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2022年09月01日

「純愛ディソナンス」第8話:唯一の良心・慎太郎の闇落ちが悲しすぎる。晴翔の加賀美息子説も濃厚に

「純愛ディソナンス」第8話:唯一の良心・慎太郎の闇落ちが悲しすぎる。晴翔の加賀美息子説も濃厚に


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中島裕翔(Hey! Say! JUMP)が主演を務めるドラマ「純愛ディソナンス」(フジテレビ)が2022年7月14日スタート。

新任音楽教師と生徒の“純愛”を軸とする本作。高校を舞台にした第1部と大人の人間模様を描く第2部で構成され、タブーと隣合わせにある恋が次第に周囲を巻き込み“ディソナンス”(=不協和音)となっていく様を描く。

本記事では、第8話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

「純愛ディソナンス」第8話レビュー

もう嘘はつかない。自分の気持ちに素直になることを決めた冴(吉川愛)と正樹(中島裕翔)。しかし、二人の純愛が耳を塞ぎたくなる不協和音を響かせていく。

「少し待っててくれないか。今の自分にケリをつけて必ず迎えに行くから」

正樹は冴にそう約束する。相手が自分の気持ちにケリをつけるまで待つ……その立場に置かれていたのは前話まで、冴ではなく慎太郎(髙橋優斗)だった。

何年も冴を思い続けて、ようやく報われた矢先に違う人が好きだと告げられる。慎太郎の気持ちを思うだけで胸が張り裂けそうに痛い。

かたや、頭を強く打って病院に運ばれた愛菜美(比嘉愛未)の元に駆けつけた正樹は、路加(佐藤隆太)から「散々愛菜美を利用した挙句に突き放す」と非難される。

しかし、覚悟を決めた正樹はもう揺らがない。救ってもらったことに感謝しつつも、愛菜美に別れを告げる。意外だったのは、愛菜美が自分からも、父・賢治(光石研)の会社からも正樹を解放したことだ。

でも、これで冴と正樹は傷つけられる側から傷つける側に回ってしまったことになる。本作が凄いのは、これまで不憫に思えていた二人が今話で一気に身勝手な人間に見えてしまうことだ。見方を変えれば、立場が変われば、向けられる眼差しは180度違ってくる。

冴と正樹が幸せを享受すればするほど、周りが不幸になっていくのが恐ろしい。愛菜美は愛する正樹を失い、自分にたった一つ残った小説さえも書けなくなって、精神を病んでいく。

温かい愛で冴を包んできた慎太郎さえも、正樹との仲を引き裂くために陳腐な行動に出てしまう。そんな慎太郎をそばで見てきた莉子(畑芽育)は冴への不信感を募らせていき、彼らが暮らすシェアハウスは崩壊の一途を辿っていくのだった。

たしかに冴の行動は、慎太郎への配慮が欠けていた。だが、もう崖っぷちギリギリのところにいた慎太郎をそこまで突き落としたのは、また違う人物のような気がする。

というのも、ここにきて急に晴翔(藤原大裕)が不穏な動きを見せているからだ。晴翔の言葉は完全に慎太郎を煽っているように思えたし、何やら彼の家庭環境にも秘密がありそう。

達観した恋愛観、父親と縁を切っているという事実……やはり由希乃(筧美和子)を殺害した加賀美(眞島秀和)の息子なのではないだろうか。

加賀美が由希乃と不倫していたことを突き止めたのは冴で、加賀美を追い詰めたのは正樹。その事実を晴翔が知っていたのだとすれば、二人に恨みを持っていてもおかしくはない。周りを焚きつける発言も納得がいく。「君も他人事じゃないだろ」という加賀美の台詞は、壮大な伏線だったのかもしれない。

愛は、純粋すぎると毒になるーー。そのキャッチコピー通り、本作は冴と正樹の純愛を純愛のまま終わらせてくれない。

(文:苫とり子)


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