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2022年07月06日

「ユニコーンに乗って」第1話:年齢も価値観もバラバラ。等身大の26歳がトップに立つ“大人の青春ドラマ”に期待

「ユニコーンに乗って」第1話:年齢も価値観もバラバラ。等身大の26歳がトップに立つ“大人の青春ドラマ”に期待


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永野芽郁主演のTBSテレビ火曜ドラマ「ユニコーンに乗って」が、2022年7月5日放送スタートした。

大北はるかが脚本を手掛けた完全オリジナルストーリーの本作は、スタートアップ企業の女性CEOが突然部下としておじさんサラリーマンが転職してきた中、仕事や恋に奮闘していく“大人の青春”ドラマ。若きCEO・成川佐奈をTBSドラマ初主演となる永野芽郁、佐奈の部下となる小鳥智志を西島秀俊が演じる。

本記事では、第1話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

「ユニコーンに乗って」第1話レビュー



永野芽郁が主演を務めるTBS火曜ドラマ「ユニコーンに乗って」がスタート。本作は教育系スタートアップ企業の若き女性CEO・佐奈(永野芽郁)と、部下として転職してきたおじさんサラリーマン・小鳥(西島秀俊)をはじめとした仲間たちによる“大人の青春ドラマ”だ。

物語は高卒の佐奈がもぐりで大学の授業に参加、警備員に見つかり全力で逃げる爽やかな幕開けとなった。なぜ、佐奈はそのようなことをしていたのか。それは貧しい家庭に育ち、満足な教育環境に身を置けなかった経験から、教育格差をITの力で解決する会社の設立を夢見ていたからだ。



その夢を見事に叶え、佐奈は忍び込んだ大学で出会った須崎(杉野遥亮)、栗木(前原滉)と共に教育系スタートアップ企業「ドリームポニー」を立ち上げた。まさに、“雑草魂”。だけど、佐奈は話を聞いて、まず脳裏に浮かべる女性起業家のイメージとは異なっているのが面白いところ。

どこか自分に自信がなく、側から見てもちょっと頼りない。売上・技術ともに行き詰まり、会社の存続が危ぶまれても仲間に相談することができず、一人で問題を抱え込む佐奈。かと言って、現状を打破する解決策は見つからないし、自身が憧れる有名な女性起業家・羽田早智(広末涼子)の足元にも及ばない。



しかし、そんな彼女だからこそ、応援せずにはいられない輝きを放っている。肩書きはCEOとはいえ、中身は等身大の26歳。四六時中「仕事」のことで悩み苦しみ、でも時には「恋愛」の二文字が頭をよぎり、これからの人生について思いを馳せたりする。私たちと何も変わらない一人の女性がそこにいて、何だかほっとするような気持ちにもさせられるのだ。



そんな佐奈は「ドリームポニー」採用面接で、中年サラリーマンの小鳥(西島秀俊)に出会う。骨太な刑事役を演じることが多い西島秀俊だが、今回演じる小鳥はこの作品における癒し系キャラだ。「おかえりモネ」(NHK総合)の朝岡さんみたく、豊富な人生経験をもとにヒロインの悩みにそっと寄り添う役割を担っている。

部下をかばって26年間勤めていた地方銀行を退職し、佐奈の理念に共感して面接を受けにきた小鳥。プログラミング経験はなく、ITリテラシーは0に近い。即戦力にならない小鳥はもちろん不採用となるが、後日偶然出会った佐奈に彼は事業成長のヒントを与えてくれた。



それは「昔抱いた夢を今も変わらず持ち続けている」ことが佐奈の最大の強みであること、そして、人はいくつになっても“学びたい”という気持ちを持っていることだ。

小鳥の言葉に奮い立たされた佐奈は受験生だけではなく、「全ての人が平等に学べる場所を作る」ことを目標に新たなビジネスの構想を練る。早智の言葉通り、まだまだ課題はある。それでも、不安に満ちていた佐奈の表情がパッと明るくなる瞬間が印象的だった。



小鳥や現役大学生の森本(坂東龍汰)が加わり、新たなスタートを切った「ドリームポニー」はユニコーン企業(評価額が10億ドル以上、設立10年以内の非上場のベンチャー企業)になることを目指す。

きっとその上で課題となってくるのは、世代差だけではない。プログラミング能力は高い一方で、コミュニケーションが苦手な森本や、帰国子女の恵実(青山テルマ)がいたりと、価値観も性格もバラバラ。そんな彼らが一つの目標に向かってひた走る姿は、誰もが尊重される社会づくりのヒントを与えてくれるはず。

(文:苫とり子)


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