(C)Marvel Studios 2022

<解説>MCU フェーズ4とは何だったのか!?<『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』配信記念>

(C)Marvel Studios 2022
(C)Marvel Studios 2022

2023年2月1日よりDisney+(ディズニープラス)にて『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』が配信された。

ブラックパンサーを失ったワカンダ王国の新ヒーロー誕生秘話が描かれる本作は、マーベル映画シリーズ第30作として、フェーズ4のラストを飾ることとなった。

今回の記事では、配信ドラマ「ワンダヴィジョン」から始まったフェーズ4について振り返る。

映画7本、TVシリーズ7本、その他、番外編やアニメシリーズ4本。各作品に連なるテーマやキーワードを紐解きながら、来るべきフェーズ5の展開を予想していきたい。

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MCU フェーズ4とは

『アイアンマン』に始まり、『アベンジャーズ/エンドゲーム』で一区切りを迎えた一大映画シリーズ「マーベル・シネマティック・ユニバース」(Marvel Cinematic Universe)。物語は配信ドラマ「ワンダヴィジョン」より、第4章となるフェーズ4をスタートさせた。

2021年初頭から2022年末の2年間にマーベル・スタジオが製作した作品が以下である。


・「ワンダヴィジョン」(2021)★
・「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」(2021)★
・「ロキ」シーズン1(2021)★
・『ブラック・ウィドウ』(2021)
・「ホワット・イフ...?」シーズン1(2021)★
・『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021)
・『エターナルズ』(2021)
・「ホークアイ」(2021)★
・『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)
・「ムーンナイト」(2022)★
・『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022)
・「ミズ・マーベル」(2022)★
・『ソー:ラブ&サンダー』(2022)
・「アイ・アム・グルート」(2022)★
・「シー・ハルク:ザ・アトーニー」(2022)★
・「ウェアウルフ・バイ・ナイト」(2022)★
・『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』(2022)
・「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル」(2022)★

※★が付くものはドラマ作品


ここで注目していただきたいのが、フェーズ4より本格参入となった配信ドラマシリーズの膨大な作品数だ。

コロナ禍により『ブラック・ウィドウ』が1年以上も公開延期になるという緊急事態を経て、急遽、トップバッターを飾ることになった「ワンダヴィジョン」。

© 2021 Marvel
© 2021 Marvel

高評価を受けた本作を皮切りに最終的には7本のドラマシリーズが配信された。

これは、フェーズ4のラインナップが初めて発表された「コミコン・インターナショナル2019」時点よりも3本多い本数となっており、いかにマーベルがドラマシリーズに力を入れることになったのかが良く分かる数字だろう。

結果、この試みがコロナ禍においてもシリーズファンの関心を持続させた。

配信ドラマという枠組みにより、これまで脇役だったヒーローたちに光が当たり、個性豊かなヒーローの誕生が紡がれたことは、シリーズの新たな広がりを産み出したのだ。

コロナ禍とのリンク

フェーズ4作品のほとんどでは、フェーズ3のクライマックスで描かれた大事件"指パッチン"の余波が描かれている。

指パッチンとは、アベンジャーズ最大の強敵・サノスが引き起こした大事件であり、世界人口の半数が一瞬にして消滅するという未曾有の事態である。

© 2018 Marvel
© 2018 Marvel

この状況からヒーローたちは職を失い、地位を失い、または大切な人との時間を失ってしまう。

そのため、フェーズ4で描かれた物語の多くは「喪失」と「再生」を描いていると言えるだろう。

(C)Marvel Studios 2022
『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』より (C)Marvel Studios 2022

これは偶然にも「コロナ禍」の最中にいる私たちにも重なる部分が多いテーマとなった。

未曾有の危機を経験し、身近な死の恐怖や喪失から立ち直る登場人物たちの姿。
そこに多くのファンは共感し、元気づけられることとなったのだ。

テーマのシリアス化

一方、「喪失」と「再生」といったテーマが物語にシリアスな影を残したのも事実である。

近年はファンの間で「マーベル疲れ」という言葉がよく使われるようになった。

これには作品数の多さがよく指摘されるが、物語の「重さ」も理由の一つなのではないだろうか。

『アイアンマン』から『アベンジャーズ』に至るフェーズ1ではライトな作風が多かったマーベル映画は、キャラクター描写や設定の複雑化を経て、次第にシリアスな作品が増加してきた。
フェーズ4では、その傾向が頂点に達しているとも言えるのだ。

【関連記事】マーベル作品(MCU)フェーズ1 一覧&全6作品の魅力を徹底解説!
 
この流れを打開するのが、新ヒーローたちの活躍であろう。
フェーズ4では既存メンバーの物語が半数を占めるなか、次期アベンジャーズを期待される若手ヒーローたちの物語がライトな作風で描かれた。

©Marvel Studios 2021
©Marvel Studios 2021

フェーズ5以降の作品でも、新規ヒーローたちは続々登場予定であり、彼らがいかにシリーズを盛り上げていくのかが大きなポイントとなるだろう。

マルチバースの物語

2022年のサンディエゴ・コミコン・インターナショナルでは、フェーズ4~フェーズ6の物語が「マルチバース・サーガ」と呼ばれることが明らかになった。

マルチバースとは、宇宙に存在する様々な別次元の世界を指す言葉。

この概念により、『アイアンマン』から始まるマーベル・シネマティック・ユニバースは、別世界の物語であった『スパイダーマン』や『X-MEN』といった人気シリーズを設定そのままに合流させることが可能になる。

これは『アベンジャーズ/エンドゲーム』にて、前代未聞のヒーロー大集合を成し遂げたシリーズに新たな革命を巻き起こすことが予想される。

現時点でも『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』にて、『スパイダーマン』シリーズの主演・トビー・マグワイアと『アメイジング・スパイダーマン』シリーズのアンドリュー・ガーフィールドが復帰。



『デッドプール3』ではヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリンの復帰が発表されており、ファンから絶大な支持を受けた多くの歴代マーベルヒーローたちが帰ってくる可能性があるのだ。



ちなみにフェーズ4の『シャン・チー/テン・リングスの伝説』と「ミズ・マーベル」に登場した腕輪に共通点があることや、フェーズ5の第1作目である『アントマン&ワスプ:クアントマニア』に登場する悪役・カーンがアベンジャーズの大きな脅威になることが明かされている。

©Marvel Studios 2023
©Marvel Studios 2023

これらの要素がマルチバースというキーワードを軸にどのような意味を持っていくのかにも注目していきたい。


今回は『ブラックパンサー/ワカンダフォーエバー』にて完結したフェーズ4を振り返った。

様々なヒーロー達の物語は、今後のシリーズでどのように繋がっていくのか。

記事でご紹介したテーマを踏まえて、今後の展開を予想しながら、ぜひ、フェーズ4の作品群を改めて楽しんでいただきたい。

▶Disney+(ディズニープラス)でMCU フェーズ4の作品を視聴する

(文:TETSU)

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