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2022年02月13日

「DCU 」第4話レビュー:横浜流星の表情に刻まれていく瀬能の成長(※ストーリーネタバレあり)

「DCU 」第4話レビュー:横浜流星の表情に刻まれていく瀬能の成長(※ストーリーネタバレあり)


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阿部寛主演のTBS系日曜劇場「DCU」が2022年1月16日放映スタートした。

TBS×ハリウッド大手プロダクションの共同制作となる本作は、水中の捜査に特化したスペシャリスト集団「DCU(Deep Crime Unit)」の活躍を描く“ウォーターミステリー”。真実を突き詰めるまで諦めないDCUの隊長・新名正義を阿部寛、新名のバディとなる隊員ダイバー・瀬能を横浜流星が演じる。

本記事では、第4話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

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「DCU」第4話レビュー



国際テロ組織「ブラックバタフライ」の一味であるロペス(フェルナンデス直行)が国外逃亡を図った船に乗り込んだ隆子(中村アン)が、何者かに襲われて殉職した。

「DCUが一つになって、今まで捕まえられなかった凶悪犯を捕まえる」

「DCU」第4話では生前の隆子が語っていた夢のために、バラバラだったDCUのメンバーが一丸となって弔い合戦に乗り出す。

自宅待機が命じられた新名(阿部寛)に代わり、西野(高橋光臣)が一時的に隊長を務めることになった。隆子の死に茫然自失のメンバーも事件の捜査は公安に任せ、通常業務に戻るように指示される。しかし、誰よりも隆子を慕っていた瀬能(横浜流星)はもちろん納得できない。そんな瀬能の元に公安の清水(山崎育三郎)が。隆子のパソコン内にあったプライベートデータを個人的に届けてくれたのだ。



その中に隠しデータを発見した瀬能。DCU機動班第一部隊のメンバーとして新たに加わった瑠璃(趣里)が解析した結果、隆子は2年前に起きたブラジル人男性の溺死事件を調べていたことが分かった。独断行動を西野から咎められた瀬能だったが、「仲間の死も弔えないDCUにいるつもりはない」と海上保安庁の身分証を手渡してDCUを去る。

瀬尾が向かったのは、ブラジル人男性が溺死した際に使用していた器材会社アクアディープ。男性と接点があったと見られる同会社の営業課に勤める月島秀樹(六角精児)に話を聞くためだ。しかし、既に独自に捜査をしていた新名が訪れた後だった。新名は自宅待機中に仕事を手伝うフリをして、周辺の漁師から聞き出した話を元に月島の存在に辿り着いたという。

月島はロペスの顔をニュースでしか見たことがないと証言していたが、隆子が集めた写真の中には二人のツーショット写真があった。様々な違和感から2年前に起きた溺死事件は今回隆子が殺された事件と何らかの関係があるとみて、新名と瀬能は手を組み捜査を進める。

まずはロペスに協力していたシルバ(エレナ アレジ 後藤)に接触。テロリストとして国に強制送還すると揺さぶりをかけ、月島とロペスの関係を聞き出すことができた。シルバによると、月島はロペスから頼まれたことは何でもやっていたという。またシルバがロペスから指示を受け、コインロッカーで受け取ったGPSを隆子に装着したことが明らかに。つまり、隆子は船に乗ってロペスを追いかける前から何者かに命を狙われていたのだ。

シルバに接触したことで独自調査が上層部にバレてしまったものの、佐久間部長(佃典彦)の粋な計らいで新名の一時復帰と特別捜査が認められた。辞職も覚悟で仲間の死の真相を追う新名と瀬尾の決意に周囲が動かされていく。



ようやく一致団結したDCUのメンバーは痛みを堪えて隆子の殺害現場に。すでに公安が調査していたものの、「自分たちにしか見つけられないことがあるはず」とみんなが信じて調査を行った。その結果、隆子が倒れていた場所の床に石川県琴ヶ浜の砂が見つかり、月島がそこでダイビングをした経験があることも分かる。

確実な証拠を得るために現場からなくなっていた隆子のスマホを手に入れようと、ロペスがシルバに指示を出していたように犯人をロッカーに誘き寄せる作戦に出る新名たち。目論んだ通り、指定したロッカーの前に現れたのは月島だったが、彼はある人物に頼まれて来たに過ぎなかった。



隆子を殺した犯人は、なんと彼女とロペスの司法解剖を担当した真鍋医師(角田晃広)。2年前、自分の正体に気づいた友人を月島に頼み溺死に見せかけて殺したロペスはカジノ狂いでお金に困っていた真鍋に司法解剖の結果を偽らせた。その不正に気づいた隆子は口封じに殺されたと新名は仮定。しかし、真鍋もシルバのように誰かからメールで隆子を殺すように指示されたに過ぎない。

真犯人の特定には至らなかったが、隆子の無念を晴らすように瀬能は彼女の手錠で真鍋を捕まえた。また新名のアドバイス通り、過去のトラウマを隆子との思い出で上書きしたことで再び海に潜ることができた瀬能。そのおかげで真鍋が海中に投げ込んだ隆子のスマホが見つかり、ラストで衝撃の事実が明らかとなった。隆子の兄で新名の元バディである成合(吉川晃司)が実は生きていたと思わせる写真がスマホに残されていたのだ。



成合が殉職した15年前の海上事件と、国際テロ組織「ブラックバタフライ」の関与が疑われるロペスや隆子が殺された事件に何か繋がりがあるのか。新名を隊長の座から引き降ろすためか、早川次長(春風亭昇太)と頻繁に連絡を取る西野の動きも気になるところだ。

今回は、大切な存在を失った瀬能の想像を絶する怒りと哀しみを表現した横浜流星の熱演ぶりが見どころでもあった。特に大粒の涙を流し、真鍋に殴りかかるシーンは隆子を守れなかった自分自身への怒りもぶつけているようで痛々しいほど。しかし、トラウマと哀しみを同時に乗り越え、隆子の写真を眺める穏やかな笑顔に希望が見えた。第1話よりも2話、2話よりも3話、3話よりも……と瀬能が少しずつ成長していく過程を横浜流星はその表情に刻んでいく。

(文:苫とり子)


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