新スパイダーマンで話題沸騰!トム・ホランドの映画デビュー作『インポッシブル』

本日8月11日から話題の超大作『スパイダーマン ホームカミング』が公開されます。

このスーパー・ヒーロー、これまで数々の俳優が演じてきていますが、今回のトム・ホランドは歴代ナンバー1といってもいいほどヤンチャで明るいスパイダーマンこと主人公ピーター・バーカーに成り得ていて、多くの支持を得ること必至。

では、ここでちょっと彼のキャリアを振り返りがてら、彼が出演している『インポッシブル』(12)をご紹介していきましょう!

インポッシブル(字幕版)

大津波で被災した家族が再会を果たす
奇跡の実話の映画化

映画『インポッシブル』は、2004年12月26日に起きたスマトラ島沖大地震による大津波で被災した、あるイギリス人家族の奇跡の実話を、『永遠のこどもたち』(07)『怪物はささやく』(16)などのJ・A・バヨナ監督のメガホンで映画化したものです。

イギリス人風のマリア(ナオミ・ワッツ)とヘンリー(ユアン・マクレガー)は、3人の息子たちと共にタイのリゾート地を訪れ、バカンスを楽しんでいましたが、巨大地震に伴って発生した大津波によってマリアと長男ルーカス(トム・ホランド)は、ヘンリーと残りふたりの息子と離れ離れになってしまいます……。

ここで描かれているのは、大災害で離れ離れになった家族がさまざまな苦難を乗り越えて奇跡の再会を果たす感動と希望のメッセージにあるわけですが、そこで日本人としてはどうしても2011年3月11日の東日本大震災を思い起こしてしまうことでしょう。

現にこの作品、日本では2013年に劇場公開されていますが、そのときはまだ震災の傷も生々しい時期で、こうした他所で起きた奇跡の実話を素直に受け入れることができない気持ちもあったかと思われます。

(スマトラ島沖大地震と大津波が冒頭に登場するクリント・イーストウッド監督のファンタジー映画『ヒア・アフター』は、日本で公開された直後に3・11が勃発したことで、その後の上映がストップされました。ちなみにこの大津波で、『ガンジー』などの名匠リチャード・アッテンボロー監督も孫娘などの家族を亡くしています)

その意味では、少しだけ時が過ぎた2017年の今のほうが、冷静にこの作品の中で描かれている希望のメッセージをキャッチすることができるのではないでしょうか。

また、大自然の脅威はもちろんのこと、こうした未曽有の事態に陥ったとき、人はどう対処したらいいのか?

この災害の場合、海辺にいた多くの人たちは水着姿で裸足なので、それゆえの後々の痛々しい描写の数々に戦慄します。

しかもここでは英語が通じず、それゆえのトラブルも起きてしまいます(ましてや、これが日本語だったら……)。

単に本作を奇跡のサバイバル映画と捉えるのは簡単ですが、今の日本人ならもっと多くの教訓を読み解くこともできるような、そんな気もしています。

(C)2012 Telecinco Cinema, S.A.U. and Apaches Entertainment, S.L.

明るい個性でキャリアを積み上げてきた
トム・ホランドの魅力

さて、この作品の中で長男ルーカスを演じているのが、トム・ホランドです。

1996年6月1日、イギリスのロンドン生まれの彼は、2008年に映画『リトル・ダンサー』のミュージカル版『ビリー・エリオット』で主人公の親友マイケル役に抜擢されて舞台デビューし、その後ビリー役でも舞台に立っています。

スタジオジブリのアニメーション映画『借りぐらしのアリエッティ』イギリス上映版では、ヒロインの相手役・翔の声を担当。

借りぐらしのアリエッティ [DVD]

そして『インポッシブル』で映画デビューを果たし、その好演が大いに注目されたのでした。

その後『わたしは生きていける』(13)や『白鯨との闘い』(15)などを経て、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(16)でスパイダーマンことピーター・パーカー役に大抜擢。

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ (字幕版)

そして彼を主人公にした『スパイダーマン ホームカミング』で日本でも人気が一気に沸きあがること必至です。
スパイダーマン:ホームカミング 場面写真

(C)Marvel Studios 2017. (C)2017 CTMG. All Rights Reserved.

本作『インポッシブル』では、特に実力派ナオミ・ワッツ(顔や体全体の痛々しい傷の特殊メイクも辞さない役者魂!)と多くのシーンを共にし、小さな体で堂々と健気に、そして気丈に渡り合いながら、生き続けることの尊さを体現してくれています。

事実、この作品の彼がいなかったら、明るくヤンチャなクモ男が銀幕に登場することはなかったでしょう。

『スパイダーマン ホームカミング』の予習復習の域にとどまらず、ぜひ『インポッシブル』をお楽しみください。

[この映画を見れる動画配信サイトはこちら!](2017年8月11日現在配信中)
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(文:増當竜也)

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    ライタープロフィール

    増當竜也

    増當竜也

    増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画新作すべてのレビューをめざす『戯画日誌』、『衛星劇場プログラムガイド』誌に、毎月オンエアされる松竹映画名作群の見どころなどを紹介する『シネマde温故知新』を連載中。

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