「舞いあがれ!」第48回:柏木の欲望の止まらなさはパイロットとしていかがなものか
本作は、主人公が東大阪と自然豊かな長崎・五島列島でさまざまな人との絆を育みながら、空を飛ぶ夢に向かっていく挫折と再生のストーリー。ものづくりの町・東大阪で生まれ育ち、 空への憧れをふくらませていくヒロイン・岩倉舞を福原遥が演じる。
本記事では、第48回をライター・木俣冬が紐解いていく。
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暗闇でどっきり
フェイルになった水島(佐野弘樹)は去っていきました。彼は来たときも帰るときも大きな楽器ケースを持っていました。じつは知らないうちにクリスマスパーティーのときに演奏を披露したり、柏木(目黒蓮)がいやがるのに部屋で爪弾いたりして、アリとキリギリスのキリギリス的な雰囲気を醸していたのかもしれません。水島がいなくなってひとりになった柏木の部屋に舞(福原遥)が訪ねてきます。吉田(醍醐虎汰朗)のまとめたノートを届けに来たのはおそらく口実で、柏木がしょんぼりしているだろうと慰めに来たようです。
舞もしょんぼりしていたので気持ちを分け合いたかった(水島と3人チームでしたから、ほかの3人とはやはり思いが違うでしょう。でもほかの3人も水島ショックによって協力的になっています)のだとは理解できますが、「俺はおまえのことを」と言われてから舞は柏木に少し違う感情が沸きはじめているような気がします。
柏木の部屋のなかでの身振り口ぶりが妙にあとを引く感じで。そのうえ、「あさイチ」の博多華丸さんも言ってましたが、部屋着で部屋を行き来するのってどうなんでしょう。パジャマのような格好で、緊張感なさすぎですよね。
この番組を見ている親世代の方々は、子供が航空学校に行きたいと言ったら心配で行かせたくなくならないものでしょうか。
舞は柏木の部屋に自分のノートを置き忘れ、柏木はわざわざ届けに行きます。明日も授業で会うのだから、明日でもいいじゃんという気がしますが、そこはもう本能がそうさせるのでしょう。
でももう消灯時間。警備員の気配がして柏木が食堂に隠れると、テーブルの下に舞が……。
舞もまた警備員の巡回から隠れていたということでしょうけれど、なんとなく不自然な感じがします。暗闇ですぐ柏木であることに気づくのも違和感だし……。
無理くりなシチュエーションのなか、テーブルの下で気持ちが近づくふたり。柏木は舞を驚かすことを言います。
早い早い。ソロフライトが無事に終わるまで待つという節度はないのでしょうか。
岩倉と一緒にいると不思議と素直になれるんだ。
素直になって理性が抑えられなくなってしまうようですね。大河内教官(吉川晃司)がこれを知ったら、フライト中に別の感情がもたげてきたとき抑制できない者はパイロット失格と言うのではないでしょうか。都築教官(阿南健治)の都築ポイントは学生のこういうところをチェックするものではないのでしょうか。とはいえ、いつの世でも、若者は大人たちの規制から逃れて自由に羽ばたいていくものなのでしょう。
救命医療で働く久留美(山下美月)も医師・八神蓮太郎(中川大輔)に優しくされて……。
若者の心は舞いあがっていますが、恋には落ちるとはこれいかに。
【朝ドラ辞典 腕をつかむ(うでをつかむ)】男性がヒロインの腕を掴んで何か言うシチュエーションが朝ドラにはよくある。これがスイーツものにおける壁ドン的なキュンポイント。
(文:木俣冬)
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