実はSF? 「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」は、小松菜奈のミステリアスな瞳がアイコン。

■「役に立たない映画の話」

ぼくは明日、昨日のきみとデートする

(C)2016「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」製作委員会

一見ラブ・ストーリー。実は・・・。

女の後輩 ちょっとぉ。私が出る時は、なんで少女マンガの映画の時ばっかなのよお?

後輩 「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」は少女マンガが原作じゃないでしょ。七月隆文の恋愛小説を、三木孝浩監督が映画化した作品です。

女の後輩 なんかもー、少年少女がくっついたり離れたりって話は、さすがに飽きてきたのよねえ・・・。

後輩 そういう話じゃありません。この映画は一見ラブ・ストーリーに見えますが、実は・・・・。

女の後輩 実は・・・何よ?

後輩 その・・SFなんですよ。

女の後輩 えええぇぇぇーーーー・・・・!! びっくり。

後輩 わざとらしい驚き方、しないで下さいよ。試写見ているくせに。

女の後輩 つーか、それバラしちゃっていいの?ネタバレに該当しない?

先輩 まあ、あのことの秘密がバレなければ良いでしょう。それと、カンの良い人だったら分かると思うんですよ。福士蒼太の学生が小松菜奈演じる女性と電車の中で出会って、恋に落ちる。ずくさま交際を申し込むと、相手もOKと。葛藤も障害もなく、そんなに簡単にお付き合いできるのか。

女の後輩 あんた、それ、実体験で言ってるでしょ(笑)。

後輩 まあ・・・(笑)。

女の後輩 とにかくこのふたりの恋愛シチュエーションが続くんだけど、確かにうまく行き過ぎな感じ。カンがよくない人だって、原作読んでれば分かるわよ(笑)。

後輩 それを言ったら、元も子もないじゃないですか!

ぼくは明日、昨日のきみとデートする

(C)2016「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」製作委員会

名作SFラブ・ストーリー「ある日どこかで」との共通点。

女の後輩 あたしゃ原作は読んでないけれど、これって映画向きだよね。ふたりが親しくなっていくプロセスは、文章よりも映像を重ねて見せたほうが効果的で、感情移入しやすい。

後輩 その上、彼女が秘めていることが、演技で表現出来る。この映画の象徴というかアイコン的な存在なのが、小松菜奈のミステリアスな瞳ですね。

女の後輩 珍しく意見が合うわねえ。彼女は「溺れるナイフ」でも独自の存在感を見せていたし、まさにあの瞳は、何か秘密を持っているように見えるわ。

後輩 でも原作を読んでいない観客は驚くんじゃないですか? ストーリーが進むにつれ、不思議なシーンが増えていく。その謎が徐々に明らかになっていくと・・・実はSFでしたという。

女の後輩 まあSFっつーかファンタジーと捉えるべきかもね。だいたいSFとラブ・ストーリーってけっこうマッチするのよ。昔の映画で言えば・・・。

後輩 「ある日どこかで」みたいな?

女の後輩 そうそうそうそう!!もう大好きな映画よ。何回見てもラストで号泣しちゃう!!

後輩 僕もこの映画を見て、「ある日どこかで」を思い出しました。描いていることは全然違うんですけどね。ふたりの間に時間という壁があって、それが恋愛に大きく影響するという点では、似ています。

女の後輩 2本の映画に共通しているのは、絵の存在よね。

後輩 しーっ。それこそ大きな鍵を握るアイテムですから。

女の後輩 おお、そうであったな。すまんすまん。

ぼくは明日、昨日のきみとデートする

(C)2016「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」製作委員会

京都という街は、時間が止まったようなところがある。

女の後輩 なんかさあ、もどかしいよね。とても透明感のあるラブ・ストーリーなんだけど、SF的でミステリアスな要素が多分にあるから、「ここが面白い!!」みたいなことが言えない。

後輩 僕はこの映画を見て、京都に行きたくなりました。京都の風景、観光地的な場所と、穴場的な所と、ラブ・ストーリーの背景として京都の町は、どこを切りとっても画になるんだなあ。

女の後輩 うん。それも同感。京都という町は、どこか時間が止まったようなところがあるから。古い建物も多いし。これが東京だったら、またちょっと違う映画になってしまうかもね。

後輩 東京みたいな騒々しい街は、この映画には合いませんよ。

女の後輩 お正月のデートにこの映画って、良いかもしんない。「えーっ? 実はSFなのーっ!? 後輩クンったらセンスいいねえ!」って喜ばれるかもしれないわよ。

後輩 それは・・・試してみようかな?

女の後輩 おいおい、本気だぞ(笑)。

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(企画・文:斉藤守彦)

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    ライタープロフィール

    斉藤守彦

    斉藤守彦

    斉藤守彦(さいとうもりひこ) Morihiko Saitoh 静岡県浜松市出身。映画館、ビデオ会社でのアルバイトを経て、映画業界紙「東京通信」記者 (後に編集長)に。1996年からフリーの映画ジャーナリスト/アナリストとなり、以後多数の劇場用パンフレット、「キネマ旬報」「HiVi」「ザテレビジョン」「日経エンタテインメント!」「宇宙船」「スターログ日本版」「INVITATION」「東京カレンダー」「アニメ!アニメ!」「フィナンシャル・ジャパン」「Pen」などの雑誌・ウェブメディアに寄稿。2007年秋に「日本映画、崩壊 -邦画バブルはこうして終わる-」を、08 年「宮崎アニメは、なぜ当たる -スピルバーグを超えた理由-」、09 年「映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?」、 10 年に「『踊る大捜査線』は日本映画の何を変えたのか」(共著) を上梓。 他の著書に「図解でわかるコンテンツ・ビジネス」1〜4(共著)、「ソノラマ MOOK/ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」(構成・執筆) 、電子書籍「日本映画、飛躍と困惑の過去・現在・未来」等があり、ここ数年は「映画宣伝ミラクルワールド」「80年代映画館物語」と、独自の視点による書籍を執筆。2016年3月には新作「映画を知るための教科書 1912−1979」が世に出る。現在、水道橋博士編集長のメールマガジン「メルマ旬報」で「2016年映画館物語」を連載中。また「BOOKSTAND映画部!」で、「映画を待つ間に読んだ、映画の本」と「映画惹句は、言葉のサラダ」の2つの連載を行っている。

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