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ドラマ好きライターが選ぶ、2023年春ドラマ注目作8選


「ブラッシュアップライフ」(日テレ系列)や「星降る夜に」(テレ朝系列)など、放送されるたびにSNSが盛り上がる豊作揃いだった2023年冬ドラマ。春ドラマのラインナップも負けてはいない。ドラマ好きライターが独断と偏見で8作ピックアップし、それぞれの期待ポイントをご紹介する。

GP帯ドラマ初主演・山田裕貴「ペンディングトレインー8時23分、明日 君と」

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山田裕貴を主演に、風変わりなファンタジーエンタメが誕生する。いつもと変わらない一日が始まって終わるはずだったのに、乗り合わせた電車の一両だけが未来へとワープしてしまった。半ば強制的に放り込まれた、荒んだ未来の世界。急きょ強いられるサバイバル生活に、どう立ち向かっていくのか。


前クールの月9「女神の教室」にも出演、大河ドラマ「どうする家康」の本多忠勝としても存在感を示す山田裕貴が演じるのは、カリスマ美容師の萱島直哉。接客業向きの人当たりの良さは表面的なもので、まだ明かされることのない過去にまつわる闇が、彼の内にはくすぶっている。GP帯ドラマ初主演となる彼が、二面性のある役をどう体現するのか注目したい。

直哉とともにサバイバル生活を生き抜くことになる相棒・白浜優斗役に赤楚衛二。そして同じく電車に乗り合わせた女性・畑野紗枝役に上白石萌歌と、フレッシュな面々が集まった。これまで『恋はつづくよどこまでも』(2020)『着飾る恋には理由があって』(2021)など、TBS系列で数々の恋愛ドラマを打ち出してきた脚本家・金子ありさの描く、新たな世界が見られそうだ。

(2023年4月から毎週金曜よる10:00〜/TBS系)

福山雅治&大泉洋!待ってた夢の共演「ラストマンー全盲の捜査官ー」

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大泉洋と福山雅治のW主演。二人の関係性を知っているドラマオタクなら、このキャスティングだけで期待値が青天井なのではないだろうか。某バラエティ番組で、日頃から交流のある様子を見せてきた大泉と福山。筆者は、福山のモノマネをする大泉の様子が好きでたまらない。

すでに信頼関係ができあがっている二人、大泉は犯人検挙に尽力する刑事・護道心太朗を、そして福山は通称「ラストマン」と呼ばれる全盲のFBI捜査官・皆実広見を演じる。全盲でありながらFBI捜査官である設定も新鮮で心を惹かれるが、大泉演じる護道が、いわばバディとして皆実に付き従う構図になるのかと思うと、どんなやりとりが見られるか楽しみでしかない


日曜劇場といえば、「下町ロケット」(2018)「日本沈没ー希望のひとー」(2021)「マイファミリー」(2022)など、原作もの・オリジナル含め骨太な脚本で多くのファンをつくってきたドラマ枠である。「マイファミリー」の脚本を手がけた黒岩勉の完全オリジナルストーリーである今作も、いまから多くの話題を呼ぶことが予想される。

(2023年4月23日から毎週日曜よる9:00〜/TBS系)

新たな考察ブーム到来か?「unknown」


今世で田中圭&高畑充希の恋愛ドラマが見られるなんて、思っていなかった。火曜21:00といえば、前クールに「星降る夜に」を送り出した枠。初共演となる二人が「秘密を抱えた男女のラブサスペンス」と銘打たれたドラマにW主演だなんて、何度頬を叩いて痛かったとしても「夢じゃないか」と思ってしまう。


ドラマの舞台となるのは「連続殺人事件が発生する、とある町」ということで、田中圭が絡むとなるとどうしても「あなたの番です」(2019/日テレ系列)を想起してしまう。しかし、本作の制作は「おっさんずラブ」(2016/テレビ朝日系列)を世に送り出したチームが担当。プロデューサー・貴島彩理、脚本家・徳尾浩司、監督・金井紘など、すでにドラマファンからのお墨付きを得ている制作陣が控えているとあり、信頼感がある。

田中圭が演じるのは、重い秘密を抱えた警察官・朝田虎松。そして、同じく誰にも言えない秘密を背負った週刊誌記者・闇原こころを高畑充希が演じる。名前からして、そう簡単には暴けそうにない黒い秘密を抱えていそうだ。考察しがいのありそうな設定とあらすじに、放送前からワクワクが止まらない。

(2023年4月18日から毎週火曜よる9:00〜/テレビ朝日系)

新たなお仕事ドラマ爆誕「それってパクリじゃないですか?」

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「ハケンの品格」(2020)や「ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜」(2021)「悪女(わる)〜働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?〜」(2022)など、働く女性を主人公に据えた“お仕事ドラマ”を送り出してきた日テレ系列水10ドラマ枠。4月春からは、知的財産や著作権などがテーマの「それってパクリじゃないですか?」がスタートする。

芳根京子演じる飲料開発部員の藤崎亜季(芳根京子)と、知的財産に関して膨大な知識を持つエリート上司・北脇雅美(重岡大毅)がタッグを組み、会社のため、社員が生み出した商品のために奔走するストーリー。


知的財産や著作権と聞くと、法律系のドラマか……と堅苦しく考えてしまいそうだが、脚本家は「下町ロケット」(2018)や「半沢直樹」(2020)を手がけてきた丑尾健太郎である。気骨さを感じながらも、人の心を引きつけて離さないエンタメ性溢れるドラマが期待できるのではないだろうか。

「俺の可愛いはもうすぐ消費期限!?」(2022)などのラブコメや、「半径5メートル」(2021)など社会性のある作品にも多く出演してきた芳根京子。そして「知らなくていいコト」(2020)「#家族募集します」(2021)での印象深い演技が記憶に新しい重岡大毅がメインキャストであることも大きい。1話の放送日が待ち遠しいドラマのうちの一つである。

(2023年4月12日から毎週水曜よる10:00〜/日テレ系)

誰も言えない悩みに切り込んだ「あなたがしてくれなくても」

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「同じベッドで眠るたび、ひとりぼっちになっていく」。このキャッチコピーを見ただけで、最終回まで欠かさず追うつもりになってしまうドラマ「あなたがしてくれなくても」は、二組のセックスレス夫婦に焦点をあてている。二組に一組の夫婦がセックスレス状態である社会問題を取り上げた本作、なかなか切り込んだテーマだと思う反面、いまやらないでいつやる、という気もする。

「ファーストペンギン!」(2022)でGP帯連ドラ初主演となった奈緒が、木曜22時枠でふたたび主演を飾る。奈緒演じる32歳OL・吉野みちのパートナー・吉野陽一役に永山瑛太。もう一組の新名夫婦を、岩田剛典と田中みな実が演じる。


原作漫画はハルノ晴による「あなたがしてくれなくても」。セックスレスが社会問題化しているということは、誰も声に出して言わずとも、同じような悩みを抱えている夫婦が潜在的に多いことを示している。隠れた声を表面化させたような本作は、電子書籍も合わせ800万部以上の大ヒットを記録。主に30〜40代からの熱烈な共感を呼んでいる。

くわえて、ドラマの制作陣大半を、あの「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」のスタッフたちが占めるというのだから、否が応でも期待値は高まる。「#あなたがしてくれなくても」が毎週のようにTwitterのトレンド入りを果たすことだろう。

(2023年4月13日から毎週木曜よる10:00〜/フジ系)

天才外科医は10歳の少女「Dr.チョコレート」

©Nippon Television Network Corporation

天才的な手術の腕を持つ、と聞くと、前クールで放送されていた日曜劇場「Get Ready!」(TBS系)を思い出す。妻夫木聡演じる波佐間永介も、通称・エースとして類稀なるテクニックを披露していた。

新土曜22:00枠の「Dr.チョコレート」公式サイトを覗いてみると、キービジュアルに坂口健太郎、そして子役・白山乃愛の姿が。なるほど、天才外科医をサポートする女の子といった構図は、限りなく「某・非合法の医者とそのちびっ子助手」に近いものを感じる。しかし、実態は違った。

Dr.チョコレートと呼ばれる天才外科医は、なんと10歳の少女のほう。坂口健太郎演じる通称・Teacherも元医者で、彼らは「チョコレートカンパニー」と呼ばれる仲間とともに、あらゆる状況で訳ありな患者を救っていく。


メンバー全員が通称で呼ばれている点、(おそらく)非合法である点、まさに手に汗握る怒涛の展開が待ち受けているであろう点などを加味すると、前述した「Get Ready!」や「逃亡医F」(2022)に通じるものも感じられる。坂口健太郎と白山乃愛、歳の差もあり凸凹な二人が織りなす医療ドラマは、どんな世界を見せてくれるのだろうか。

(2023年4月22日から毎週土曜よる10:00〜/日テレ系)

お笑い芸人の鬱屈と反骨精神を描く「だが、情熱はある」

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ずっと、このドラマを見たかった。「だが、情熱はある」のあらすじや設定を見た瞬間に、そう思った。お笑いコンビ・オードリーの若林正恭、そして南海キャンディーズの山里亮太の半生を描いた物語。ともにお笑いムーブメントを形成・牽引してきた存在にも関わらず、彼らの共通点は「鬱屈」と「嫉妬」だった。


若林正恭の書籍「社会人大学人見知り学部 卒業見込」(2013)、そして山里亮太の「天才はあきらめた」(2018)を初めて読んだときの衝撃は忘れられない。どうして自分のことを知っているんだ、同じようなことを考えていた人がいたんだ、と逃れられない共感の嵐に見舞われて、動けなくなった。日本中にそんな同士が溢れたことだろう。

若林正恭を演じるのが髙橋海人、山里亮太を演じるのが森本慎太郎というキャスティングも絶妙である。普段はアイドルグループの一員として、ステージ上で脚光と歓声を浴びる二人が、お笑い芸人の鬱屈と反骨精神をどのように体現するのか

(2023年4月9日から毎週日曜よる10:30〜/日テレ系)

誰もが太客になること間違いなし「ホスト相続しちゃいました」

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火曜23:30に新しいドラマ枠が誕生する。火ドラ★イレブンと銘打たれた新枠の第一弾は、桜井ユキ主演の「ホスト相続しちゃいました」。広告代理店勤務のアラサー・本橋久美子が、ひょんなことから歌舞伎町のホスト経営を任されることになるオリジナルストーリー

脇を固めるホスト役として、ホストクラブ「MAJEST(マジェスト)」の幹部・直樹に三浦翔平、No.1ホストのMasatoに八木勇征、新人ホストの夜空流星に宮世琉弥、男装ホスト・神童ルイに鈴木ゆうかが選ばれた。経験と実績に裏打ちされ、かつ今どきのニューカマーをおさえた配役である。


大いに胸キュンポイントも期待できるが、久美子と同世代の働く女性にとっては、自身の仕事やキャリアに対し考えを深めるきっかけにもなるんじゃないだろうか。「だから私は推しました」(2019)での安定した、かつ鬼気迫る表現力、また「真犯人フラグ」(2021)での怪演などで着実に実力を示してきた桜井ユキの、新たな引き出しが見られるだろう。

(2023年4月18日から毎週火曜よる11:30〜/カンテレ)

ファンタジー、医療もの、恋愛サスペンス、お仕事ドラマ。2023年春ドラマも、バラエティ豊かなラインナップになりそうだ。リアタイ派の方も、配信派の方も、あとで一気見派の方も、ぜひCINEMAS+のドラマレビューとともに各作品を楽しんでほしい。

(文:北村有)

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