「これはアニメだからこそ描ける新しいゴジラ」宮野真守&櫻井孝宏『GODZILLA星を喰う者』公式インタビュー

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11月9日(金)に全国公開となる、アニメーション映画『GODZILLA』シリーズの最終章『GODZILLA 星を喰う者』。この度、ハルオ・サカキ役の宮野真守さん、メトフィエス役の櫻井孝宏さんのインタビューが到着した。

『GODZILLA 星を喰う者』 宮野真守さん&櫻井孝宏さんオフィシャルインタビュー

――いよいよ最終章が公開されます。シナリオを読まれたときの感想や意気込みをお聞かせください。

宮野真守(以下、宮野):僕らは台本を第一章から最終章まで通していただいていましたし、お芝居も一気に録り終えていました。その作品が、ついに公開。感慨深いですね。全体を通しての大きなテーマは、ハルオたち地球人と異星人が、自然災害ともいえる怪獣・ゴジラに対して、どう立ち向かっていくか、どういう答えを出すか。ただ、最終章まで見ると、やはりこれは“ハルオの物語”だということが分かっていただけると思います。種族間の価値観の違いや正義の違い、共存することなど、大切なメッセージやいろんな思いが渦巻くなかで、人類としてひとりの男がどう生きたか。それを感じてもらう作品なんじゃないかなと思いました。

櫻井孝宏(以下、櫻井):物語の芯になる部分は、今、宮野君が話した通りだと思います。この作品は映像より先に、声の演技を録音する「プレスコ」でした。なので、台本を読んだ時は、どんな映像になるのか、視聴者目線的な興味がありましたね。三部作になっているので、第一章を見れば、ビジュアルの方向性は分かります。ただ、最終章は――僕もいろいろ想像しながら取り組んではいたのですが、実際の映像を見たら、すごかったですね!やはり、ゴジラ好きのひとりとして、ギドラの登場を待望していました。どんな姿なんだろうと想像していたら、まさか……! 想像を超えていて、びっくりしました!

――この作品は、映像がない状態で演技を先に収録する「プレスコ」だったとお聞きしています。最終章では、宮野さん演じるハルオと、櫻井さん演じる異星人「エクシフ」のメトフィエスが対峙するシーンが重要な位置を占めています。おふたりで演技について話し合われたりしたのでしょうか。

宮野:「プレスコ」だからこその、演者同士で交わす会話というものは確かにあります。僕らふたりのシーンに限らず、「ここの状況ってこの方向性ですよね」とか、「ここってどういう絵かな」とか、そういうビジョンを共有し合いながら進めていきました。今回の作品はオリジナルストーリーですし、シリーズ初の長編アニメーション映画。どういうビジュアルになるか分からないところが楽しみでもあり、不安要素でもありましたから。同じビジョンを見られるよう、距離感を合わせていく感覚が必要になってくる。ありがたいことに僕や櫻井さんは、今回の『GODZILLA』シリーズを制作しているポリゴン・ピクチュアズさんの、他の「プレスコ」作品にも出演させていただいています。そのうえでのノウハウの蓄積もありましたし、相手が櫻井さんでいてくれるという大きな安心感がありました。そういった要素が相乗効果となり、僕らの関係性――ハルオとメトフィエスの関係性を作っていったのだと思います。

櫻井:「プレスコ」に関しては、ポリゴン・ピクチュアズさんの「プレスコ」作品のマナーが分かっていたので、戸惑いはなかったですね。それと、『GODZILLA』は単発の作品ではなく三部作なので、最終章まで時間をかけて積み上げていけるものがありました。収録時の会話は、「こんな展開になっちゃうんだね」みたいな他愛のないものもあれば、しっかり共有しないとダメ演技プラン的なものもあります。たったひとりでもズレてしまうと、それが透けて見えてしまうんですよ。

宮野:迷うシーンがあったりすると、積極的に監督に聞きにいく流れもありました。僕らがそういったやり取りをすることによって、みんなのイメージも固まっていく実感がありました。初めてポリゴン・ピクチュアズ作品に参加する方にも、「この現場では、こうやって想像して、共有していけばいいんだ」というのを、僕らで示せたんじゃないかと思います。

――役作りについてお聞かせください。宮野さん演じるハルオは、第一章ではゴジラへの復讐心を中心に描かれていました。第二章、最終章と進むごとに、種族間の衝突に巻き込まれていきます。どのように役を組み立てていったのでしょうか。

宮野:ハルオが何を感じて、何に迷って、どこへ向かっていくのか――。作品を通し、その心の動きを表現していきたいという意図が、監督陣や台本に溢れていました。じゃあ、僕はそれを自分の感情でどう紡いでいくか。ハルオの心の動きをちゃんと受け取ることを大事にしました。第一章では、ハルオの行動理念はゴジラへの復讐です。確固たるものをみんなに伝えて、みんなを従えてゴジラに立ち向かっていく。でも、ゴジラに勝ったと思ったら、<ゴジラ・アース>というさらなる絶望が襲ってきた。多くの犠牲を出してしまったことから、悩みが生まれてしまう。ハルオは、今度はその渦巻く感情に巻き込まれていくんです。第二章では、ゴジラと戦うことが良いことなのか、悪いことなのか、悩み苦しみます。失った命が多すぎて…。しかし、異星人種「ビルサルド」の力で、念願が達成できる手前まで行きます。みんなで力を合わせれば、ゴジラを倒せるかもしれないとなった時に、なんとメトフィエスから横やりが入って――。第二章のラストでは、ハルオはゴジラを倒すことより、人間としての尊厳を守って、結果、「ビルサルド」を裏切る形になってしまった。その流れのなかで、状況ごとに、ハルオが何を感じているのか、何を選択していくのか、リアルに感じていきたいと思いながら演じていました。ハルオという主人公役を演じさせていただくことは、物語の真ん中にいさせてもらえること。自分がこの作品を一番知っている人間でありたいと思いながら作品に臨んできました。その結果が、ハルオの人生をどう生きるかということにつながったと思います。

――櫻井さん演じる異星人種「エクシフ」のメトフィエスは、謎めいていて、実像をつかむのが難しいキャラクターかと思います。どのように演じられたのでしょうか。

櫻井:彼は異星人ですが姿かたちはほぼ地球人です。メトフィエスを見た我々は、多少の違いはあれど、人間っぽい姿をしているという認識をしますよねしかも、エクシフは美しい容姿で、どことなく神秘的な雰囲気をまとっている。信仰の対象になってしまうような要素を幾つも持っているんです。彼らがタコのような姿の異星人だったら、全く違う結果になっていたと思いますがこの映画は地球人が見る映画ですけど、もし「エクシフ」が見たら答えは変わってくるでしょう。科学至上主義の「ビルサルド」が見たら、「おい!ハルオ!」と突っ込むでしょうし。妙な例えですが、そういう切り口で見られる作品でもあります。だから、メトフィエスに与えられている情報を最大限利用して表現しようと思っていました。彼の言葉はきれいすぎるので実像感は薄いかもしれないけれど、物語のクライマックスにかけて輪郭が浮かび上がってきます。

――最終章で、ご自身が演じられていてとくに心を揺さぶられたシーンは?

宮野:僕はラストシーンです。内容はもちろん言えませんが、最後のハルオの叫びを聞いてほしい。そこにすべてが詰まっていると思います。

櫻井:後半で、メトフィエスが繰り返しハルオに呼びかけるシーンでしょうか。最終章の山場となるシーンで、ハルオに何度も呼びかけるんです。名前に込める想い、気持ち、愛情……。メトフィエスがハルオに向ける、いわゆる“ラブ”ではない愛情。そのにじみを感じていただけたら。

――この作品でのゴジラを、おふたりはどのような存在だととらえていますか?

宮野:この作品では、ゴジラを災害、脅威、抗うことができない存在として描いています。ただ、最終章ではそのメッセージを伝えつつも、僕らの心が燃えたぎるような「怪獣バトル」シーンが描かれているんです。ネタバレになるので詳しくは言えませんが、思わずゴジラを応援してしまう瞬間があるんですよ(笑)。エンターテインメントとして見せる中で、過去のゴジラ映画へのリスペクトを盛り込んで、監督たちが見せたいものをしっかりと作っている。それがすごく素敵だと思いましたね。

櫻井:この作品に登場するゴジラは大きいですよね。それに、最終章に出てくるギドラも強烈なビジュアルです。 こういった宇宙的なスケール感は、アニメーションだからこそ描けるものだと思いました。声優としてこの作品に関われたことが、ゴジラ作品に出演できたことが、何よりうれしかったです。ただ、僕が好きなヘドラが出てこなかったのは残念でした(笑)。

――宮野さんから、ファンへのメッセージをお願いします。

宮野:今日の映画は今までの「ゴジラ作品」というよりも、新しい「アニメーション作品」です。ただ、過去作品へのリスペクトはたっぷりと込められていますし、ゴジラ・ファンの皆さんを置き去りにすることは絶対にしません!いろいろな方に楽しんでいただけるエンターテインメント作品になっている自信はありますので、是非劇場でご覧いただきたいですね。

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