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2023年03月17日

「インフォーマ」第9話:明らかになる木原(桐谷健太)と謎の男(森田剛)の関係の、悲しい行方

「インフォーマ」第9話:明らかになる木原(桐谷健太)と謎の男(森田剛)の関係の、悲しい行方


桐谷健太主演のドラマ「インフォーマ」が2023年1月19日深夜にスタートした。

沖田臥竜の同名小説を映像化した本作は、情報屋のカリスマが週刊誌記者とともに連続殺人事件の謎を追うクライムサスペンス。情報屋・木原慶次郎を演じるのは初の連続ドラマ単独主演となる桐谷健太。共演は佐野玲於、森田剛ら。

本記事では、第9話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。

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「インフォーマ」第9話レビュー

一気に真実が明らかになっていった。

今回は木原(桐谷健太)の幼少期からスタート。
急に空気感が違うのでびっくりするが、かつて木原は「子どものころはいじめられっ子だった」と話していた。教師にいたずらされそうになっているシーンにはギョッとしてしまう。
そんな木原を助ける少年の姿。
2人には言葉にしづらい絆があるように見えたが……。

一方、週刊タイムズ編集部には刑事の水越(西村元貴)が侵入。水越は長澤(MEGUMI)が丸山(高橋和也)から預かっていた情報を手に入れようと強硬手段に出たのだ。

その情報とは謎の男(森田剛)たちに関するもので、書類を見せられた三島の表情にも緊張が走る。
男の名前は冴木亮平。「養護施設から養子として石上ハウスに入居。傭兵育成のため特殊訓練を受ける」というメモが書かれていた。9話にしてついに! 謎の男の名前が明らかに!!
核心に迫る情報を手に入れたが、編集部員たちの命の危険性を感じた長澤は手を引くことを決める。

しかし、三島はGPSから冴木たちのアジトを突き止め、ひとり向かう。が、三島がどうにかこうにかできる相手ではなく……。
実は記者として大きな成長を見せている三島。自分は拳じゃなくてペンで戦う、とちゃんと何が自分にとっての武器なのかを分かってきているところがカッコイイ。

そして、謎の男改め冴木は石上(石橋蓮司)のそばにいた。
GPSをつけたままアジトに行った岡林(田島亮)について、「愚かだ」という石上。「これからはお前はひとりがいいかもしれない」と悲しいことを言う。

岡林と対峙した冴木。「何を隠している?」と問いかける。
3人を火だるまにしたことに大義があったわけではない。正義もない。そう岡林は言う。そして、岡林はそれを知っていた。
「お前だけは裏切らないと思っていたよ」と冴木は言うが……。
岡林が取り出したナイフで逆に刺し殺す冴木。冴木はひとりになった。

石上は木原や冴木がいた施設を運営していた。もともと木原は石上と関わりがあったのだ。インフォーマになったのも石上がいてくれたから。重要な情報も多く石上から得ていた。
そして子どものころに木原を助け、「やられたらやり返せ」と喝を入れていた少年が冴木だったという展開……!
石上は木原と冴木をやり合わせるために動いていたのだ。

復讐心という人生に意味を見出した木原。
冴木は石上が作り上げた最強の傭兵。
その2人が争い合い、木原が冴木を殺し、そして自分を殺す、というのが石上の最高のシナリオ。
いや、石上にとっては人生最後の最大のエンターテイメントだったのかもしれない。最低か。
そんなシナリオをぶち壊すかのように、冴木は石上に向かって銃口を向け、引き金を引いた。

今回の一連の事件で殺された人たちは、殺される理由がない人たちだったのではないか。
そこに伴って血を流さなくていい人たち、死ななくていい人たちが死んだ。なんなんだ、これ!

流れた血の分だけ浄化される。そう言い聞かされて人を殺してきた冴木。
しかし、石上は理想をとっくに手放していた。意味のない殺し合いが冴木を孤独にした。 

ここまで、ほぼ表情が動くことのなかった冴木の感情がこぼれ出す。
大切に思っていた人たちを自分の手で殺める悲しみ、いや、痛みだろうか。見ているだけで痛みが伝染してくるかのよう。
石上を殺した瞬間の表情は、一瞬、心細げな少年のようにも見える。
彼は、疑問に思いながらも石上を信じて人を殺し続けてきたのだろう。

果たしてこの物語に、幸せな結末などあるのだろうか。


(文:ふくだりょうこ)

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