体験版VRと思いきや…!『VRミッション:25』は現実の死とリンクしていた!

 (C)THE CALL UP LIMITED 2015

VR(バーチャル・リアリティ)ゲームも最近はかなり一般的なものになってきて、PS4などで手軽にプレイできるようになって久しいものがあります。

これに呼応してか、最近はVRゲームを題材にした映画なども増えてきて、日本でも昨年アニメ映画『ソードアート・オンライン』がヒットし、今年の4月20日からはスティーヴン・スピルバーグ監督の『レディ・プレイヤー1』が公開されます。

そこで今回は、ちょっと変わった趣向のVRゲーム系SFサスペンス映画『VRミッション:25』をご紹介しましょう!

賞金目当てで集められた
ゲーマーたちの運命やいかに?

舞台は近未来のニューヨーク。

最新型バーチャル・リアリティ・ゲーム「ザ・コールアップ」が世に出る前、オンライン・ゲームの凄腕ゲーマー8人が10万ドルの賞金につられて、いち早くその体験版をプレイすべく、ザイバツ・コープ社の高層ビルに集結しました。

8人は高分子マトリックス製スーツとヘルメットを身に着け、ゲームを開始します。
(ヘルメットをかぶるとVR世界内でサバゲー戦士となり、脱ぐと現実世界へ戻ります)

ゲームそのものの内容は、現実世界そっくりの仮想空間内でテロリストを敵に戦いながら、25階から1階まで下っていき、外に脱出するというサバイバル・シューティング・アクションものですが、そのリアルさに嬉々となったのもつかの間、すぐに彼らはこのゲームが何かおかしいことに気づき始めます。

バーチャルなのに、被弾すると痛い……。

そう、彼らはゲーム内で死亡すると現実に死んでしまう恐怖のゲームに挑まされていたのでした!

このところ、VRゲーム内世界での死が現実のリアルな死と直結するといった内容のSF作品が急増している感がありますが、本作もVR世界と現実世界がリンクしながら進むデス・ゲームをクリアしていかざるをえなくなった者たちの運命を描いたSFサバイバル映画です。

閑散とした高層ビル内でのVRデス・サバゲーという設定は、低予算枠でのSFドラマを確立させるための常套手段として大いに有効でもあり、B級映画ならではの趣向を醸し出していきます。

先読みできない面白さ
そして衝撃の真相とは?

監督は、これが長編映画デビュー作となったチャールズ・バーカー。

キャストは『イントゥ・ザ・ストーム』のマックス・ディーコンや『高慢と偏見とゾンビ』のモーフィッド・クラーク、『悪の法則』のクリストファー・オビなど、割と渋めの若手がそろっていて、しかもここでは主人公が特定されていない集団劇スタイルがとられていますので、次は誰が殺されていくのか? といった予想がつかない面白さもあります。

正直、凄腕のゲーマーが揃っている割には、もうちょっと知恵を絞って諸所に対処していってもいいのでは? という気もしないではありませんが、そこはそれ、バーチャルではない現実の殺し合いで、みんな気が動転してしまっているということで!

そしていったいなぜ、彼らはこのようなデス・ゲームを強いられてしまったのか?

衝撃の真相はラストで明らかになりますが、それをどう捉えるかも、本作を評価する上での大きなキモとなることでしょう。

超大作『レディ・プレイヤー1』のようなド派手な見せ場こそありませんし、映画ファンが驚愕するようなオタク・ネタもありませんが、一方では『バトル・ロワイヤル』や『GANTZ』『CUBE』『ソードアート・オンライン』などの要素も彷彿させるこの作品、アイデアを駆使しながら1本の映画を仕立てあげていく行為こそ、映画作りの醍醐味であるといえるかもしれませんね。

[2018年4月20日現在、配信中のサービス]
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(文:増當竜也)

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ライタープロフィール

増當竜也

増當竜也

増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画新作すべてのレビューをめざす『戯画日誌』、『衛星劇場プログラムガイド』誌に、毎月オンエアされる松竹映画名作群の見どころなどを紹介する『シネマde温故知新』を連載中。

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