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「ちむどんどん」第81回:ニーニーのみならず矢作まで。なぜ借金問題ばかり描くのか


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2022年4月11日より放映スタートしたNHK朝ドラ「ちむどんどん」。

沖縄の本土復帰50年に合わせて放映される本作は、復帰前の沖縄を舞台に、沖縄料理に夢をかける主人公と支え合う兄妹たちの絆を描くストーリー。「やんばる地域」で生まれ育ち、ふるさとの「食」に自分らしい生き方を見出していくヒロイン・比嘉暢子を黒島結菜が演じる。

本記事では、その第81回をライター・木俣冬が紐解いていく。

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矢作が荒みきっている

重子(鈴木保奈美)暢子(黒島結菜)の御三味をおいしいと食べて、結婚許可するかと思ったら、第17週「あのとき食べたラフテーの」(演出:松園武大、寺崎英貴/さきは立さき)のはじまり、まだまだ許可されません。さらにそこに輪をかけて、フォンターナでトラブルが起こります。

いろんなことが目白押しなのはドラマとしては活気づいていいですね。

トラブルを持ち込んできたのは、急に辞めてしまった矢作(井之脇海)で……。

井之脇さんは先週、他局の「石子と羽男」で、ファスト映画を悪びれず配信している青年を演じていました。「ちむどんどん」では明らかに悪い行いをします。

ギャング映画のような派手なスーツにサングラスの矢作。独立したのはいいけれど、うまくいっていないようです。絵に描いたような荒んだ雰囲気です。

そうこうしているうちに、夜になると、やっぱり派手なスーツを着て凄みのある男たちがオーナー房子(原田美枝子)を訊ねてきて、矢作が借金のかたに、とんでもないことをしていたことが判明しました。

なんだかしゃれにならない話なのです。

借金エピソードは賢秀(竜星涼)でお腹いっぱいなのですが、また借金問題……と驚いてしまいました。これを「半沢直樹」シンドロームと呼びたい。

「半沢直樹」は銀行を舞台に、お金問題を痛快に描いた企業ドラマですが、これは勧善懲悪だったから支持されたわけで、「ちむどんどん」のように曖昧だと効果的ではないと感じます。

ただ、ここにひとつだけ、何かを感じるとすれば、実際の社会でも、お金の問題が曖昧に済まされることが多々ありますから、そういうことへのささやかな皮肉ではないかということです。

ありえない「ちむどんどん」の世界が実際にありえている。じつはディストピアを描いたドラマなのかもしれないと考えると、ちむどんどんしますね。

何かと不透明な世界で、幸せを求めて、結婚しようとする暢子。でも相手の和彦(宮沢氷魚)
母・重子に反対されています。

重子は和彦の勤務する新聞社にやって来て、編集部内で声高に結婚反対の話をはじめます。
田良島(山中崇)は名探偵ふうに、重子の言動の意図を読み解きます。推理を話すときがやけにいい声。

ここで感心したのは、重子が新聞社に優雅に乗り込んで来たときから、これまでになく、新聞社社員のエキストラが有機的に動いていたことには、重子の意図と関連があったことです。

重子は、この場にいる人達に、自分の存在を知らしめる必要があったのです。そのため、いつもはいてもほとんど無関心だし、たいていほとんどいない編集部にひとがたくさんいて、やたらと利き耳を立てています。

物語に必要なときしかエキストラを出さない、動かさない。なんて合理的なんでしょうか。

しかも、この編集部のみんなが、かつてバイトに来ていた暢子のことを知っているから、何かと噂話が広まるという話になっています。ここの人たち、じつはみんなフォンターナの常連?

権田(利重剛)いわく「誰もが憧れる名店」フォンターナが気軽な社食と化している感じなところは前から気になっていましたが、文化人の集まるサロン的なものなのだと考えることも不可能ではありません。

ところで、編集部の人たちが全員、暢子を応援しているのだろうか。なかには愛(飯豊まりえ)を応援している人もいるのではないか。まあ、そういう人たちを焚き付けて、問題にするという作戦も考えられなくはないですね。


(文:木俣冬)

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