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ハリソン・フォードのおすすめ出演作“5選”|「映画」という冒険は終わらない

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御歳80歳にしてなおハリウッドの第一線で活躍するハリソン・フォード。最新作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』が6月30日(金)に公開を迎え、監督こそスティーヴン・スピルバーグからジェームズ・マンゴールドにバトンタッチしたものの“相変わらず”の大冒険が観客の胸を熱くさせている。

ハリソンはカンヌ国際映画祭で名誉パルムドールを受賞しており、改めてそのキャリアが注目を集めた。名前が知られる前は大工として腕を奮っていた異色の経歴も有名なところだが、出演作を眺めてみるといずれもヒット作・話題作ばかり。

今回はそんなハリソンのフィルモグラフィから、5本のおすすめ作品をご紹介していこう。

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『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』

■映画史に名を残す不朽の名作



ハリソン・フォードという俳優を語る上で、『スター・ウォーズ』シリーズを避けて通ることはできないだろう。特に記念すべき第1作(エピソード4)は、ハリソンのフィルモグラフィだけでなく映画史に燦然と輝くSF映画の金字塔。いまなお世界観の拡張が続いているだけに、この先も長く語り継がれる作品であることは間違いない。

ジョージ・ルーカスによって生み出された本作が名作たる所以は、ルーカスが創造・構築した世界観、それを見事に映像面で表現した革新的なILMの視覚効果、フィル・ティペットにより命を吹き込まれた数々の造形キャラクター、そしてジョン・ウィリアムズ作曲の胸躍る音楽など多岐にわたる。



何より壮大なスペースオペラを支えるキャストの存在も大きい。シリーズを通して物語の核となるルーク・スカイウォーカー、芯を持ったレイア姫、そしてハリソン演じるハン・ソロと相棒のチューバッカ……。とにかくハン・ソロは1作目から鮮烈な存在感を放ち、愛機ミレニアム・ファルコンを操る姿からは紛れもないカリスマ性がこれでもかと溢れ出ている。

新サーガで再び脚光を浴び、若き日を描いた単独映画も制作されるなど後世に与えた影響は未知数。ヒロイズムとダンディズムの両方を備えたハリソンの「これ以上ない当たり役」といえるだろう。

『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』

■まさかのカムバック

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80・90年代の映画を観て育った筆者としては、昨今の「〇〇年ぶりの新作!」ブームに驚かされることが多い。中でもスピルバーグが自ら『インディ・ジョーンズ』シリーズを復活させたことについては、制作発表時に期待と同時にハリソンの年齢を考えて不安も感じるところだった。

とはいえスピルバーグ×ルーカス×ジョン・ウィリアムズ、そしてハリソンという本家本元のメンバーが集まった本作に向ける喜びはやはり大きい。懐かしさを感じさせるオープニングロゴからシームレスに本編へとつなぎ、ウィリアムズ作曲のお馴染みのテーマが顔を覗かせる。これで高揚感を抑えきれるはずがない。ああ、インディが帰ってきたのだと。



再会を懐かしむ間もなく、本作は危機また危機とこれまでと同様にインディが体を張る。しかも今回のエピソードはロズウェル事件を端に発し、聖杯や遺跡とは神秘性が異なるオーパーツ「クリスタル・スカル」がキーアイテムに。ある意味では『未知との遭遇』や『E.T.』『宇宙戦争』のスピルバーグらしい題材といえる。

またインディと今回の相棒と呼べるインディの息子(!)・マット(シャイア・ラブーフ)との息の合った掛け合いも見どころ。父親譲りの行動力を見せるマットとの関係性は、『インディ・ジョーンズ』シリーズに新たな魅力をもたらすことになった。

『アデライン、100年目の恋』

■運命に翻弄される男を好演

(C)2015 LAKESHORE ENTERTAINMENT GROUP LLC. KIMMEL DISTRIBUTION,LLC AND LIONS GATE FILMS INC. All Rights Reserved

ハリソン・フォードといえば『インディ・ジョーンズ』シリーズや『スター・ウォーズ』シリーズ、さらには「ジャック・ライアン」シリーズなどのヒット作もあってアクションやサスペンスに出演するイメージが強い。それだけにラブストーリーである本作は、ハリソンのフィルモグラフィを振り返ってみると珍しい作品選びといえるかもしれない。

リー・トランド・クリーガーが監督し、ブレイク・ライヴリーが主演を務めた本作。ある出来事により肉体年齢が29歳で止まった女性の壮大な人生を、大袈裟に拡張するのではなくパーソナルな物語として紡ぎ上げる。実験台にされることを恐れて逃げるように送る人生。歳を重ねていく娘との関係性。何代にもわたって愛犬の最期を見送る瞬間。派手さはないものの、それが逆に物語の湿度を保ち、ライヴリーの好演を引き立ててもいる。

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ハリソンが演じるのは、“ジェニー”(ライヴリー)が恋に落ちる青年エリス(ミキール・ハースマン)の父親ウィリアム・ジョーンズ。しかしこれが一筋縄ではいかない。エリスからジェニーを紹介されたウィリアムは、彼女と向かい合った瞬間「アデライン」と口走り、驚いた表情を浮かべる──。

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冒頭からラストまで出ずっぱりのライヴリーに対し、ハリソンの登場は物語中盤。“29歳で老化が止まった女性”というアイデアを起点にこれみよがしにテーマを押しつけてくるのではなく、100年以上も生きるアデライン/ジェニーの“いま”がエリスやウィリアムの人生と重なった瞬間を丁寧に見つめていく。大切なものを失うかもしれない不安、苦悩という普遍的なメッセージに自然と見入るはずだ。

『エアフォース・ワン』

■「戦う大統領」の代名詞


アクション映画にはひとつのジャンルとして「戦う大統領」というものがある。例えばビル・プルマンが戦闘機に乗って宇宙船にカチコミをかけた『インデペンデンス・デイ』や、コメディ作品ながら『ホット・ショット2』も挙げられるだろう。そんな「戦う大統領」映画の代表作と呼べるのが、ウォルフガング・ペーターゼン監督の『エアフォース・ワン』だ。

そのタイトルが示すとおり、舞台はアメリカの大統領専用機「エアフォース・ワン」。“空飛ぶホワイトハウス”なる異名を持ち、本作でその存在を知ったという人も多いかもしれない。ストーリーの大半が上空で展開するものの、狭い機内でテロリストとの攻防を繰り広げる様子はペーターゼン監督ならではの演出力もあって緊張感にあふれている。



特にゲイリー・オールドマン演じるテロリストのリーダー・イワンとの対峙シーンはハリソン×オールドマンという名優同士のぶつかり合いもあり、互いの信念・プライドを賭けた鬼気迫る表情が見もの。そして何より、年季を重ねたハリソンの「大統領役」そのものの説得力も本作の大きな魅力といえるだろう。

『逃亡者』

■サスペンス映画の教科書



『スター・ウォーズ』旧シリーズや『インディ・ジョーンズ』シリーズが少し上の世代の筆者にとって、ハリソン・フォードという俳優をはっきり認識したのが『逃亡者』かもしれない。1960年代の同名テレビドラマを基にデヴィッド・トゥーヒーが脚本を書き起こし、『沈黙の戦艦』をヒットさせたアンドリュー・デイヴィスが監督を務めた。

本作は妻殺しの容疑をかけられたシカゴの外科医が警察の手を逃れつつ、真犯人の“義手の男”を追う様子が緊張感たっぷりに描かれている。追いし追われしの展開はジェームズ・ニュートン・ハワードの名劇伴もあって全編にわたってスリリングで、意外な黒幕の存在などサスペンス映画の教科書と呼んでも過言ではない。

本作の見どころはなんといっても、ハリソン演じる外科医リチャード・キンブルとトミー・リー・ジョーンズ演じる刑事サミュエル・ジェラードの攻防戦にある。キンブルがダムへ飛び降りて逃走したり、シカゴ記念病院でキンブルに遭遇したジェラードが容赦なく発砲したりと息詰まる展開が続く。

本作の演技でオスカーを手にしたのはジョーンズだが、真相を丹念に追い求めるハリソンの熱演にもぜひ注目してほしい。

まとめ



とにかく錚々たるフィルモグラフィを誇るだけに、おすすめ作品をまとめるところから悩ましかった。例えば『ブレード・ランナー』もSF映画史に刻まれた名作であり、『スター・ウォーズ』シリーズや『インディ・ジョーンズ』シリーズも1作に絞るのがじつに惜しい。他にも『心の旅』や『デビル』『カウボーイ&エイリアン』など振り幅の広さに驚かされてしまう。

映画ファン層以外にもその名を響かせるハリソン・フォード。長年築き上げてきた経歴を振り返りつつ、「映画」という魅力に改めてどっぷり浸かってみてはいかがだろうか。

(文:葦見川和哉)

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