続・朝ドライフ

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2022年11月04日

「舞いあがれ!」第25回:主人公もお父さんも順調。ただひとり兄が暗がりで

「舞いあがれ!」第25回:主人公もお父さんも順調。ただひとり兄が暗がりで



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2022年10月3日より放映スタートしたNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」。

本作は、主人公が東大阪と自然豊かな長崎・五島列島でさまざまな人との絆を育みながら、空を飛ぶ夢に向かっていく挫折と再生のストーリー。ものづくりの町・東大阪で生まれ育ち、 空への憧れをふくらませていくヒロイン・岩倉舞を福原遥が演じる。

本記事では、第25回をライター・木俣冬が紐解いていく。

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会社は株式会社に 舞はテスト飛行に

小さなネジの、大きな夢。

舞(福原遥)の父・浩太(高橋克典)の会社のCIです。コツコツ長年、努力して株式会社になりました。

お父さんが子供に負担をかけず、へんな個性をふりまかず、実直に働き、ニコニコと
笑顔で、社員や仲間や妻に信頼されている姿っていいですね。

朝ドラではお父さんが頼りないことが多い時代はもう終わりにして、これからは父の復権、規範を見せるようにしてほしい。そんな気分になりました。

舞が黙々とロードバイクを走らせ続ける画がちょいちょい挟まれます。長い道を黙々と走る、一見楽そうで、体力使っている、白鳥が優雅に見えて水面下では足を必死に動かしているというようなものでしょう。それが、単に舞のトレーニングシーンではなく、なにわバードマンの人たちの歩みであり(人力飛行機の“スワン”号のネーミングも白鳥の泳ぎから来ているのかも?)、なんなら浩太と会社の歩みにも見えてきます。なにしろ、浩太の夢は、飛行機の部品を作ること。舞の飛行機に乗る夢と重なっています。

娘の頑張りが、父親に若い頃の夢を取り戻させたのです。

舞はトレーニングに忙しいけれど、自宅で家族の分の料理(サラダ)を作り、腕あげたねと褒められます。さほどの料理ではない気もしますが、味付けがきっと絶妙なのでしょう。味気ないダイエット食ではなく、美味しいダイエット食。それと、ここはサラダづくりの腕前よりも家族で舞のダイエット料理を食べることが重要です。

サークルも家族もいいひとぞろい。作品によっては、こんなに恵まれている主人公なんて……と鼻白むこともありますが、「舞いあがれ!」では不思議にそういう気分にならず、筆者は良かったねえ〜としか思いません。

コロナ禍とかウクライナ戦争とか不景気とか世の中がしんど過ぎるから、庶民がコツコツ夢に向かって幸せを手にする大きな夢をもった人たちの、小さな物語が必要な時代が来ている気がします。

唯一、この穏やかな生活の影といえば、悠人(横山裕)。ひとり東京で薄暗い部屋で株をやっています。いまのところ儲かっているようですが、浮き沈み激しいですからねえ……。株式会社IWAKURAの株はこれから上がるでしょうか。


【朝ドラ辞典 自転車(じてんしゃ)

人物の躍動感を出すために有効な小道具であり、朝ドラでは女性の自立を表現する小道具でもある。「純情きらり」「あさが来た」「カムカムエヴリバディ」などでヒロインが自転車に乗っている。とりわけ「あさが来た」ではヒロインがまだ女性が自転車を乗りこなすことが珍しいとされていた時代に颯爽と乗りこなしていく。
「カムカム」では初代ヒロイン安子が初恋の相手と自転車を練習するシーンが印象的に描かれた。
「舞いあがれ!」ではロードバイクに進化。女性の自立を超えて、人類の進化の象徴のように見える。


【朝ドラ辞典 8時15分(はちじじゅうごふん)】

「舞いあがれ!」第24回はミサイルのニュースによって本放送が休止になり、翌日、第24と第25回が連続で放送された。第25回は8時15分はじまり。2010年「ゲゲゲの女房」で8時はじまりになるまでは8時15分開始だった。8時開始になってから低迷していた朝ドラ人気が復活したと言われている。

関連語:8時
(文:木俣冬)

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