「あなたがしてくれなくても」第6話:永山瑛太の迫真の演技に衝撃度120%

奈緒が主演する木曜劇場「あなたがしてくれなくても」が、2023年4月13日にスタート。

ハルノ晴による同名コミック(双葉社刊)を原作とする本作は、セックスレスをテーマにした大人の恋愛ドラマ。奈緒と永山瑛太、岩田剛典と田中みな実が演じる2組の夫婦の関係が複雑にもつれていく様を描く。

本記事では、第6話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。

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「あなたがしてくれなくても」第6話レビュー

「あなたがしてくれなくても」第6話、はやくも折り返し地点。
あくまでもこれはドラマ、そして当事者ではないはずなのに、異常なまでにやるせない感情が掻き立てられる回となった。

突如としてみち(奈緒)に別れを告げられた(岩田剛典)は、もはやこの世の終わりかのような表情をして日々を過ごしている。
そんな彼に健気に尽くす(田中みな実)が愛しくもあり不憫だ。

一方で、一見”いい感じ”なみちと陽一(永山瑛太)。
お互いがお互いに相手に対して罪悪感を抱えながらも、必死に向き合おうとしていることが生活の中から見て取れる。

ここらで少しばかり、夫婦の呪縛について考えてしまった。
夫婦=永遠の定義は、果たして正しいのか。
夫婦とは言えども、一枚の紙切れで契約が結ばれた関係。一昔前は離婚に対してネガティブイメージが強かったかもしれないが、今の時代、バツがついていることくらいなんのその、と思う。

「ブラッシュアップライフ」のようにやり直せるのであればかまわないが、何十年と過ごす一度きりの貴重な一生、多少は自分の気持ちに正直に生きてもいいのではないか。というのが著者の意見だが、世の中のみなさん、いかがでしょうか。

さて、本題に戻ろう。
少しでも多くのコミュニケーションを取ろうと仕事帰りに喫茶店に立ち寄るみち、ついに三島(さとうほなみ)と初対面。
三島の心情、お察しします。

今夜は三島の歓迎会を開催予定とのことで、そのままみちも参加することに。
なるほど、これが”地獄の焼肉会”か……って、高坂さん(宇野祥平)いるんかーい!4人だと地獄感が薄れてしまいますよ、高坂さん。

と思いきや、高坂から飛び出る地獄のような質問。

「焼き肉の締めにはなにを食べる?」
なにを選ぶのかで浮気度がわかるという心理テストらしい。

従業員と一夜限りの肉体関係を持ってしまった男、精神的にいえば結果的に浮気をした女、なにかと浮気に縁がある女。
”浮気”というキーワードを耳にした瞬間の動揺、みなさん隠しきれておりませんが、大丈夫ですか???

なんとかこの話題は回避したものの、”嘘をつかれるか正直に言われるかどっち派論”に話は飛び火する。

「上手に嘘をつかれる方が楽。正直者には傷つけられるんで」と、三島。「本当のことを言ってほしい」と、みち。
この何気ない一言が、後に衝撃の展開を生むだなんて、誰が予想していただろうか……。

三島は過去の不倫関係を三年越しに訴えられ、楓の一方通行な思いと健気な努力に対して誠は無の感情、熱海旅行にウキウキしているみちを横目に陽一は夜のプレッシャーで気が気じゃないーー果てなく静かにカオスな状況は続いていく。

そして熱海旅行当日、事件は起きる。

「もしまたできなかったら」

このことばかりが頭によぎる陽一は、ついに限界に達する。

「みちだけできないなんて」
「一度だけみちのこと裏切った」

……陽一よ。なぜそこまで言う必要が……。
一度きりの過ち、賛否両論あれど黙っていればいいことを、彼は口にしてしまった。
「本当のことを言ってほしい」と、みちが言ったから?にしても、言って良いことと悪いことがある……言いさえしなければ、きっとこの二人は良好な関係に戻ることができたはずなのに。

あまりにもショックを受けたみちは、思わず家を飛び出す。
偶然にも前日に「最後に会いたい」と誠から連絡がきていたことだけが、彼女にとっての支えだった。

足元がおぼつきながらも走り、いつもの場所にたどり着くも、その瞬間に崩れ落ちるみち。

「困らせてごめんなさい。本当に同僚に戻ろう」

そうして誠が手にした花束は、みちのもとではなく楓に届いたのであった。


衝撃的なラスト、みちがあまりにも被害者ヅラをしすぎているという意見もチラホラ見かけたが、一線を越えていない彼女からすると、愛する陽一のその事実はあまりにもつらいのではないのだろうか。

なによりも、奈緒と永山瑛太の演技にリアリティがありすぎて、画面越しに嗚咽してしまったことはここだけの話である。

次週、「妻と妻の直接対決」「地獄の焼肉会」に続いて、「本気の修羅場」が勃発する予感。
みちの変化に誠は気付くのか?気付いた場合、誠はみちのもとに舞い戻るのか?二人の行く先にさらなる期待を込めながら、待ちぼうけようと思う。


(文:桐本 絵梨花)

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