『雑魚どもよ、大志を抱け!』田代輝インタビュー 「みんなをまとめていかないといけない意識はあった」
主人公・瞬を演じるのは関西ジャニーズJr.内のグループ「Boys be」のメンバー池川侑希弥。そして瞬の親友・隆造を演じたのが日本版『CUBE』にも出演した田代輝だ。話題作への出演が続く田代に、映画についてはもちろん、同世代での現場でのこと、自身のこれからについて聞いた。
孤独感を味わうための役作り
▶︎本記事の画像を全て見る――まずは、最初に脚本を読まれたときの印象をお聞かせいただけますか?
田代輝(以下、田代):僕が演じている隆造という役は、小説「弱虫日記」でも主人公・瞬の友だちの中で、みんなをまとめて頼られる役です。芝居の中で自然に自分が一番強くて、仲間に対しての優しさもあるところを表現していかなきゃいけないと思って緊張もあったんですけど、演じたいという気持ちのほうが強かったです。
――役作りという面ではどのような準備をされたんですか?
田代:隆造はすごく孤独で家族の中でも虐待を受けていて、厳しい状況にある人物です。その孤独感を味わうためにも撮影の前に、家で1日中1人でいたりして。こういう気持ちなのかな、と理解できるように準備をしました。
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――役と共通する点はありましたか?
田代:みんなをまとめるという点では、僕も普段、学校で学級委員としてクラスをまとめることもしていたので、共通してるかな、と思いました。
――わりと、真逆なまとめ方ですよね。
田代:ははは!(笑)そうですね。僕自身はなかなかやらないことを隆造はたくさんやっていたので、そこを理解するのは難しかったです。たくさん台本読むことで、何とか隆造の気持ちに少しでも近づけるように、と頑張りました。
主演の「池川くんとはシンクロしてしまう場面も」
▶︎本記事の画像を全て見る――時代設定が、なかなか触れる機会のない時代かなと思うんですけど、誰かからお話は聞かれましたか?
田代:今と全然違うところもあって、足立紳監督から「昭和っていうのはこういう感じだったんだよ」というお話を伺いました。他にも言葉遣いも今と全然違うので、「こういう言葉はこの時代にはないよ」とか。
――例えば、どういう言葉がなくてびっくりした、というのはあります?
田代:「マジ」とか(笑)。昭和にはないからアドリブで出ると使えなくなっちゃうよ、という話はありました。
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――同世代の方々ばかりだとついアドリブで出ちゃいそうですよね。
田代:シーンごとにカットがかかるまで、アドリブで会話することもあって、そういうときにポロっと出てしまってNGになったときもありました。慣れるまでは難しかったです。
――今回のような同世代の方が多い現場は今までは少ないんでしょうか。
田代:すごく珍しいことでした。現場で他の子が持ってきてくれたゲームでみんなと一緒に遊んで楽しかった思い出もあります。ただ、その中でも自分が一番年上なので、みんなを引っ張っていかなきゃいけない、という気持ちはありました。
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――どなたと一番仲良くなられましたか?
田代:主人公を演じた池川くんとはすごく仲良くなって、撮影期間は現場でも楽屋でも、ずっと一緒にいたなという印象があります。
――印象的な話とかエピソードあれば。
田代:シーンの中で坂を長く登って行った後、水を飲んでから座るシーンがあったんです。そのときに僕が先に足を組んで座ったんですけど、池川くんが後から来て全く同じポーズをしたんですよ。完成した映画を観てて、本当に綺麗にシンクロしていて、仲の良さが出たのかなと思いました(笑)。そこはすごく印象的でしたね。
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――通じ合ってしまって(笑)。
田代:そうですね(笑)。
――今のお話と少し通ずる部分はあるかもしれないんですが、友情に対しては理想はありますか?
田代:難しいですね……。僕自身、やっぱり友だちってすごく大切だなと思っているので、ずっと仲間を守っていける存在でありたいです。
高校生活への憧れは?
▶︎本記事の画像を全て見る――今回は小学生という役どころでしたが、ご自身はどんな男の子でしたか?
田代:どうだろう。元気に外にも遊びに行ったし、今みたいに家でゲームするのも好きで。友だちとよく遊んでいたと思います。
――芸歴が15年ということで、平行してお仕事をされていたかと思うんですけど、年齢を重ねてお仕事に対する意識も変わった点はありますか?
田代:小学校に入る前は仕事をやっているという実感はあまりなかったんですけど、小学校に入ってからだんだん経験していくにつれて、お仕事をしている自覚が出てきました。今後も俳優を続けていきたいなっていう気持ちで努力するようになりました。
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――今年から高校生になられるんですよね。
田代:はい。お仕事も続けながら、できるだけ学校行事にも参加しながら両立できたらいいなと考えています。
――高校生活に何か憧れはありますか?
田代:進学する高校が自由な校風なので、髪を染めることに憧れもあるので仕事で髪を染める機会があればいつでも染められます。茶髪にしたいですね。
――似合いそう! お仕事では、今後チャレンジしてみたい役はありますか?
田代:今までシリアスな役が多かったので、コメディをやってみたいです!
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――最後に改めて今回の作品の見どころを教えてください。
田代:瞬や隆造といった同年代の子どもたちが、たくさんの悩みを抱えながらも、もがき葛藤して成長していく物語で、何か一つ勇気をもらえるような作品となっています。ぜひ観に来ていただいて、勇気をもらっていただけたら嬉しいです。
(ヘアメイク=野中美希/スタイリスト=君嶋麻耶/撮影=渡会春加/取材・文=ふくだりょうこ)
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