(C)TBS

「君の花になる」第6話:夢を諦めた人へ。ケンジ(宮野真守)が贈るメッセージ

▶︎「君の花になる」画像を全て見る

本田翼主演のドラマ「君の花になる」が2022年10月18日放送スタート。

本作は挫折した元高校教師の主人公・仲町あす花が、7人組ボーイズグループ“8LOOM(ブルーム)”の寮母となり、一緒に“トップアーティストになる”という夢を追いかけていくオリジナルストーリー。主人公を本田翼、個性豊かなイケメン7人組を高橋文哉、宮世琉弥、綱啓永、八村倫太郎、森愁斗、NOA、山下幸輝が演じる。

本記事では、第6話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。

「君の花になる」第6話レビュー


夢は諦めなければ、いつか叶う。

そう信じてきた8LOOMはついに夢を叶えた。デビュー曲が3年越しで大ヒットするという快挙を達成。その日からメディアにも引っ張りだこで、彼らの生活はガラリと変わった。まさに“8LOOM第二章”が始まったのだ。

しかし、冒頭で述べた一文は真実だろうか。どんなに頑張っても叶わない夢はきっとあるはず。だから、どこかで見切りをつけて方向転換するのも間違いじゃないし、何らかの理由で夢を追えなくなることもある。

「君の花になる」第6話は、そんな夢を諦めた人たちにも焦点を当てた回だった。


前回の終わりに、奈緒(志田彩良)が弾(高橋文哉)にハグするところを目撃したあす花(本田翼)。そのことがきっかけとなって、あす花は他のメンバーに対するのとはまた違う、弾への特別な感情に気付き始める。

だけど、今は8LOOMにとって大事な時期。自分と弾の間に何かがあってはまずいと芽生え始めた気持ちにあす花は必死で蓋を閉める。


そんなある日、幸か不幸か、二人が距離を置かざるを得ない出来事が。寮の前にケーキがばら撒かれていたり、石が投げ込まれたりと、悪質な嫌がらせが続く。ひとまず8LOOMのメンバーはホテルに避難。あす花は寮母としての使命を全うするため、寮に留まることを決めた。

せっかくのハッピーな気分が台無しにされ、心穏やかではないメンバーたち。そんな中でみんなを励まそうとするのが、有起哉(綱啓永)だ。


有起哉はグループ最年長であることを感じさせない、いつも明るく親しみやすい8LOOMのムードメイカー的存在。ホテルでも落ち込むメンバーを気遣い、大富豪を一緒にやろうと提案するが、乗り気じゃない栄治(八村倫太郎)との間にいざこざが起こる。

二人が揉めたのはこれが初めてじゃない。有起哉がみんなに相談もせずに、グループを脱退した8人目のメンバー・良介(池田匡志)を、弾と良介の母校で開催予定の凱旋ライブに誘ったことに栄治は猛反発していた。

いつもポジティブな有起哉のことを、短絡的すぎると考えている栄治。有起哉は有起哉で資格の勉強を始めた栄治に、8LOOMがダメになった時の逃げ道を作っているのではないかと不信感を抱いていた。


真っ向から対立する二人。だけど、どちらも8LOOMの“未来”を願っているに過ぎない。

本当は良介がグループを抜ける前から8LOOMを辞めようと考えていた栄治。だから最初は逃げ道のために大学の勉強に励んでいたが、その内、それがグループの知名度を上げる武器になると確信するようになったという。

有起哉は8LOOMが一度解散の危機に追い込まれたからこそ、栄治にもみんなにも今はグループのことだけ考えてほしいと願っていた。人一倍、8LOOMに思い入れがあるのだろう。

メンバーのことが大好きだから、最初こそ良介を脱退に追い込んだと勘違いして弾を許せなかったのだろうし、無断で良介をイベントに呼んだのも、彼のことを元々は同じ夢を追いかけていた仲間だと今も思っているから。


あす花への思いを一旦封印することに決めた弾も含め、眩しすぎる彼らの真っ直ぐな想いと情熱に思わず目を細めてしまう。

キラキラしていていいなぁと純粋に思う一方で、どこか胸がチクリとする人はきっと夢を諦めた経験がある人。もし、あのとき諦めなければ、なにがなんでも夢にしがみついていたら……8LOOMのようなシンデレラストーリーが待っていたかもしれない。

そんな思いを代弁してくれるのが、良介とあす花の存在だ。


寮に嫌がらせをしていた犯人は、良介だった。みんなに会いたい気持ちはあったものの、栄光を手に入れたメンバーと、夢を諦めてフリーターになった自分との差に耐え切れず感情をぶつけてしまった良介。

夢を手放したのは自分なのだから、8LOOMに当たるのは違うと断じてしまうのは簡単だけど、あす花はそんな良介の気持ちに寄り添う。彼女もまた夢を諦めた側の人間であり、凱旋ライブの打ち合わせにきた元同僚の池谷(前田公輝)を眩しく感じていたから。


決定的に倒れる前に、誰かに助けて欲しかった。そんな想いから、8LOOMのメンバーに謝りたい良介の背中を押すあす花。凱旋ライブの会場に駆けつけた良介に、マネージャーのケンジ(宮野真守)がかけた言葉が素敵だ。

「大丈夫。その痛みはだんだん薄くなるから。完全には消えないけどな」

ケンジもアイドルを辞め、マネージャーになったという経緯がある。そんな彼だからこそ、良介を救う言葉をかけられたように、良介もまた夢を諦めた経験を何かに活かせることができますように。そう願わずにはいられない。

でも救われなきゃいけないのは、あす花も同じ。学校を前に過呼吸を起こしてしまった彼女に手を差し伸べるのはやはり弾だ。二人は今、お互いを必要としている。だけど、その抑え切れぬ感情は自分たちの“夢”を壊しかねない。賛否両論を呼ぶ恋愛展開は果たしてどこに着地するのだろうか。

(文:苫とり子)


無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

(C)TBS

RANKING

SPONSORD

PICK UP!