『帰れない二人』撮影監督エリック・ゴーティエのストイックな撮影スタイルとは?

『帰れない二人』
2019年9月6日(金)よりBunkamuraル・シネマ、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー

ジャ・ジャンクー監督の最新作『帰れない二人』は、ヤクザ者のビンとその恋人のチャオが辿る 17 年の歳月を 21 世紀中国が経験した激動の歴史を背景に、総移動距離 7,700km に及ぶ圧倒的スケールで描く、監督の真骨頂にして集大成とも言える作品だ。

本作の撮影を手掛けたのは、フランス映画界を代表する撮影監督エリック・ゴーティエ。
1961 年生まれでフランス出身。1999 年のセザール賞では『愛する者よ、列車に乗れ』(98/パトリス・シェロー監督)で撮影賞、2004 年のカンヌ国際映画祭では『クリーン』(04/オリヴィエ・アサイヤス監督)と『モーターサイクル・ダイアリーズ』(03/ウォルター・サレス監督)の二作で最優秀技術賞、2008 年に『イントゥ・ザ・ワイルド』(07/ショーン・ペン監督)で撮影賞を獲得したフランス映画界きっての超実力派撮影監督だ。
前述のオリヴィエ・アサイヤス監督作品のほか、アルノー・デプレシャン監督作品など、フランスを代表する監督から絶大な信頼を寄せられ、『ポーラX』(99/レオス・カラックス監督)などの話題作も手掛けてきた。活躍の場はフランスに限らず、アン・リー監督の『ウッドストックがやってくる!』(09)、『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』(14/オリヴィエ・ダアン監督)やアモス・ギタイ監督作品など、国境を越え、記憶に残る傑作を数多く手がけ、国際的に高い評価を受けてきた。 まもなく公開となる是枝裕和監督による日仏合作の新作『真実』で撮影監督を務めていることでも大きな話題になっている。

これまでジャ監督はデビュー作『一瞬の夢』以来、長らく撮影監督ユー・リクウァイとタッグを組んできた。今回、自身監督作品の撮影で参加が叶わなかったユーに代わり、白羽の矢が立ったのがエリック・ゴーティエ。フランスでの活動歴もあるユー・リクウァイを介して、エリックが撮影を手掛けた作品に感銘を受けていたジャ監督とエリックの初めてのタッグが実現した。

名だたる監督と組んできたエリックの撮影スタイルはとてもストイック。役者のセリフをすべて丸暗記しており、役者のアドリブで脚本から外れることがあっても、その変化を敏感に察知することができたという。ジャ監督も「言葉の壁なく、最高の画づくりができた」と絶賛。
更には2001 年~2018 年という 17 年間の変化を表すため、DV、Digi-beta、HD ビデオ、フィルム、RED WEAPON カメラと、5種類のカメラを使用している。異なった質感にも関わらず統一感を持たせたのはエリックならでは。

17 年に及ぶ歳月と、中国を横断する壮大なスケールで描いた『帰れない二人』。盟友ユー・リクウァイが結んだエリック・ゴーティエとの初タッグ作は、ジャ監督の真骨頂かつ集大成にふさわしい作品となった。

ストーリー

山西省大同。チャオの恋人はヤクザ者のビン。ある日、暴漢に襲われたビンを助けるために、チャオは銃を発砲する。5 年後、刑期を終えたチャオは、ビンを探し長江・奉節を訪れる。しかし、二人の関係はもう終わっていた。チャオは新疆を目指す。そして、2017年がやってくる…。

公開情報

監督・脚本:ジャ・ジャンクー

撮影:エリック・ゴーティエ 音楽:リン・チャン
出演:チャオ・タオ、リャオ・ファン
2018 年/135分/中国=フランス
原題:江湖儿女/英題:Ash is Purest White
提供:ビターズ・エンド、朝日新聞社
配給:ビターズ・エンド
(C)2018 Xstream Pictures (Beijing) – MK Productions – ARTE France All rights reserved

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