続・朝ドライフ

SPECIAL

2023年03月31日

これを読めば“朝ドラあるある”がわかる!「朝ドラ辞典」

これを読めば“朝ドラあるある”がわかる!「朝ドラ辞典」


“朝ドラ”ことNHK連続テレビ小説の各回を、ライター・木俣冬が紐解いていくCINEMAS+の連載、「続・朝ドライフ」。

本記事は、2022年秋~、同連載にて筆者が毎回朝ドラでよく見られる設定や“あるある”を解説してきた「朝ドラ辞典」を集約したものである。

2023年3月31日「舞いあがれ!」の完結をもって、「続・朝ドライフ」毎回の用語解説は一段落するが、「朝ドラ辞典」は、今後も随時追加予定。

“朝ドラあるある”が詰まった「朝ドラ辞典」。朝ドラの放送とともにぜひ楽しんでいただきたい。

[※本記事は広告リンクを含みます。]

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朝ドラ辞典・もくじ

朝ドラ辞典・あ行

【相手役 (あいてやく)】
「戯曲というものは、やっぱり恋愛がなくちゃいけないとあたしは思うわ……」というのはチェーホフ「かもめ」のセリフ。朝ドラにも恋愛が、主人公の相手役は必須。常に相手役は誰だろうという興味がある。朝ドラでは夫役、妻役として事前に紹介されることもあるが、誰が相手役になるかなかなか明かされないパターンもある。

【アヴァン (あばぁん)】
アバンタイトル。タイトルバック(主題歌とスタッフ・キャストのクレジットの入った映像部分)の前の短い場面のこと。これまでのあらすじ的なことが描かれたり、ちょっとしたコントのようなものが描かれたりする。掴み、導入部としてのセンスが問われる。

赤ちゃん (あかちゃん)
赤ん坊役は複数体制ながら、とてもかわいい赤ちゃんぞろい。

【赤津 (あかつ)】
「まんぷく」(2018年度後期)に出てきた塩軍団のひとり。ヒロインの母・鈴(松坂慶子)のお気に入りとなりなにかと「あかつー」と呼ばれていた。演じているのは永沼伊久也で、「舞いあがれ!」のなにわバードマンの一員・西浦役で出演しているが、赤津とは外観をまったく変えて現れ、朝ドラファンを驚かせた。

【朝ドラ (あさどら)】
すっかり定着している「朝ドラ」は愛称。正式シリーズ名は「連続テレビ小説」。NHK広報さんに原稿を確認する際、朝ドラと書くと「連続テレビ小説」と修正される。

【朝ドラ受け (あさどらうけ)】
朝ドラのあとに放送される「あさイチ」にて司会が今見た朝ドラの感想を述べること。「ゲゲゲの女房」(10年)からの伝統になっていて、司会が変わっても受け継がれている。いまでは朝ドラと朝ドラ受けをセットで見ることで朝ドラが完成するようにも考えられているところもある。朝ドラをツッコむ習慣を作り出した要因とも言える。

【朝ドラ送り (あさどらおくり)】
「あさイチ」の朝ドラ受けに対して、前の番組である「おはよう日本」で行うのが「朝ドラ送り」。番組の最後の数秒でこれからはじまる朝ドラに期待をもたせるための気の利いたコメントをいかに発するかアナウンサーの腕の見せ所となる。高瀬耕造アナが頻繁に行いはじめてからこの用語が定着した。 
※関連語:朝ドラ受け

【明日もこのつづきをどうぞ…… (あしたもこのつづきをどうぞ……)】
これは昔の朝ドラの各回の終わりについていた文言。2022年8月〜9月にかけて放送された夜ドラ「あなたのブツが、ここに」でも使用された。

【当て馬 (あてうま)】
恋愛ドラマに不可欠な存在。本命のふたりの間に障害があると、逆にふたりの恋の炎が燃えるという重要かつ残念な役目。ただし熱演すると視聴者からは支持されることもある。
俳優としてはステップアップになる。

【後出し (あとだし)】
ある出来事に関して、その瞬間には言及しないで、あとからその出来事に付随する情報を描くことがよくある。フックがついて、印象に残るのと、物語が物切れにならず、繋がって思える効果がある。

【あとを継ぐ(あとをつぐ)】
家族の物語なので、家業の継承問題もたびたび持ち上がる。

【兄 (あに)】
主人公にはたいていきょうだい(兄姉弟妹)がいる。ヒロインと弟(「ちゅらさん」「おちょやん」「カムカムエヴリバディ」のひなた編)、ヒロインが三姉妹(「とと姉ちゃん」「まんぷく」「エール」)、ヒロインと姉(「あさが来た」)、ヒロインと妹(「おかえりモネ」)など、様々な家族構成がある。「舞いあがれ!」「ちむどんどん」「カムカムエヴリバディ」と3作続いて、兄が家庭に波風を立てることが続いている。「舞いあがれ!」の悠人は頭はいいが反抗的、「ちむどんどん」の兄・賢秀は借金ばかりしていて、「カムカム」ではラジオの窃盗や店の運転資金を持ち逃げした。でも朝ドラではどんなことがあっても家族の絆は強い。   
※関連語:弟、姉、妹

【雨 (あめ)】
登場人物のどうしようもない感情を表現するのに雨が使用されることはよくある。朝ドラはスタジオで雨を降らすことが時々あるが、ロケで雨降らしをするよりは楽らしい。「半分、青い。」では雨のなかヒロインがプロポーズされてミュージカルのように踊っていた。

【意外性 (いがいせい)】
やな人と思っていたひとが、実はいい人だったというパターンは大衆に好まれる。キャラ変とは違う。

【一難去ってまた一難 (いちなんさってまたいちなん)】
放送期間の長い朝ドラにはつきもの

【一致団結 (いっちだんけつ)】
朝ドラに限ったことではないが、なにかあって、関係者が一致団結するのは感動ポイント

【いつものメンバー (いつものめんばー)】
朝ドラではほぼ、いつものメンバーで成り立っている。

【田舎から誰か来る (いなかからだれかくる)】
朝ドラでは主人公の地元からはじまって上京してセカンドステージとなる。ご当地ドラマの側面もあるので主人公がたまに地元に帰るエピソードが不可欠。あるいは、地元(田舎)から遠路はるばる親や幼馴染が上京してくるというエピソードも。「舞いあがれ!」では祥子が浩太の死をきっかけに上京してきて、めぐみや舞や悠人に重要な言葉を投げかけて帰って行った。

【犬 (いぬ)】
主人公の家で犬を飼っていたのは「ひまわり」で、犬・リキ(声:萩本欽一)はナレーションの役割も担った。
※関連語:猫

【いびり (いびり)】
かつては姑、小姑の嫁いびりが定番であったが、最近は視聴者のストレスになるようなしんどい描写は減っている。

【引退 (いんたい)】
高齢化社会になってドラマでも高齢者の描き方に変化が。「べっぴんさん」では使用人が老後に冒険の旅に出る展開があった。

【腕をつかむ (うでをつかむ)】
男性がヒロインの腕を掴んで何か言うシチュエーションが朝ドラにはよくある。これがスイーツものにおける壁ドン的なキュンポイント。

【海 (うみ)】
朝ドラに限らず、気持ちを整える場面では海が格好のロケ地。朝ドラでも、ここぞというとき、海が出てくる。遠くまで広がる海(貴司いわく「無限の青やで」)、高い空、風に吹かれる俳優たち。それだけで名場面の完成です。海が舞台の朝ドラも多数。沢口靖子主演で銚子が舞台の「澪つくし」、気仙沼が舞台の「おかえりモネ」、北三陸でロケした「あまちゃん」など。

☆浜辺あるある。腰を下ろすのにちょうどいい流木がさりげなく配置されている。「舞いあがれ!」第33回ではそれがなく、砂の上に直座りしていて、新鮮だった。

【江戸時代 (えどじだい)】
江戸時代からはじまったのは「あさが来た」がはじめて。「らんまん」が2作目となる。

【遠距離恋愛 (えんきょりれんあい)】
遠距離恋愛はなにかとドラマティック。『カムカムエヴリバディ』(21年後期)では安子が岡山、稔が大阪と離れた際は文通し思いを深めた。娘のるいは、愛する錠一郎がデビューの準備で東京に行き、滞在先のお嬢様の出現で不穏なムードになる。
『おかえりモネ」(21年前期)ではモネと菅沼がやたら入れ違いになって遠距離を続けた。
恋愛ではないが、夫が単身赴任先で浮気するのは『青春家族』(89年)。『おひさま』(11年)のヒロインの夫も一時期、自宅を離れて、ヒロインを心配させた。

【エンド5秒 (えんどごびょう)】
毎日の放送のあと、5秒間は視聴者参加のコーナー。毎シリーズ、テーマを決めて、視聴者の投稿を紹介する。作品のテーマに沿ったものが多い。「舞いあがれ!」では飛ぶがテーマになっている。

【オープニング (おーぷにんぐ)】
出演者やキャストが表示されるパート。朝ドラのオープニングは歌ものとインストゥルメンタルと2パターンある。朝ドラにはじめて主題歌がついたのは、第32作「ロマンス」(1984年前期)。
第48作「ひらり」(1992年後期)でDREMES COMES TRUEの「晴れたらいいね」が起用されて以降は、誰が主題歌を歌うかも朝ドラの注目ポイントになっている。紅白歌合戦でアーティストが主題歌を歌うこともあって、それも楽しみのひとつである。
※類語:主題歌、タイトルバック

【幼馴染 (おさななじみ)】
朝ドラの主人公には幼馴染が不可欠。子供時代から描くことが多いので、子供時代、一緒に過ごした友達が主人公の人格形成に大きな影響を与えていく。大人になってもその友情が続いていくことが多い。視聴者の共感ポイントのひとつ。幼馴染が男の子の場合、ヒロインの相手役になることもあればならないこともある。

【女友達 (おんなともだち)】
ヒロインにはたいてい女友達がいる。正反対の境遇で主人公を際立たてる役割。因縁のライバル的になるか、なにがあっても強い味方になるかはその時々。

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