには家族のように見守ってくれる視聴者のかたもいるんですね。とくに「エール」では僕は主人公・裕一(窪田正孝)と音(二階堂ふみ)の娘・花ちゃん(古川琴音)と結婚する役だったから、まるでご自分の孫や子供と結婚する人物のように、どんな人物なのか? と前のめりに興味をもってくださっていたことを感じました。


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――「ちむどんどん」では今後、暢子との関係はどうなっていくのでしょうか。

宮沢:和彦に限らず、登場人物たちの心の変化がこれから丁寧に描かれていきますので、みんなの進む道を見届けてください。僕自身、和彦と共にどう成長できるか楽しみなんです。「エール」ではわずか2週間の出番でしたが、「ちむどんどん」では長い期間関わります。全編通して役を作っていく喜びや難しさを感じながら取り組んでいるところです。


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(ヘアメイク=石川ユウキ/スタイリング=庄将司/撮影=大塚秀美/取材・文=木俣冬)

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