変わり種の動物映画5選!『ハチ公物語』のハリウッド・リメイクなど!

©2018「旅猫リポート」製作委員会 ©有川浩/講談社 

10月26日より、有川浩原作の映画『旅猫リポート』が劇場公開されます。

新たな飼い主を探すべく、車に乗せて旅する悟(福士蒼汰)と猫のナナ(声/高畑充希)の交流と、旅の終わりに明かされるある“秘密”に、多くの観客が感涙すること必至のこの作品、ナナの名演も特筆すべきものがあります。

そう、動物映画の名作には、何を差し置いても動物の名演あり!

そこで今回は、猫ならぬ犬の映画『HACHI 約束の犬』(09)をご紹介しつつ、ちょっとばかし横道にそれてのオススメ動物映画もご紹介していきましょう!

忠犬ハチ公の実話を
アメリカ東海岸に置き換えて!

まず『HACHI 約束の犬』は、日本人なら誰もが知る渋谷駅前の忠犬ハチ公像のエピソードを映画化した1987年の日本映画『ハチ公物語』をハリウッドでリメイクしたものです。

(C) Hachiko,LLC. 

舞台を東京からアメリカ東海岸郊外のベッドリッジ駅に移し、大学教授パーカー(リチャード・ギア)と、彼に拾われた迷子の秋田県ハチの交流と、彼が突然死んでしまったことも知らず、ずっと駅で待ち続けるハチの健気であるが故の悲劇が綴られていきます。

そもそもは日系三世のプロデューサー、シゲクニ・ウォンが来日した際に渋谷駅のハチ公像に興味を持ち、その悲劇の実話に心動かされてハチコーと名付けた自分の飼い犬が死んでしまったことを機に映画化を決意したとのこと。

監督はスウェーデン出身で、人工衛星に乗せられて地球最初の宇宙旅行者となったライカ犬に想いを馳せる少年の日常を描いた『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』(85)がアカデミー賞監督賞にノミネートされ、以後ハリウッドを拠点に『ギルバート・グレイプ』(93)や『サイダーハウス・ルール』(99)などさまざまな名作を発表し続けるラッセ・ハルストレム。

最近でも犬の輪廻転生を通して飼い主との愛情を描出していく『僕のワンダフル・ライフ』(17)を発表するなど、動物ものにも定評のある監督なのでした。

ちなみに、日本の動物映画をハリウッドでリメイクした作品としては、南極に置き去りにされた犬たちのサバイバルを描いたフランク・マーシャル監督の『南極物語』(06/オリジナルは高倉健主演の1983年の同名大ヒット作)もありますね。

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ちょっと変わり種の
動物映画を選んでみた

ではここからは、ちょっと変わりダネですが個人的にお気に入りな(要するにマイノリティ?)動物映画をご紹介していきたいと思います。

あ、今回は犬と猫の映画は今回省きましたので、悪しからず……(いや、もう数が多すぎるから!)。

●『赤ちゃん教育』(38)

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ここでの“赤ちゃん”とはベイビーという名の豹のことです。

博物館の若き動物学者デイヴィッド(ケイリー・グラント)になぜか次々と災いをもたらしてしまう令嬢スーザン(キャサリン・ヘプバーン)、そして彼女が飼うベイビーが巻き起こす騒動を、名匠ハワード・ホークス監督が描いたスクリューボール・コメディの名作。

スクリューボール・コメディとは早口の台詞を矢継ぎ早にガンガン繰り出しながら進められていく喜劇のスタイルで、本作はその元祖として今も語り草になっています。

●『ウイラード』(71)&『ベン』(72)

ウイラード(字幕版)

こちらはネズミ。まずは孤独な青年ウイラードがソクラテスとベンと名付けた2匹のネズミを調教して、復讐を企てるという動物パニック映画スタイルで若者の繊細な心情を活写した『ウイラード』。

その続編『ベン』は、惨劇から生き延びたベンと少年の交流を軸に描いたもので、ここでは動物パニック映画の要素にファミリー映画風ヒューマニズムを盛り込んでいます。主題歌を幼い頃のマイケル・ジャクソンが歌ったことでも話題になりました。

ただし、どちらもネズミの群れが画面狭しと押し寄せる描写などには、その手のものが苦手な方はご注意のほどを。

ちなみに『ウイラード』は2003年にリメイクされています。

●『イルカの日』(73)

イルカの日(字幕版)

邦題に偽りなくイルカの映画なのですが、これは何と2頭のイルカを用いた大統領暗殺計画を描いた名匠マイク・ニコルズ監督のサスペンス・スリラー映画です。
(邦題で『~の日』とつくものって、暗殺計画やスキャンダラスな事件を描いたものが多いですね)

一体どうやってイルカに大統領を暗殺させるのか? は見てのお楽しみですが、ドラマの本領としてはイルカと海洋学者(ジョージ・スコット)の心の交流が主軸となっており、ジョルジュ・ドルリューの切ない音楽が感動を大いに盛り上げています。

今回挙げた作品の中で、個人的には最も愛してやまない作品です。(サスペンス映画なのに、ラストは号泣!)

●『愛は霧のかなたに』(88)

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ルワンダの森林で18年間にわたりマウンテンゴリラの生態系調査及び保護を行った動物学者ダイアン・フォッシー(シガーニー・ウィーバー)の生涯を描いたマイケル・アプテッド監督作品。

彼女と交流をはかるボスゴリラには特殊メイクのリック・ベイカーによる着ぐるみが用いられてますが、実は本物のマウンテンゴリラも多数使われており、シガーニー・ウィーバーはその群れの中に入って撮影することもあったとのこと。

動物学者と野生の動物の交流を描いた実話の映画化では、ライオンの『野生のエルザ』(66)とその続編『永遠のエルザ』(71)も有名ですね。

●『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』(12)

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太平洋のど真ん中で動物園の動物たちを乗せた船が沈没し、ベンガルトラが潜んでいたボートにしがみついて一命をとりとめた青年パイの造像を絶する漂流生活を描いたアン・リー監督のアドベンチャー大作。

3D映画として劇場公開され、その効果もバツグン。ご家庭で3Dを見られる環境にある方は、ぜひそのモードでご覧になることをお勧めします。

空や海などの色彩にも腐心した映像美にもご注目を!

その他、『小鹿物語』(46)にシャチの『オルカ』(77)、狼の『ネバー・クライ・ウルフ』(83)、『小熊物語』(88)、ブタでは『ベイブ』(95)に『シャーロットのおくりもの』(06)、ガンの『グース』(96)なんかもいいですね。

あ、あと犬の映画で一番好きなのは『ベンジー』(74)です……ってもう収拾がつかなくなりそうなので、今回はこのへんで!

(文:増當竜也)

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ライタープロフィール

増當竜也

増當竜也

増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画新作すべてのレビューをめざす『戯画日誌』、『衛星劇場プログラムガイド』誌に、毎月オンエアされる松竹映画名作群の見どころなどを紹介する『シネマde温故知新』を連載中。

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