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2022年06月10日

『義足のボクサー GENSAN PUNCH』ほか、“痛み”が沁みる格闘系“胸熱”映画3選

『義足のボクサー GENSAN PUNCH』ほか、“痛み”が沁みる格闘系“胸熱”映画3選


『キナタイ -マニラ・アンダーグラウンド-』(09)で第62回カンヌ国際映画祭監督賞を受賞、『ローサは密告された』(16) など、不条理な社会でもがきながら懸命に生きる人々を撮り続けてきたフィリピンの名匠ブリランテ・メンドーサ。

社会派監督の最新作『義足のボクサー GENSAN PUNCH』は、プロボクシングライセンスが取得できない日本からフィリピンへと渡り、プロボクサーを目指した“義足のボクサー”を描く感動作だ。 

2022年、初夏。『義足のボクサー GENSAN PUNCH』と合わせて観たい、“痛み”が沁みる格闘系ヒューマンドラマの傑作を紹介する。

絶体絶命の窮地から這い上がる『レスラー』(2008)


(C)2008 Wild Bunch

1980年代に人気を博したレスラー、ランディ。かつての栄光に縛られ、現在はスーパーマーケットのアルバイトをしながら辛うじてレスラーを続け、想いを寄せるキャシディに会うためにストリップクラブを訪ねる孤独な日々を送っている。しかし、ある日、心臓発作で倒れて、再びリングに上がれば命はないと宣告される。家族や想い人との関係もこじれ、孤独に苛まれる中、彼はある重大な決意をすることになる……。不器用で純粋な男の生きざまが胸に突き刺さると今も尚語り継がれている傑作。

「それでも戦う」……プロボクサーの経験もある主演のミッキー・ロークは、第66回ゴールデングローブ賞主演男優賞、第62回英国アカデミー賞 主演男優賞を受賞し、“奇跡の復活”を遂げた感動のヒューマンドラマだ。

世界でも高評価『百円の恋』(2014)

(C)2014 東映ビデオ

実家にひきこもり、怠惰な無職生活を脱し、実家を出て100円ショップで働き始めた一子。そんな中、ボクサーの男に恋をした彼女は、やがて自分もボクシングを始めることになる。日々練習に打ち込むうち、プロテストを受けることを決意する。32歳、年齢制限ギリギリの挑戦に挑み、ボクシングを通して変化していく一子の姿が心を揺さぶる。

第39回日本アカデミー賞「最優秀脚本賞」受賞を始め、安藤サクラが最優秀主演女優賞を獲得、米アカデミー賞の外国語映画賞日本代表作でもある。

『義足のボクサー GENSAN PUNCH』(2022年6月10日より全国公開)


©2022「義足のボクサー GENSAN PUNCH」製作委員会

義足でありながらもプロボクサーとしてリングに立つ夢に向かって、沖縄からフィリピンへと渡ったひとりの青年がいた。主演&製作をつとめた尚玄が、友人である土山直純の実体験を基に映画化したヒューマンドラマ。監督のブリランテ・メンドーサは、俳優に台本を渡さず、常に3台のカメラを回して撮影、痛みが伴うリアルな描写で青年の葛藤を描き出す。どんなことがあっても夢を諦めない。どんなに倒されても立ち上がる。尚玄の渾身の演技が胸を熱くする。

2021年東京国際映画祭ガラ・セレクション部門正式出品作品、2021年釜山国際映画祭アジア映画の窓部門キム・ジソク賞受賞作。

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