神尾楓珠の魅力:圧倒的な「シンクロ率」と「青さ」
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ドラマ「ナンバMG5」「17才の帝国」「先生のおとりよせ」、映画『20歳のソウル』『恋は光』と、ここしばらくで放送・公開作品が続いている神尾楓珠。
出演作をいくつか挙げながら、彼の魅力をお伝えしたい。
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ドラマ「ナンバMG5」主人公を支えるイケメンヤンキー
(C)フジテレビ
不良一家に生まれたが普通の高校生活を送りたい主人公・剛(間宮祥太朗)が、家族に内緒で普通の高校に入り、特攻服で出かけた途中で学ランに着替える……という二重生活を送るというストーリー。
神尾は伍代直樹を演じている。剛が通う白百合高校の隣にあり、剛が家族に通っていると偽っている不良校・市松高校の1年生である。
この役は神尾楓珠のかっこよさを最大限に活かして限界突破させたような役だなと思う。顔もいいしおしゃれだしケンカも強い、一見クールな一匹狼だが、実は情に厚く友達想いで長いものには巻かれず、自分の考えを持って行動する……いい役すぎる。茶髪でちょっと外ハネしている髪型もよい。
そしてかっこよさだけではなく、かわいさや一言で言い表せない魅力も爆発している。作中では誰よりも早く剛の秘密に気づくが、それをバラすでもなく黙っているのだ。そのせいで自分が危険にさらされても決して口を割らなかった。
剛とは親友になり、誰よりも剛を理解してフォローし、たびたび心配している心強い存在だ。そのあまりの支えっぷり・剛が伍代に頼る様子に視聴者の間で「真のヒロインは伍代では?」「むしろヒロイン通り越して嫁では?」という声まで上がり、ヒロインに関しては出演者にも認識されるほど話題になっている。
最終回を迎えるのは寂しいが、伍代は今後も彼の役の中で「好きな役」として愛され続けていく役だろうなと思う。
ドラマ「17才の帝国」AIで選出された17才の首相
(C)NHK
202X年、日本は斜陽国の烙印を押され、G7からも外されてしまった……という危機的状況で始まるこの作品。この状況を打破するため、首相が立ち上げたのは「Utopi-AI」、通称UA(ウーア)構想は、全国からリーダーをAIで選抜するというもの。このシステムで選抜された首相が神尾演じる17歳の真木亜蘭(まきあらん)だった。
本作は「けいおん!」「ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン」など、アニメ作品を多く手掛ける吉田玲子の作品で、近未来SFというか、2次元感が強い設定だ。SFアニメ好きとしては厨二心をくすぐられてワクワクしてしまうが、人によっては若干のコスプレ感を抱く作品でもあるかもしれない。
そんな設定の中、神尾楓珠の亜蘭はシンクロ率が高いためまったく違和感がなかった。むしろこんな厨二感がめちゃくちゃ似合って最高であり、作品の持つ二次元感をより高めてくれる役割を果たしていたと思う。10代ならではの、無欲でまっすぐな感じをよく表現していた。
他にない雰囲気が魅力的な作品だったので、5話と言わず10話くらいのボリューム感で観たかった。
映画『恋は光』“恋の定義”に挑む、真面目で堅物な大学生
(C)秋★枝/集英社・2022 映画「恋は光」製作委員会
「恋をしている女性が光って見える」という特殊な体質を持った主人公・西条(神尾)と、彼を取り巻く女性たち、北代(西野七瀬)・東雲(平祐奈)・宿木南(馬場ふみか)による恋の物語。
ある日恋の定義を知りたいという女性・東雲に一目惚れし、一緒に恋の定義を考えませんかと交換日記を始めるところから物語が始まる。
(C)秋★枝/集英社・2022 映画「恋は光」製作委員会
西条はかなり独特な人物で、俗っぽさの真逆というか「堅物」という言葉が似合う大学生だ。友だちは少なく国語の先生を目指しており校正校閲のアルバイトをしている。話し方も独特で、幼なじみの北代にはいつも「北代よ……」と話しかけ、時折眼鏡をクイッと上げる姿も印象的だ。
普段の神尾楓珠をパッと見たときの印象には「今風のイケメン」というものがあると思うが、ビジュアルから変わり者感が出ていて変貌っぷりというか、ハマりっぷりがすごいなと思う。
(C)秋★枝/集英社・2022 映画「恋は光」製作委員会
風変わりな西条が繰り出す、タイプの違う3人の女性それぞれとの会話劇は面白くて笑ってしまう場面も多いのだが、恋の素晴らしさや青春の痛みなどもあり、切なさや愛おしさにもらい泣きしてしまうような場面もある。
期待を超えてくる、何度も観たくなるような魅力がある作品だった。最後に西条が取る行動、言ったセリフにも注目してほしい。
映画『彼女が好きなものは」「普通」と自分の差に悩む高校生
(C)2021「彼女が好きなものは」製作委員会
自分がゲイであることを周囲に隠して生きている高校生・安藤純(神尾)。妻子あるマコト(今井翼)と付き合っているが、ある日クラスメイトの三浦紗枝(山田杏奈)がBL漫画を買っているところに遭遇し、口止めされたのをきっかけに仲良くなる。そのうちに紗枝は純のことを好きになり告白、純もある理由から彼女と付き合うことにするが……というストーリー。
純はゲイである自分と「普通になりたい」という気持ちの間で葛藤し、悩み続けている役どころ。感情の揺れが非常に多く、その揺れが観る側にも伝わってきて苦しくなる場面も多かった。
純の、ずっと濡れているような目が印象的だ。紗枝だけでなく友人である亮平(前田旺志郎)や小野(三浦りょう太)、マコト、母親のみづき(山口紗弥加)、ネットで出会ったゲイの友人・ファーレンハイト……さまざまな人とのやり取りが心に残る作品である。
純と紗枝や、まわりの人たちがどんな決断をしてどんな関係性になるのかぜひ見届けてほしい。心から観てよかったと思える作品だ。
CM:ボートレース
主人公的な立ち位置で出演しているボートレースのCMも、短い時間ながらドラマを感じさせる映像で印象に残る。神尾の持つ「青春ものの主人公感」がかなりハマっていて、ボートレーサーになりたいとう決意から夢を諦めた仲間を見送る悔しさ、レース前の意気込みなど、いろんな感情が伝わってきてこれからも続いてほしいシリーズだ。
神尾楓珠の魅力は「世界観に溶け込む力」と「青さ」
振り返って、彼には2つ大きな魅力があると感じた。
まずひとつめは、作品の世界観への溶け込みがすごいということ。
観る側からすると、演じ分けているというよりは、その世界にその人物として最初から存在していた人のように感じる。ヤンキーでも陰キャでも「本来こっちのイメージだけど今回は挑戦したんだな」というような印象はなく、どの役も「はじめからこの世界にいる人のように違和感がない」と思う。漫画や小説原作の作品がハマるのも、これがあるからだと思う。
ふたつめは、青春特有の「青さ」が似合う人であり、その心の揺れ動きを表現し、こちらの気持ちに訴えかけてくる力が強い人であるということ。現在23歳だが、高校生役に違和感がないどころかハマりすぎている。
さらにビジュアルや役柄がハマっているだけではなく、彼の演技を通して青春時代の切なさや大切な感情をあらためて体験でき、胸の奥が温かくなったり熱くなったりする、そんな体験を度々させてくれる俳優だ。
永遠の17歳じゃないけれど、これからもできる限り学生役をやり続けてほしいし、その先もこのいい感じの「青さ」を持ち続けていてほしいなと思う。
(文:ぐみ)
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