「六本木クラス」10話:龍二(鈴鹿央士)のまさかの行動&りく(さとうほなみ)の覚悟に涙
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竹内涼真主演、テレビ朝日系列木曜ドラマ「六本木クラス」が2022年7月7日より放送スタート。
Netflixで配信されるや否や、日本でも大人気となった韓国ドラマ「梨泰院クラス」のジャパンリメイクとなる本作。主人公・宮部新を竹内涼真、初恋の相手・楠木優香を新木優子、新が経営する居酒屋のスタッフ・麻宮葵を平手友梨奈が演じる。
本記事では、第10話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
「六本木クラス」第10話レビュー
投資を受けられることが決まり、二代目みやべのフランチャイズ化に向けて着々と準備が進んでいた。にもかかわらず、またもや長屋会長(香川照之)の策略により行手を阻まれる新(竹内涼真)たち……。もはや、このパターンが定型化しつつある。亡き父の復讐のため、どんな苦境も信念ひとつで乗り越えてきた新。今は葵(平手友梨奈)をはじめとする二代目みやべの仲間たちも支えてくれているが、普通だったらとっくに心が折れていてもおかしくない。
投資家である田辺(倍賞美津子)からのありがたい申し出にも「あの人(長屋会長)の知り合いの方に力を借りるというのは、ちょっと……」と断りを入れてしまう新。原作どおりの展開ではあるのだが、さすがにオイオイ! とツッコミを入れずにはいられなかった。
案の定、田辺からも「仲間がこんなに苦労してるっていうのにプライドばっかり高くて。自分さえ良ければいいのかい?」と叱咤されてしまう。
その後、葵とのやりとりを経て考えを柔軟に変えた新は、改めて田辺に投資を依頼する。ここに新自身の成長を感じた。
強い信念があるぶん、自分の考えをそう簡単には曲げない頑固さをも併せ持っている新。長所にも短所にもなり得る要素だ。実際、この頑なさが仲間の首を絞める現状につながっている。
改めて現実を見直したとき、もっとも優先すべき事項を見出すことができた新。何がなんでも復讐を遂げ、自分の目的を達成することよりも、協力してくれる仲間の気持ちを俯瞰して見ることができるようになった。周りにいる仲間が、そうさせた面もあるのかもしれない。
田辺が提示した条件は「料理番組で優勝すること」。それには、二代目みやべの料理長である綾瀬りく(さとうほなみ)の手腕が重要になってくるが……。
ここで、まさかの事態が起こる。
なんと、りくがトランスジェンダーであることがリークされる。両親にも事実を伝えていないりくにとって、これは紛れもない第三者によるアウティングだ。「三ツ星スタジアム」で長屋を優勝に導こうと、龍二(鈴鹿央士)が計画したことだったのである。
筆者も含め、世の鈴鹿央士ファンはさまざまな意味で心揺らされたのではないだろうか。あんなに純真に葵のことを思っていた龍二が、いや、彼女のことを思うからこその暴挙に出たのだ。
しかし、りくはそんなことでは潰れない。誰よりも勇敢で、ダイヤの原石のようにしなやかな人だ。周囲に支えられながら覚悟を決め、カメラの前でトランスジェンダーであることを自身の声で告白し「優勝します!」と宣言した姿は、凛とした美しさに満ちていた。
裏切り、非道な仕打ち、そして立ち向かう信念の強さーー最後に打ち勝つのは、後者であってほしい。
(文:北村有)
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