続・朝ドライフ

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2023年08月24日

「らんまん」万太郎は植物採集のときにどこに泊まっているのか<第104回>

「らんまん」万太郎は植物採集のときにどこに泊まっているのか<第104回>


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2023年4月3日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「らんまん」。

「日本の植物学の父」と呼ばれる高知県出身の植物学者・牧野富太郎の人生をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。激動の時代の中、植物を愛して夢に突き進む主人公・槙野万太郎を神木隆之介、その妻・寿恵子を浜辺美波が演じる。

ライター・木俣冬が送る「続・朝ドライフ」。今回は、第104回を紐解いていく。

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500円ゲットのチャンス

寿恵子(浜辺美波)は料亭・巳佐登で仲居として働き始めました。
そこには見たことのない世界が広がっていて、戸惑うばかり。

陸軍大佐・恩田(近藤公園)にお料理を出すように言われますが、顔と名前がわからず戸惑っていると(軍服着てると言われたのに着ていなかった)、仲居頭おマサ(原扶貴子)が代わりに料理を出し、心付けをもらいます(襟に入れてもらう)。これって寿恵子が恩田をわかって料理を出せば、寿恵子がもらえるはずだったものでは……。

マサは頼れる人なのか、信用できないのか、まだわかりません。第103回では、みえ(宮澤エマ)にはニコニコしていたけれど、寿恵子には「でしゃばるんじゃないよ」と厳しい言い方をしていました。意地悪っていうかこの世界のルールに則って生きていて、先輩後輩の上下関係に厳しいのでしょう。どこにいってもこんな感じで、暗黙のルールがあるわけです。芸能の世界はけっこうそのへん厳しいはず。まあ「らんまん」には無駄に意地悪な人はいないので大丈夫かと……。

寿恵子が急に料亭で働き始めたことを、家ではまだ知りません。
でかけたっきり帰って来ないと心配になりますよね。遅いなあと待っていて、眠れない子供たちが万太郎(神木隆之介)に本を読んでほしいとせがみます。

万太郎が行李を開けると「八犬伝」がない。
おじさんに貸した、と子供から聞き、質に出したと察します。

余談ですが、行李って便利です。なんでもしまえるし、そのまま荷物として送れるし。ちょっと重いのが難点ですが、現代でももっと見直すべきではないかと思います。

さて。ついに大事な「八犬伝」まで手放す(質なので返してもらう前提)ほど追い詰められた槙野家。だから、みえに助けを求めたわけで、地道に働くつもりでしたが、千載一遇、一攫千金のチャンスが巡ってきます。

岩崎弥之助(皆川猿時)が「菊づくし」をやって、誰彼問わず、これぞという菊をもってきて、一等になった者に500円を振る舞うと言うのです。「菊づくし」、なんだか、風雅な催しです。

菊を楽しむのは、重陽の節句(9月9日)。古代中国では、菊の花は不老長寿の力があると信じられていたため、重用の節句を「菊の節句」と言います。でも、「らんまん」では人気・芸者・菊千代(華優希)にちなみ、「孟冬の宴」で行おうとします。「孟冬」は冬のはじめです。
この日の宴会で演奏されていた曲は「老松」でした。松も丈夫な植物で、縁起のいいものとされています。

政治や商売を行う人達ですから、ことのほか縁起を担ぐのでしょう。

渋い話で、大河ドラマみたいになっていましたが、
夜遅く帰ってきた寿恵子を、高藤(伊礼彼方)のときのようなことにならないかと心配する万太郎。
寿恵子も、植物採集のとき、どこに泊まっているのかと気にします。世の中には、母親を好む人もいるという話も含め、お互いの浮気?を心配するふたり。意外と生々しい話ですが、ギスギスしないで、あくまで微笑ましいやりとりにしてしまうマジック。疲れて帰ってきた寿恵子を万太郎がちゃんと労うのは、令和的。

寿恵子は万太郎に、植物採集にいったら菊をとってきてほしいと頼みます。菊づくしに参加して500円ゲットできるかーー


(文:木俣冬)

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