続・朝ドライフ

SPECIAL

2024年04月08日

「虎に翼」寅子、女子部法科に入学し男装の女子に出会う<第6回>

「虎に翼」寅子、女子部法科に入学し男装の女子に出会う<第6回>


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2024年4月1日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「虎に翼」。

日本史上で初めて法曹の世界に飛び込んだ女性をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。困難な時代に生まれながらも仲間たちと切磋琢磨し、日本初の女性弁護士となる“とらこ”こと猪爪寅子を伊藤沙莉が演じる。

ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。今回は、第6回を紐解いていく。

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出た魔女部

「得意げになっているのが丸わかり」の表情がうまい伊藤沙莉。

第2週「女三人寄ればかしましい?」(演出:梛川善郎)のはじまり、寅子(伊藤)が昭和7年春、明律大学女子部法科に入学した華々しい日からはじまりました。

今週のサブタイトルも第1週に続いて女性を小馬鹿にしたことわざです。毎週、そうなんでしょうか。

「地獄へ行ってまいります」と寅子は決意して御茶ノ水へ向かいます。
女性が男性と肩を並べようと思ったら地獄のようなことになると覚悟しているのですが、口笛を吹いて、割と気楽な感じです。まだ母・はるの言う「地獄」の意味がたぶん、わかっていないのだと思います。

口笛と劇伴が、結婚式で寅子が歌った「モン・パパ」です。男性が女性に顔負けのこの歌がドラマのテーマの一端を担っているのかもしれません。

入学式は、知性と教養のある女性ばかりが60人も集まって、希望に満ちていました。
年齢も出身地も違う人達が集まっています。男爵令嬢もいました。

「(入学生は)婦人の社会進出という明るい未来そのものだ」と学長は挨拶し、新聞記者竹中(高橋努)の取材に穂高(小林薫)も「ご婦人方が権利を得て新しい世界を切り開くために ぜひ法律を味方につけてほしいね」と言います。
この撮影のとき、寅子はうまく答え、得意げに写真に写ります。

ここまでは地獄感はあまりありません。
なんとなく「地獄」の語感がアドベンチャーゲーム感覚のように思えます。

寅子が校舎で教室を探して迷子になっていると、水の江瀧子のような男装の麗人・よね(土居志央梨)が前を歩いていました。

水の江瀧子とは、梅丸少女歌劇団のモデル、松竹少女歌劇団に所属した男役のスターです。愛称はターキー。男装の麗人として憧れの的でした。
「ブギウギ」の梅丸で行われた桃色争議を実際、やった人物でもあります。

つんけんしているよねを追って、女子部の校舎につき、先輩がたに校内を案内してもらいます。先輩たちは法服を着用していて、これから余興で法廷劇をやってくれると言いますが、一期生は7人しかいなかった。最初は80人もいたのに、辞めてしまった。いったいなにがあったのか。

そこへ男子学生が「魔女部」と囃し立てます。
これが「地獄」だとしたら「幼稚」だと寅子が思ったところ、いよいよ「わりと地獄」の状況が登場します。

婚約者にこれ以上法学を学ぶならと婚約解消された人物が泣いていました。
「わりと地獄」な空気を変えようと陽気に振る舞うと「うっとおしい」とさっきのよねが遮ります。こっちのほうがもっと地獄。

「うまく立ち回っているつもりか」
「おまえみたいなのがいるから女はいつまでもなめられるんだよ」
と詰め寄られ、尻もちをついてしまう寅子。でも負けずに反論します。さすが。

序盤、学友同士でギスギスが起こるのは「ブギウギ」と同じですが、寅子は勉強しているので、この状況を理屈で捉え言語化しようとします。

家に戻って花江(森田望智)優三(仲野太賀)相手に、ぶつくさ。
法律とはなにかという寅子の問いに、司法試験にまた落ち浪人生活2年目となった優三は「自分なりの解釈を得ていくものと言いますか……」と曖昧に答えます。
さらっと済まされましたが、ここ、とても重要な気がします。


(文:木俣冬)

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